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剱埼灯台&剱崎 | 透明度抜群の海に龍神伝説が残る秘境の岬に建つ灯台

剱埼灯台(撮影日:2018.08.17) 三浦
剱埼灯台(撮影日:2018.08.17)
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剱崎つるぎざきは三浦半島南東端に位置していて、「かながわの景勝50選」に指定されている景勝地です。「剱埼つるぎさき灯台」はその岬の高台に建っています。
剱崎と、対岸の房総半島南西端にある館山市洲崎(洲埼灯台)とを結ぶ線が東京湾の南端で、太平洋との境になっています。

剱埼灯台は、1866年(慶応2年)にアメリカ、イギリス、フランス、オランダの4ヶ国と結んだ江戸条約(改税条約)によって江戸幕府が建設を約束した8ヶ所の灯台の一つで、1871年(明治4年)に日本で7番目の洋式灯台として初点灯しました。設計は、日本における「灯台の父」と呼ばれるイギリス人技師リチャード・ブラントンによるものでした。
現在の建物は2代目で、関東大震災後に再建されたものです。剱埼灯台は、建物の中を見学したり、登ることはできません。

自家用車では灯台の近くまで入ることはできないため、近隣の有料駐車場に停めて、徒歩でアクセスできます。ただし、すれ違いが困難な道も走ることになりますので、車で行くことはオススメしません。
公共交通機関を利用する場合は、「剱崎」バス停で降りた後、県道215号を少し三崎港方面に歩き、左側(東側)にそれる道に曲がり、畑の中を20分ほど歩くと到着します。灯台は見晴らしの良い高台に建っているため、少し進むと目印に見えてきます。

交通アクセスが良くない点も含めて、数ある三浦半島の灯台のなかでも剱埼灯台は、多くの人が持つ『秘境の岬の高台に建つ』という灯台のイメージにもっとも合うロケーションかもしれません。

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透明度抜群の周辺の海岸は海辺のハイキングコース

剱埼灯台の下の小さな浜辺、奥に見える灯台は間口港灯台(撮影日:2018.08.17)
剱埼灯台の下の小さな浜辺、奥に見える灯台は間口港灯台(撮影日:2018.08.17)

灯台の脇からは海に降りることができて、釣りのポイントとしても知られています。
磯づたいに、江奈湾毘沙門湾宮川湾と、西側は三崎港方面に歩くこともできます。(とくに満潮時は気をつけてください)
反対の北側は間口漁港周辺で分断されるため、その先の大浦海岸(大浦海水浴場)戸津浜海岸(遠津浜海岸)へは磯づたいでは行くことができません。

剱埼灯台周辺の海岸は岩場と小さな浜辺からなっていて、外洋(太平洋)に面しているため、三浦半島の中でもとても透明度が高いエリアの一つです。

2023年海水浴場×
剱崎は海水浴場ではありません
2023年海の家開設×
公衆トイレ△(灯台より内陸側にあり、海からは遠い)
駐車場△(下記DATA欄参照)
剱埼灯台が建つ岬周辺の景観(撮影日:2018.08.17)
剱埼灯台が建つ岬周辺の景観(撮影日:2018.08.17)

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【2023 No.9】特集 | 三浦半島ビーチカタログ
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ミルフィーユ状の地層を見られる岩礁

剱崎・海に面する露頭した地層(撮影日:2018.08.17)
剱崎・海に面する露頭した地層(撮影日:2018.08.17)

剱埼灯台周辺の海岸は、かつて海底にあった地層が露出している状態を観察できる場所としても知られています。
同じような地形は、荒崎観音崎などでも見ることができます。

剱崎・崖に見られる露頭した地層(撮影日:2018.08.17)
剱崎・崖に見られる露頭した地層(撮影日:2018.08.17)
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剱崎の名前の由来となった龍神の伝説

剱埼灯台にも用いられている「剱崎」という地名の由来には、海の守護神とされることが多い、龍神が関わっています。江戸時代前期の万治年間(1658年~1661年)に、幕府の木材を積んだ船がこの沖で暴風のため沈没してしまいました。龍神の怒りだと考えた三崎の海南神社の神主が、怒りを鎮めてもらおうと海につるぎを投じて祈ると、風波は静まったと伝えられています。これ以後、この岬は「剱崎」と呼ばれるようになったと言います。

剱埼灯台の建つ崖の下には龍宮祠竜宮祠)と呼ばれる祠で龍神様がお祀りされています。詳しい由緒などは分かりませんが、剱崎の名前の由来となった龍神に由来する祠だと考えられます。
また、かつて剱崎には剱神社剱明神)が祀られていましたが、現在は松輪の神明社に合祀されています。

剱埼灯台の下の崖に建つ竜宮祠(撮影日:2018.08.17)
剱埼灯台の下の崖に建つ龍宮祠(竜宮祠)(撮影日:2018.08.17)
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剱崎(つるぎざき)? 剱埼(つるぎさき)? 剣崎(けんざき)?

剱埼灯台・海側から見上げる(撮影日:2018.08.17)
剱埼灯台・海側から見上げる(撮影日:2018.08.17)

剱崎つるぎざき)」「剱埼灯台つるぎさきとうだい)」は、他にも、「剣崎」と書いて「けんざき」と読んだり、複数の呼び名が混在して使われてきました。

灯台や灯台が最重要地点として載る海図などでは「剱埼灯台つるぎさきとうだい)」「観音埼灯台」のように、「ざき)」ではなく「さき)」が使われています。
これは、かつて旧日本海軍が自然地形を表わす「」と集落名を表わす「」を区別して使っていて、海上保安庁もこれを踏襲したからだとする見解が一般的なようです。

国土地理院とその前身が発行している地図での名称を見ると、1910年(明治43年)は「劔崎」(新字体では「剱崎」に相当)、1947年(昭和22年)は「劍崎」(新字体では「剣崎」に相当)、1981年(昭和56年)と最新の地図では「剱崎」と、国が発行している地図を見ても、その変遷の様子が分かります。

明治のころには「剣崎(けんざき)」が多く使われるようになってきて、諸説ありますが、戦後、京急がこのあたりを観光地としてPRする際に「剣崎けんざき)」と呼ぶようになったことが決定打となり、一時はこちらが優勢でした。
しかし、近年は、古くからの名称である「剱崎つるぎざき)」が一般化しています。(「剣崎小学校(けんざきしょうがっこう)」など公共施設にも「剣崎けんざき)」の名称が使われている例はありますが、この名称になったのは1958年(昭和33年)のことで、それほど古い歴史があるわけではありません)

剱埼灯台・銘板(撮影日:2018.08.17)
剱埼灯台・銘板(撮影日:2018.08.17)
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三浦半島の主な灯台

DATA

住所 三浦市南下浦町松輪44-1
アクセス
行き方

京急久里浜線「三浦海岸駅」より京急バス「三崎東岡(剱崎経由)」「剱崎」行き『剱崎』下車徒歩約20分

駐車場 なし(近隣の民間の有料駐車場、または、少し離れていますが間口漁港や江奈漁港の有料駐車場を利用可能)
営業時間

※剱埼灯台は参観灯台ではありませんので、灯台の建物内部へ入ることはできません。

電話番号 046-861-8374(横須賀海上保安部)
ウェブサイト https://www.miura-info.ne.jp/%E8%A6%B3%E5%85%89-%E4%BD%93%E9%A8%93%E6%83%85%E5%A0%B1/%E8%87%AA%E7%84%B6%E6%99%AF%E8%A6%B3-%E6%99%AF%E5%8B%9D%E5%9C%B0/%E5%89%B1%E5%9F%BC%E7%81%AF%E5%8F%B0/
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