横須賀・須軽谷の八幡神社は、江戸時代前期の1646年(正保3年)に、京都の石清水八幡宮(男山八幡宮)を勧請して創建されたと伝わる、旧須軽谷村の鎮守です。
武山の南麓に位置しているため、まるで、武山が鎮守の杜のようです。正式なハイキングコース上ではありませんが、武山不動院の山号「龍塚山」になっている龍塚も、ちょうど須軽谷八幡神社の裏山にあたる場所にあります。
主祭神 | 誉田別尊 |
旧社格等 | 村社 |
創建 | 1646年(正保3年) |
祭礼等 | 祈年祭 3月15日 八雲祭 7月28日 例祭 10月26日 ※実際の日にちは異なる場合があります |
須軽谷には、正式な武山ハイキングコースの登り口もあります。一般的に、京急線の津久井浜駅を起点に津久井浜観光農園を経由して武山山頂をめざすルートととして使われています。武山登山に何度も訪れている方向けには、三浦海岸駅からバスを使って須軽谷八幡神社に向かい、ここでお参りしてから武山山頂をめざすと言ったようにアレンジしてみるのもおすすめです。

INDEX
のどかな雰囲気を留めた須軽谷の里山の鎮守

須軽谷八幡神社の境内は、近くにみかん農家などが多い里山のなかにあります。須軽谷町内会館や八幡様チビッコ広場と名づけられた小さな公園のような遊具のある広場が隣接しています。境内はそれほど広くはなく、また、良い意味であまり手が加えられていません。
市街地の神社でもなく、山の中のお社でもなく、里山の鎮守といったのどかな雰囲気をよく留めている神社です。

八幡神社に受け継がれた八坂神社の御神木と八雲祭

明治時代後期、国の神社合祀の政策(一村一社の令)により、須軽谷村に鎮座していた八坂神社や日枝神社が村社である須軽谷八幡神社に合祀されました。
このうち八坂神社の御神木だったビャクシンの老木は、今でも須軽谷八幡神社の境内で大切に保存されています。
八坂神社は、須軽谷八幡神社の鎮座する旧須軽谷村字扇山の西側に位置する字天王ヶ谷にあった神社で、明治維新以前の神仏習合の時代は、牛頭天王を祀る天王社として崇められていました。天王ヶ谷という地名も、天王社に由来します。
この天王社は、江戸時代前期の1674年(延宝2年)、村で疫病が流行った際、法道寺(須軽谷に現存)の住職が一片の木から牛頭天王の像を彫刻し、祈ると、疫病が治まったため、お祀りするようになったのがはじまりと伝えられています。
現在も須軽谷八幡神社で執り行われている八雲祭は、この天王社の祭礼が受け継がれてきたものです。
