現在は海上自衛隊田戸台分庁舎と呼ばれている旧横須賀鎮守府司令長官官舎は、大正初期に、横須賀鎮守府司令長官の宿舎として建てられた、和洋折衷の住居建築です。普段は、リビングルームに置かれているスタインウェイ社製グランドピアノの演奏会や個人の練習のための貸し出し(要事前予約)以外は非公開ですが、近年は春の桜の季節の一般公開の他に、紅葉が美しい秋にも一般公開されます。
横須賀鎮守府司令長官官舎は、後に旧三菱銀行本店や丸の内ビルディング旧館などを手掛けることになる、桜井小太郎による設計です。
桜井小太郎は、イギリス・ロンドンに留学して建築を学び、卒業後は現地の建築事務所で経験を積んだ、いわば日本の近代建築家のパイオニアの一人です。明治時代にも、お雇い外国人による建築やそれを見よう見まねで造られた西洋式の建築はありましたが、旧横須賀鎮守府司令長官官舎は、当時まだめずらしかった、本場仕込みの日本人建築家による建築です。
秋の一般公開では、桜の季節とは違って、日本遺産にも登録されている歴史的価値が高い建物そのものを、じっくりと見学する良い機会でしょう。※建物の内部見学は予定されていません。
※このページの旧横須賀鎮守府司令長官官舎(海上自衛隊田戸台分庁舎)の写真は、春の一般公開時のものも含みます。
主なイベント内容
ミニコンサート(生演奏)
各日11:00~、13:00~
スタインウェイ社製グランドピアノを使用した、ピアニストによるミニコンサートが行われます。
邸内ミニガイドツアー
10:15~(順次開始)
よこすかシティガイドによるガイドツアーも行われます。
開催場所
旧横須賀鎮守府司令長官官舎 秋の一般公開会場の詳細
旧横須賀鎮守府司令長官官舎(海上自衛隊田戸台分庁舎)についての詳細は、以下のリンク先をご覧ください。
アクセス
京急線「県立大学駅」から徒歩約10分(「県立大学駅」裏の丘の上にありますが、横須賀中央駅方面にある聖徳寺坂まで迂回する必要があります)
または、
JR横須賀線「横須賀駅」や京急線「横須賀中央駅」から、京急バス「衣笠駅(聖徳寺坂上経由)」方面行か、「長井」行、「横須賀市民病院前」他の「三崎口駅」方面行に乗車して『聖徳寺坂上』下車、徒歩約10分
※駐車場はありません
旧横須賀鎮守府司令長官官舎(海上自衛隊田戸台分庁舎)周辺の見どころ
海上自衛隊田戸台分庁舎からもほど近い佐野八幡神社の社殿には、田戸台分庁舎内に胸像が飾られている海軍大将・野村吉三郎が横須賀鎮守府司令長官だったときに筆をとった、「八幡社」の扁額がかかげられています。