秋谷神明社(秋谷神社)は、三浦半島西海岸でも有数の景勝地である秋谷海岸・立石海岸の内陸の高台に鎮座する古社です。境内の脇からは子安の里へ向かう古道が続いていて、さらにその先には、平成期に開発された湘南国際村や三浦半島最高峰の大楠山があります。
秋谷神明社の創建は、鎌倉時代末期の1331年(元弘元年)に、相模国葛原から秋谷の地に移ってきた若命基盛によるものと伝えられていて、それ以来、村民から崇敬される神社として親しまれてきています。
若命家は、江戸時代には旧秋谷村の名主を務めた名家で、秋谷神明社の鳥居の前には江戸末期の建築と伝わる若命家長屋門が残っています。
主祭神 | 天照大神 |
旧社格等 | 村社 |
創建 | 1331年(元弘元年) |
祭礼 | 2月第2日曜日 祈年祭 7月第2金曜日・土曜日 夏季大祭 宵宮祭・神幸祭 11月13日に近い日曜日 例大祭 |
INDEX
相模湾を望む高台にある境内
秋谷神明社の鳥居から社殿までは、長い石段が続いていて、一気に高台に上がることになります。現在はマンションなどの建物が目立ちますが、つい数十年前までは、境内自体が相模湾の素晴らしい景観を望むことができる景勝地と言えるような場所だったことでしょう。
秋谷神明社(秋谷神社)境内の見どころ
秋谷神明社の参拝順路
秋谷神明社の境内はけっして広いとは言えませんが、参拝順路を示す分かりやすい案内板が掲示されています。
また、境内は、ただ単に景観が良い場所というだけでなく、信仰の対象である富士山や大山、遠く伊勢神宮や近場の武山不動尊といった、霊地を拝むことができる場所であることが分かります。それぞれの参拝場所も、番号で示されています。
社殿
秋谷神明社の現在の社殿は、江戸時代後期の1836年(天保7年)に、村民の寄進によって再建されたものです。軒下の見事な彫刻からも、相当な費用がかかっていることを想像するのは難しくなく、この神社が秋谷の村民にとってどれほど重要な存在であったかということがよく分かります。
境内下に建つ若命家長屋門も、この秋谷神明社の社殿が再建されたすぐ後の時代の建築と伝えられています。秋谷のと言うべきか、名主であった若命家のと言うべきかは分かりませんが、この2つの建築を見るだけでも、文化レベルが高い地域だったということをうかがい知ることができます。
八坂神社
神輿渡御が行われる秋谷神明社の夏祭りは、境内社である八坂神社の祭礼(天王祭)です。