2025年7月12日、「MIURA FUN BEACH 三浦海岸(ミウラ ファン ビーチ)」として2年ぶりに、三浦海岸に海水浴場が開設されました。
「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」は三浦海岸海水浴場の愛称と言うわけではなく、この場所で1年を通して開かれるイベントの総称です。海水浴場はその一部にすぎません。
今後は、三浦海岸をフィールドに、海水浴シーズンだけに留まらず、ビーチスポーツやアートイベントなど、さまざまなイベントが開催されていく予定です。(執筆時点では、2026年度以降は未定)
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2025年はニッポン放送による全面プロデュース

今回、三浦市から賑わい創出の委託を受けて「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」をプロデュースするのは、ラジオ放送局のニッポン放送です。ニッポン放送は、かつて三浦海岸で海の家(夏小屋)を共同運営していた歴史があり、新たな知見と過去の実績の両方を期待できるプロデューサーと言うことができます。
これまでの海水浴場との違いは初日からよく表われていました。
ステージで音楽などのライブパフォーマンスやラジオの公開収録が行われているかと思えば、そのすぐ横ではテレビ番組と連動したアイドルグループによる海の家(抽選予約制)で推し活を楽しむ人たちがいたり、広い砂浜を利用してフレスコボールの大会が開かれていたり、アートイベントのオブジェが展示されていたり、海水浴を楽しんでいない人の方が多い、新しいタイプの海水浴場でした。

大盛況だった人気番組の公開収録
海開き初日の7月12日は、「waku-waku海開きオープニングイベント」と題して、ステージテントでさまざまなパフォーマンスが観覧無料で開催されました。
この日はそこまで陽射しは強くなかったものの、関東のビーチ初上陸という南アフリカ発祥の全天候型テント「ストレッチテント」を使用した巨大テントがほど良い陰をつくり、出演者や直射日光を避けたい観客にとってやさしい会場でした。
ニッポン放送のポッドキャスト番組「ランジャタイの伝説のひとりぼっち集団」公開収録では、ビーチ中に響き渡る呼び込みによって、番組のファンの方もたまたま居合わせた方も入り混じって、多くの観客が集まりました。収録開始前から終始、通常のポッドキャスト配信では見ることができない、ライブ感を楽しめるイベントとなりました。
続けて開催された、同じくニッポン放送のポッドキャスト番組である「島田秀平とオカルトさん!」公開収録では、観客の方が怪談話を披露する場面もあり、公開収録ならではの、パーソナリティとリスナー、観客の一体感が味わえました。


夜のビーチならではの幻想的なライブ

日が暮れた後にはじまった「小町うみ アコースティックライブ」は、アートイベント「うみあかり」のライティングともあいまって、幻想的な雰囲気に包まれながら、心地良い音楽がビーチに響きわたりました。スパークリングワインが注がれたグラス片手に聴いている観客もみられ、時おり海風が通り過ぎるなか、夜のビーチでしか演出することができない素敵なライブとなりました。
この日は他にも、「el tempo LIVE」と「KA LEI MAKAMAE」のステージパフォーマンスが、「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」の海開きを盛り上げました。

三浦海岸に現われた関西ローカル番組の海の家

ステージテントのすぐ隣りには、ABCテレビ(テレビ朝日系列の朝日放送テレビ)の番組「リア突WEST.レボリューション」と連動した海の家が開店しました。グッズの購入や体験コンテンツ(ゴム銃射的、流しそうめん、瓶釣り、顔ハメパネル)は事前の抽選予約に当選した方のみが楽しめるものですが、フードは事前予約不要とのことで、多くのWEST.ファンの方たちが訪れていました(いずれも有料)。
※出店日は限られています。また、三浦市在住・在学特別枠が設けられています。(詳細は公式サイト参照)
番組自体は関西ローカルであるものの、TVerでの配信があり、関東でも観ることができます。以前はTV番組の視聴可能地域以外で大々的なイベントを開催するということなど考えにくいものでした、しかし、今の時代は配信やSNSを活用して物理的な距離を気にせず楽しめますし、関東圏のWEST.ファンにはうれしいイベントになったことでしょう。
このような機会がなければなかなか三浦海岸まで足を運ぶ機会もなかったであろう、WEST.ファンの方たちの多くが、「リア突海の家」を楽しんだ後もしばらくビーチに残り、ステージテントでのイベントを楽しんだり、ベンチで海を眺める姿が見られたのも、印象的でした。

三浦海岸は日本におけるフレスコボール発祥の地

広い砂浜が特徴の三浦海岸のうち、マクドナルドのある交差点近くはスポーツエリアになっています。
海開き初日とその翌日の二日間は、「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」開設を記念した、「フレスコボールミウラカップ2025」が開かれました。
フレスコボールとは、主に木製のラケットを使用してボールを打ち合う、ブラジルのリオデジャネイロ発祥のスポーツです。見た目はテニスやバドミントンなどと似ていますが、対戦競技ではなく、ペアでラリーの回数を競う競技です。日本ではじめてフレスコボールの競技が行われたのはここ三浦海岸とされていて、今回は日本におけるフレスコボールの聖地のような場所での開催となりました。
「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」のスポーツエリアは、大会やイベントなどで占有して使用する場合を除いて、誰でも自由に遊ぶことができます。フレスコボールのラケット&ボールのセットやビーチバレーボールのレンタル(有料)も行われています。

夜も楽しめる体験型の三浦アートフェスティバル

「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」の海水浴場開設期間にあわせて、街全体でアートを楽しむ「三浦アートフェスティバル」が開催されます。アート作品の展示だけでなく、体験型のワークショップやライブイベントなども開催されます。
海開き初日のこの日は、「巨大魚籠(ビク)プロジェクト」と題した、砂浜に巨大な魚籠を築き上げるワークショップが行われました。夜にはライトアップもされ、夜のビーチでひときわ存在感を示していました。
他にもビーチでは、砂でつくったお城のような作品やネットでできたピラミッド状の作品などのアートが展示されていて、いずれも海水浴場で実用的に使えるものになっています。とくに、小さなお子さんは、遊具のようにも楽しめます(親御さんは、壊さないようにご配慮ください)。



シャワーや更衣室が無料の海水浴場

ここまでは一般的な海水浴場では見られない風景を中心に紹介してきましたが、海水浴場としての基本機能もしっかりしています。
安全に海水浴を楽しむためのライフセーバーによる監視はもちろんのこと、「海のそなえハウス」では、フローティングアイテムの無料レンタル体験も行われています(日にち限定)。
「MIURA FUN BEACH 三浦海岸」には一般的な海の家は設置されていませんが、飲食が可能なオフィシャルビーチハウスが常設されています。また、この他に、地元・三浦の食材を使ったメニューを提供するフードトラックなどの店舗の出店もあります。
シャワーと更衣室は無料で利用できるのもうれしいところです(営業時間は10:00〜17:00。ロッカーは有料)。海水浴場定番の、ビーチパラソルやビーチベッドなどのレンタルもあります(いずれも有料)。






<取材協力:ニッポン放送/MIURA FUN BEACH 三浦海岸>