亀岡八幡宮は、逗子市役所の隣り、京急逗子線の逗子・葉山駅北口の目の前にある、逗子の鎮守です。
亀岡八幡宮の名前の由来は、この場所の地形が亀の背中のようななだらかな丘になっている地形であったことから、逗子のお隣りの鎌倉にある鶴岡八幡宮にちなんで、「亀岡」と名付けられたと伝わります。
江戸時代に編さんされた地誌「新編相模風土記稿」によれば、かつては、単に「八幡宮」と呼ばれていたようです。
駅近で市役所の隣りという人通りが多い場所にあるため、地元の参拝者が途絶えることがありません。観光地という側面が大きい鶴岡八幡宮に対して、亀岡八幡宮は地域密着系の八幡様です。
主祭神 | 応神天皇 |
旧社格等 | 旧村社 |
創建 | 不詳 |
祭礼 | 2月節分 節分祭「豆まき」「撒豆神事」 3月15日 祈年祭「甘酒祭」 7月16日 例大祭「神幸祭」 11月15日に近い日曜 新嘗祭「七五三祈請祭」 |
亀岡八幡宮の社殿の前には、その名前にちなんだ、亀の狛犬(狛亀?)が鎮座しています。
INDEX
まちの発展を見守ってきた逗子の鎮守
他の多くの市街地にある古社と同じように、亀岡八幡宮もまちの発展に合わせて、まわりの風景が大きく変貌していきました。その影響は亀岡八幡宮自体へも少なくなく、県道の改修や、旧逗子警察署、逗子市役所建設によって、その都度、境内の縮小を余儀なくされてきました。逗子市役所の前に立つと、逗子市役所のビルと、亀岡八幡宮の鎮守の杜が接するようにして建ち並んでいるのが見てとれます。
イチョウやケヤキの大木に囲まれた境内
しかし、亀岡八幡宮の境内に一歩入ると、まちなかにいることを忘れてしまうほど、別世界が広がっています。市の中心地にあり、人もクルマも電車も頻繁に行き交う要衝にありますので、さすがに「都会の喧騒を避けられる」とまでは言えませんが、(ノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンでも付けて)耳をふさげば、大木に囲まれた境内は古にタイムスリップしたようです。
周囲のビルに負けないほど高くそびえるイチョウやケヤキの大木は、「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」に選ばれていて、秋には美しく紅葉・黄葉します。
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商売繁盛と家内安全の守護神を祀る萬栄稲荷大明神
亀岡八幡宮の境内に鎮座する萬栄稲荷大明神は、商売繁盛と家内安全の守護神である宇迦御魂神が祀られています。商店が密集するこの地域にとって、欠かせない存在になっていることでしょう。
また、萬栄稲荷大明神の傍らには、庚申塔などの石塔が並び建っています。境内の縮小にともなって、この場所に集められたものもあるようです。
木花咲耶姫命を祀る浅間祠
庚申塔などの石塔のすぐそばには、木花咲耶姫命を祀る浅間祠が鎮座しています。この浅間祠は、かつて、逗子駅北側の山上にあった天照大御神を祀る大神宮社が亀岡八幡宮に合祀された後も山上に残されていた石祠で、1966年(昭和41年)にこの場所に移されました。
人々が集うイベント会場にもなる亀岡八幡宮境内
京急逗子線の逗子・葉山駅とJR逗子駅両方の駅近という交通アクセスが便利な立地をいかして、亀岡八幡宮の境内では「逗子骨董市」や「逗子沖縄まつり」(2022年はJR東逗子駅隣りの東逗子ふれあい広場で開催)などの地域のイベントがたびたび開催されています。
駅の周辺に大きな公園や人々が集えるような広場がない逗子の中心部では、亀岡八幡宮がその役割も担っています。