武山見晴台は、一騎塚バス停や南武入口バス停方面から武山山頂に続く登山道の中腹にある、眺望スポットです。相模湾越しに見える富士山の眺望が優れていることから、「三浦半島(横須賀市)からの富士」として、国土交通省が選定した「関東の富士見百景」に選ばれています。
武山ハイキングコース上では三浦富士も富士山の眺望スポットとして知られていますが、武山見晴台からのほうがより迫力ある姿を拝むことができます。
三浦半島南部有数の富士山のビュースポット
三浦半島南部には標高が高い山がなく、200m級の武山・砲台山・三浦富士の三浦三山が最高峰です。三浦半島の相模湾側であれば、海岸からであれば富士山のビュースポットはいくらでもありますが、武山見晴台のように、山の上から、市街地や海を見下ろすようにして富士山を眺められるような場所は、ありそうで意外と多くありません。
武山ハイキングコースは、京急線の津久井浜駅などを起点に、三浦富士~砲台山~武山と縦走して、津久井浜観光農園を経由してまた津久井浜駅に戻るルート(またはその逆)がもっともベーシックなコースと言えます。裏ルートとも言える一騎塚や南武からのコースは、鉄道の駅から徒歩でのアクセスができないことや、舗装路を歩くということもあり(南武からの登山道は、一騎塚からの道と合流してから山頂までが舗装路)、あまり人気のコースとは言えません。
しかし、武山見晴台からの富士山ビューを拝むだけでも、一騎塚からの登山道を使う価値はあると言って良いでしょう。
とは言え、いつでも富士山を拝めるというわけではなく、もちろん、気象条件によります。よく晴れた冬の日を選ぶと、その確率はアップします。
眼下に広がる自衛隊武山駐屯地や小田和湾の眺望
視線を近場に移して、武山見晴台の眼下に広がるのは、小田和湾です。小田和湾の湾奥一帯(武山見晴台から見た場合は湾の手前側)は、陸上自衛隊武山駐屯地、海上自衛隊横須賀教育隊、航空自衛隊武山分屯基地、陸上自衛隊高等工科学校などの自衛隊施設が建ち並ぶエリアです。
ある意味この風景も、武山見晴台ならではのものであると言えます。
バリエーション豊かな 三浦富士~砲台山~武山ハイキングコース
三浦富士~砲台山~武山は三浦丘陵の南の代表的な山々で、通称「三浦三山」などと呼ばれています。いずれも標高200m前後の低山ながら、山頂に浅間神社奥宮が鎮座する富士信仰の山、旧日本海軍の防空砲台(高角砲台)跡の戦争遺跡が残る山、山頂の武山不動院とつつじが名所となっている山と、それぞれまったく違った個性を持つバリエーション豊かなハイキングコースです。
また、東京湾側(房総半島方面)と相模湾側(富士山方面)の両方の景色をたのしめるのも特徴です。