スポンサーリンク

大明寺 | 三浦法華堂を前身に持つ太田道灌一族との関係が深い衣笠の古刹

大明寺・冠木門前から見た境内(撮影日:2024.04.16) 横須賀
大明寺・冠木門前から見た境内(撮影日:2024.04.16)
三浦半島日和おすすめ記事

大明寺だいみょうじは、鎌倉時代、日蓮聖人に帰依した土地の豪族・石渡左衛門尉則久が、米ヶ浜(現在の横須賀市深田台、米が浜通の周辺)の山上に建立した、三浦法華堂御浦法華堂、現在の龍本寺)を前身に持つ寺院です。
米ヶ浜は、日蓮が、生誕の地である房総半島から鎌倉をめざして三浦半島へ舟で渡った際に滞在した、日蓮宗最初の霊場とされる地です。

その後、石渡左衛門尉則久の子・平三郎則次(または、則次の子で第6世・日栄)が、三浦法華堂をより大きな寺院にしようと、土地の狭い米ヶ浜から三浦半島の内陸に位置する金谷(現在の横須賀市衣笠栄町)に移転させたのが、現在の大明寺(当時は大妙寺)のはじまりです。

あるいは、鎌倉・松葉ヶ谷法華堂(現在の、鎌倉の妙法寺安国論寺長勝寺、京都の本圀寺、それぞれの前身)の日静に帰依した石渡平三郎則次が、自らの子を日静の弟子・日栄として、その日栄を開山に迎えて自邸を寺としたことが大明寺のはじまりとする伝承もあります。

山号金谷山
宗派日蓮宗
寺格
本尊三宝本尊像
創建1253年(建長5年)
※前身の三浦法華堂の建立年
開山日蓮
中興開山:日栄
開基石渡左衛門尉則久

大明寺の前の通りは、隔年で開催されている「衣笠さくら祭 三浦一党出陣武者行列」のコースになっていて、例年、大明寺はその折り返し地点となります。(スタートは衣笠十字路付近)
大明寺はパレード中間地点の休憩所も兼ねていて、三浦一族の武将に扮した参加者たちの記念撮影スポットにもなっています。

衣笠さくら祭・三浦一党出陣武者行列(撮影日:2008.04.20)
衣笠さくら祭・三浦一党出陣武者行列(撮影日:2008.04.20)
スポンサーリンク

太田道灌の一族と大明寺

大明寺は、京都・本圀寺の有力な旧末寺の一つで(それぞれ、かつての寺名は、大妙寺本国寺)、「三浦本山」という別称もあります。
本圀寺第13世で、大明寺第11世となった日遵は、室町時代から戦国時代にかけて活躍した武将・太田道灌の子で、このような縁もあり、大明寺は、相模国守護扇谷上杉家を筆頭重臣(家宰)として補佐した太田家とも関係が深かったようです。

太田道灌の子で、日遵の兄にあたる太田資康は、大明寺に葬られたと伝えられています。資康は、北条早雲伊勢宗瑞)に攻められていた自身の妻の実家である相模三浦氏資康の妻は相模三浦氏・当主の三浦道寸義同)の娘)を救援するため、居城である江戸城から三浦半島に向かいますが、早雲の軍勢に敗れて戦死しています。

江戸時代になると、大明寺は三浦半島における不受不施義日蓮の教えの一つで、法華経を信仰しない者から施しを受けず供養も施さないこと)の拠点となり、これを禁教とした江戸幕府や、本山・本圀寺から弾圧を受けるようになりました。
大明寺の住職も追放となりますが、太田道灌の末裔で遠江浜松藩藩主の太田資宗資宗の叔母は、徳川家康の側室・英勝院とされています)による取り計らいで、浜松・宗林寺日成大明寺に入り、寺の存続の危機を救っています。

このように、中世にはじまった大明寺太田道灌の一族との関係は、近世に入ってもなお続いていたことがうかがい知れます。

スポンサーリンク

大明寺境内の見どころ

大明寺・車道から見た境内(撮影日:2024.04.16)
大明寺・車道から見た境内(撮影日:2024.04.16)

大明寺は、最盛期には、三浦半島を中心に30以上の末寺を擁し、広大な伽藍をほこる大寺院でした。
現在の伽藍は、仁王門を除いて、1886年(明治19年)の火災後に再建されたものです。

冠木門

大明寺・冠木門(撮影日:2024.04.16)
大明寺・冠木門(撮影日:2024.04.16)

仁王門

大明寺・仁王門(撮影日:2024.04.16)
大明寺・仁王門(撮影日:2024.04.16)

大明寺仁王門は、明治期の火災を免れた唯一の伽藍で、その名前のとおり、仁王像が安置されています。

大明寺・仁王門の前から衣笠山方面を望む(撮影日:2024.04.16)
大明寺・仁王門の前から衣笠山方面を望む(撮影日:2024.04.16)

本堂

大明寺・本堂(撮影日:2024.04.16)
大明寺・本堂(撮影日:2024.04.16)

現在の本堂は、1898年(明治31年)に再建されたものです。
大明寺の本尊・木造三宝本尊像(横須賀市指定重要文化財)が安置されています。多宝如来像は室町時代の1399年(応永6年)に造立されたもので、対を成す釈迦如来像も同じころに造立されたものとみられています。

釈迦堂

大明寺・釈迦堂を斜め前より望む(撮影日:2024.04.16)
大明寺・釈迦堂を斜め前より望む(撮影日:2024.04.16)

日蓮聖人像

大明寺・日蓮聖人像(撮影日:2024.04.16)
大明寺・日蓮聖人像(撮影日:2024.04.16)

鐘楼

大明寺・鐘楼(撮影日:2024.04.16)
大明寺・鐘楼(撮影日:2024.04.16)

七面堂

大明寺・七面堂を斜め前より望む(撮影日:2024.04.16)
大明寺・七面堂を斜め前より望む(撮影日:2024.04.16)

稲荷社

大明寺・稲荷社(撮影日:2024.04.16)
大明寺・稲荷社(撮影日:2024.04.16)

六地蔵

大明寺・六地蔵(撮影日:2024.04.16)
大明寺・六地蔵(撮影日:2024.04.16)
スポンサーリンク

大明寺周辺の見どころ

DATA

住所 横須賀市衣笠栄町3-77
アクセス
行き方

●徒歩の場合
JR横須賀線「衣笠駅」より徒歩約12分

●バス利用の場合
以下のいずれかのバスにて、『三浦高校前』下車徒歩約1分
JR横須賀線「衣笠駅」より京急バス「(池上経由または総合体育会館経由)横須賀駅」行き、「汐入駅」行き、「逗子駅行き」などの池上十字路または総合体育会館方面行き
京急線「汐入駅」より京急バス「(池上経由)衣笠駅」行き
京急線「横須賀中央駅」より京急バス「(総合体育会館経由)衣笠駅」行き
※衣笠十字路を経由するバスは『三浦高校前』を通りません。

駐車場 あり
料金

無料(志納)

電話番号 046-851-1760
ウェブサイト http://www.daimyoji-n.or.jp/
※このページに掲載している内容は、予告なく変更となっている場合があることをご了承ください。

error: 申し訳ありません。コピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました