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雷神社 | 気象災害除け等のご利益のある大銀杏がシンボルの追浜駅近くの古社

雷神社・大銀杏の黄葉(撮影日:2024.12.05) 横須賀
雷神社・大銀杏の黄葉(撮影日:2024.12.05)

雷神社(かみなりじんじゃ/いかづちじんじゃ)は、横須賀・追浜にある、火雷神を主祭神とする旧浦之郷村の鎮守です。御神木の大イチョウは、秋には雷光のように、空高く輝いて見えます。

安土桃山時代の1581年(天正9年)、現在の追浜周辺エリアが含まれる浦之郷村の領主だった朝倉能登守が、現在の場所に雷神社を祀りました。江戸時代後期に編さんされた地誌「新編相模国風土記稿」によれば、当時は「雷電社」や「雷電大明神」などと呼ばれていたようです。
それ以前は、築島と呼ばれた現在の追浜町3丁目(みずほ銀行追浜支店の裏辺り)にあり、ここに空からが落ちてきたときに、避難していた乙女たちを当時の御神木であるビャクシンの大木が身代わりになって救ったという伝承が残っています。

このような背景を持つ雷神社には、気象災害除け身代わり守護などの、さまざまな事故や災難から身を守ってくれるご利益があるとされています。

主祭神火雷之命ホノイカヅチノミコト
旧社格等村社
創建再興:1581年(天正9年)
祭礼1月1日 歳旦祭
2月3日節分 節分祭
3月9日 祈年祭
7月第2土日頃 天王祭神輿渡御
10月9日 例大祭・湯立て神楽
12月9日 新嘗祭・秋祭り
12月10日 だるま市(酉の市)
※実際の日にちは年によって異なる場合があります

雷神社の読み方/呼び方は、神社では「かみなりじんじゃ」とご案内されています。
近くの京急バスの停留所名は「かみなりじんじゃ」、信号機の標識は「Ikazuchi-jinja」となっています。
バス停の名称はその地域で実際に使われている通称が用いられることが多く、都道府県の公安委員会(運用等は警察)が設置する信号機は正式(とされる)名称が用いられることが多く見られます。雷神社の読み方/呼び方はその典型のような事例と言えます。

雷神社・鳥居の扁額(撮影日:2021.11.25)
雷神社・鳥居の扁額(撮影日:2021.11.25)
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雷神社の大イチョウは追浜駅周辺のシンボル

雷神社(撮影日:2021.11.25)
雷神社・大銀杏(剪定前)(撮影日:2021.11.25)

現在地に移った後、新たに御神木となったイチョウの木も、樹齢400年を超える古木に育ち、現在では追浜駅周辺のシンボル的存在になっています。雷神社のイチョウは、「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」に選ばれています。

雷神社大イチョウは、ボリュームが大きく、生命力を感じます。春から初秋にかけては青々と生き生きとした葉が境内を覆い、晩秋には黄金色に輝いて、より一層存在感が増します。
2024年冬現在、下の方の枝は剪定されたため、ボリュームは若干減っていますが、その分、幹の太さが際立つようになりました。

雷神社・大銀杏を見上げる(撮影日:2023.12.01)
雷神社・大銀杏を見上げる(撮影日:2023.12.01)

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旧浦之郷村の鎮守から追浜の鎮守へと変化していった雷神社

雷神社・社殿(撮影日:2021.11.25)
雷神社・社殿(撮影日:2021.11.25)

前述の「新編相模国風土記稿」には、雷神社浦之郷村の鎮守で、束帯騎馬の像を御神体としていて、牛頭天王を合祀し、末社として稲荷疱瘡神が祀られていることが記されています。

当時の浦之郷村は、漁業や海運で栄えた榎戸湊周辺と、浦賀道東海道・保土ヶ谷宿から金沢を経由して横須賀の東京湾側に沿って浦賀奉行所に至る、いわゆる「東浦賀道(東回り浦賀道)」)が通っていた雷神社周辺の大きく二ヵ所に、集落が分かれていました。

陸路の浦賀道は、雷神社のあたりより南はがらめきの切通し十三峠などの難所と呼ばれた山越えを必要としていましたので、海路を利用する人も多かったと言います。

明治以降、この地域の発展の方向に大きな影響を及ぼしたのが旧日本海軍の進出です。当時の追浜(陸続きになる前の夏島近くにあった海岸沿いの地名)周辺が旧日本海軍によって接収され、この沖合も次々と埋め立てられていきました。大正初期にはここに、旧日本海軍追浜飛行場が完成しました。
これ以降、内陸部の地名も、徐々に「追浜」を冠するようになっていきます。

また、昭和初期には陸路に大きな変革が起こりました。京急線(当時は湘南電気鉄道)の開通と、国道16号(当時は国道31号)のトンネル区間の開通です。
京急線は、雷神社のすぐ近くに追浜駅として置かれました。国道16号は、旧浦賀道のルートが、浦郷トンネルから逸見トンネルまで7つのトンネルを通るルートに変更となりました(トンネルの開通やルート変更は段階的に行われています)。

昭和期を通して、旧浦之郷村は、雷神社の鎮座する追浜駅周辺を中心に開発が進んでいき、とくに戦後は、浦之郷村内の字名だった「追浜」がエリアを総称する名前となる逆転現象が起きるまでになりました。
雷神社はこのような追浜の歴史を常に見守ってきた存在であるのと同時に、自身が旧浦之郷村の鎮守から追浜の鎮守へと変化していった歴史とも言えます。

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海軍航空隊の戦没者が祀られた浜空神社

雷神社・慰霊碑と浜空神社(撮影日:2021.11.25)
雷神社・慰霊碑と浜空神社(撮影日:2021.11.25)

雷神社の境内社である浜空神社は、横浜海軍航空隊の守護神として造営された鳥船神社がはじまりです。横浜海軍航空隊は、現在の横浜市金沢区富岡東周辺に開設され、往時は旧日本軍最大の飛行艇部隊でした。戦後、その跡地は富岡総合公園などになっています。

浜空神社は戦後に復興されて、航空隊の戦没者を鎮魂する場となっていましたが、管理者の高齢化などの理由で維持することが困難になったため、2008年、雷神社の境内に遷宮されました。浜空神社には、追浜にあった、横須賀海軍航空隊追浜海軍航空隊(現在の日産自動車追浜工場など)の戦没者もあわせて祀られています。

雷神社は、「」とは切っても切れない縁があるようです。

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雷神社周辺の見どころ

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DATA

住所 横須賀市追浜本町1ー9
アクセス
行き方

京急線「追浜駅」より徒歩約5分

駐車場 なし(周辺にコインパーキングあり)
料金

無料(志納)

電話番号 046-865-2385
ウェブサイト https://kaminarijinja.com/
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