「三浦半島日和」は三浦半島のローカルメディアです。
サブタイトルに「ガイドブック」と銘打っていますが、観光のためのガイドブックではありません。
三浦半島で暮らす人、通勤・通学する人、三浦半島にルーツを持つ人など、なんらかのかたちで三浦半島に関わりがある人たちに、三浦半島の魅力を再発見してもらうきっかけになることをめざしています。
もちろん、「三浦半島日和」を見て観光に訪れていただいたり、移住を考えてくれるような人がいたら、それはとてもうれしいことです。
INDEX
「三浦半島」とは?
当サイトで扱う「三浦半島」とは、概ね、西は稲村ヶ崎周辺、北は三浦丘陵の北限とされる六国見山・大平山・大丸山・円海山周辺までを目安としています。
取り扱う範囲はあくまで「三浦半島」であり、特定の行政区画を対象とするものではありません。きっちりとした境界線を引くつもりもありません。
自治体で言うと、横須賀市、逗子市、三浦市、葉山町の全域と、鎌倉市と横浜市金沢区それぞれの約半分の地域、ということになります。
元来、人々が暮らしを営む生活圏・文化圏とは、流域や丘陵などといった、地理や地形に基づいて成り立っているものでした。もちろん、行政区画の成り立ちも同じですが、実際には境界線をきっちりと区切れるようなものではなく、ゆるやかな繋がりや境い目で成り立っているものです。
交通網やITが発達した現代においてもこれがベストな考え方とは言いませんが、大都市への一極集中という課題へのアンチテーゼとしても、流域や丘陵という単位は、古くて新しい考え方と言えます。
少子高齢化や人口減少・働き手不足、空き家の増加問題、オーバーツーリズムといった社会課題の解決を考えるうえでも、自治体などの行政区単位で考えるのではなく、きっと今後は、もう少し広域で考えていく必要性に迫られていくことでしょう。
三浦半島の魅力を再発掘
共通のアイデンティティをもった地域はわりと簡単にまとまりやすいものですが、幸か不幸か、三浦半島の各地域は、それぞれに個性が強いまちばかりです。
しかし、それが三浦半島の魅力でもあります。これだけ狭い範囲に、これだけクセが強いまちが集まっている場所はそうそうありません。
当サイトではこれをメリットと捉えて、それぞれの地域の魅力を伝えていきます。
伝えていきたいことはたくさんありますが、まずは、スポット情報の充実ということに力を入れています。
自治体や自治体関連の観光サイトなどのメディアは、分かりやすさを重視するためか、紙メディア時代の制約を引きずっているのか、地域の魅力を伝えるうえで、情報の深さが十分だとは言えません。一過性の観光情報としては必要十分なのかもしれませんが、本来その場所が持つポテンシャルを伝えきれているとは考えられません。
これらはまた、公平性を重視しなければならなかったり、施設ごとに管理事業者が異なっていたり、そもそも自治体をまたがっていたりという都合で、各地域やスポット間の横のつながりというものがほとんど見えてきません。「横のつながり」というのは、物理的な距離の近さからくるものと、歴史や文化的な背景の強さからくるものと、二つの側面があります。
これらは、人々が持つ潜在的な関心事にもリンクする可能性が高くなるため、地域の魅力を伝えるうえでもとても重要なことです。
なんの忖度もしがらみも抱えていない当サイトでは、適度な情報の深さと、自治体や利害関係を越えた(クセ強な)地域やスポット間の有機的なつながりを重要視しています。その集合体こそが真の三浦半島の魅力であり、その先に、これまで見えなかったものが見えてくると信じています。
めざしているのは現代の地誌
古代より、ある地域の特性を理解する目的の書物として、その地域の風土や歴史・文化などを総合的に系統だててまとめた「地誌」というのもが作られてきました。それらは、情報の深さこそページの枚数や巻数を増やすことでカバーすることができましたが、紙メディアと言う制約から「横のつながり」を持つことは難しいものでした。
一方、ハイパーリンクという手段を手に入れた現代では、紙メディアでは実現できなかった「横のつながり」を持った地誌が実現できるようになりました。
三浦半島日和は、このような、「横のつながり」を持った、Webならではの、三浦半島における現代の地誌をめざしています。
また、対外的に見て魅力的な地域というのは、必ず、そこで暮らしている人たちが地元を愛しているものです。逆に言えば、そのような人たちが増えればより魅力的な地域になると言えます。
地元を愛している人たちの中には、その魅力を自ら外部に発信する人たちも出てくるでしょう。情報や広告にあふれたネット社会では、実際にその場所で暮らしている個人が発信するリアルな口コミこそ、信頼されるものです。
しかし、三浦半島は横浜や東京という大都市が身近にあるため、生活の利便性であったりモノやコトの絶対的な物量を比較されて、下に見られがちです。また、三浦半島で暮らす人たちも、地域差はあるものの、謙遜しがちな傾向にあります。若い時から、買い物をするのも遊びに行くのも横浜や東京ということが多い分、地元の本当の魅力に気づいていない人が多いとも言えます。
三浦半島が暮らしの一部となっている人たちにとって、三浦半島における現代の地誌となるべく当サイトによって、三浦半島の風土や歴史・文化などをより深く知るきっかけとなり、今度はその魅力を自ら発信していってもらえるようになるとうれしいです。
※当サイトのご利用にあたっては、「プライバシーポリシー」と「よくあるご質問(FAQ)」もご覧ください。
参考文献について
当サイトのスポット情報は、現地の案内板や、公式サイトなどの当事者が関わるメディアを参考にしています。
その他に、以下のような地誌や歴史書も参考にしています。
- 三浦古尋録(江戸時代後期に成立した三浦半島の地誌)
- 新編相模国風土記稿(江戸時代後期に成立した旧相模国の地誌)
- 新編武蔵風土記稿(江戸時代後期に成立した旧武蔵国の地誌)
- 鎌倉攬勝考(江戸時代後期に成立した鎌倉や金沢などの地誌)
- 新編鎌倉志(江戸時代前期に成立した鎌倉や金沢などの地誌)
- 北条五代記(江戸時代初期に成立した後北条氏にまつわる軍記物語)
- 吾妻鏡(鎌倉時代に成立した歴史書)
- 平家物語 / 源平盛衰記(鎌倉時代に成立した軍記物語)
歴史的な事象は諸説がないことを探すほうが難しく、誰も本当のことなど分かるはずがありませんので、できるだけ現地が発信している情報を尊重するようにしています。そのため、いわゆる通説とは異なる内容を掲載している場合があることをご了承ください。