その幽玄で美しくも妖しい文体から、日本における幻想文学のパイオニアとして知られる小説家・泉鏡花(1873年/明治6年11月4日 – 1939年/昭和14年9月7日)は、三浦半島を舞台にした作品をいくつも残しています。デビュー前の上京したてに滞在した鎌倉や静養のために暮らした逗子での経験は、鏡花の創作活動にも少なからず影響を与えました。
また、三浦半島には作家や歌人の文学碑が数多く点在していますが、その中でも泉鏡花に関するものは多く、三浦半島にもっともゆかりの深い作家の一人と言えます。
この特集では、【鎌倉編】【逗子編】【葉山・横須賀編】【文学碑・句碑編】の4篇に分けて、関連する作品の簡単な解説も交えながら、今年、生誕150年の節目を迎える泉鏡花と三浦半島の関わりについてひも解いていきます。