盗人狩(ぬすっとがり/ぬすとがり)は、三浦半島南端に位置する断崖絶壁とその下に迫る逆巻きが特徴の景勝地です。
「盗人狩」という名前の由来は、その昔、盗賊がこの山の端まで追われて眼下を見ると、断崖絶壁とその下で逆巻く海に身震いして動けなくなり、容易に捕まったという逸話から来ています。
現在、実際に見られるのは、盗賊と同じ断崖絶壁の上からの目線ではなく、下から仰ぎ見るかたちになります。
盗人狩の周辺は、三浦半島で多く見られる海食崖が続いていて、その磯伝いに、関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)「三浦・岩礁のみち」(環境省・神奈川県)のハイキングコースが整備されています。
盗人狩は、関東ふれあいの道「三浦・岩礁のみち」でも屈指の景勝地の一つで、同じコース上にある剱崎とともに「かながわの景勝50選」に選ばれています。
盗人狩の下の逆巻く入り江
三浦半島南部の海岸線は、海食崖の小さな入り江が続くリアス海岸になっています。盗人狩のある入江はとくに狭く切立っていて、垂直方向はV字型、垂直方向にはΩ型の、複雑な形状をしています。そのため、打ち寄せる波も渦を巻くような、非常に複雑な動きを見せています。
関東ふれあいの道「三浦・岩礁のみち」のハイキングコースは、この逆巻く入り江をまたぐように架かる細い橋を渡ります。スリル満点ですが、高波や高潮で危険な場合は、無理をせず、引き返しましょう。
盗人狩の最寄りの公衆トイレや駐車場は、徒歩約20~30分ほどの場所にある、みうら宮川フィッシャリーナ(宮川湾)付近です。