雷神社(かみなりじんじゃ/いかづちじんじゃ)は、横須賀・追浜にある、火雷神を主祭神とする神社です。御神木の大イチョウは、秋には雷光のように、空高く輝いて見えます。
安土桃山時代の1581年(天正9年)、現在の追浜周辺エリアが含まれる浦郷村の領主だった朝倉能登守が、現在の場所に雷神社を祀りました。江戸時代の地誌「新編相模国風土記稿」によれば、当時は「雷電社」や「雷電大明神」などと呼ばれていたようです。
それ以前は、築島と呼ばれた現在の追浜町3丁目(みずほ銀行追浜支店の裏辺り)にあり、ここに空から雷が落ちてきたときに、避難していた乙女たちを当時の御神木であるビャクシンの大木が身代わりになって救ったという伝承が残っています。
このような背景を持つ雷神社には、気象災害除けや身代わり守護などの、さまざまな事故や災難から身を守ってくれるご利益があるとされています。
主祭神 | 火雷之命 |
旧社格等 | 村社 |
創建 | 再興:1581年(天正9年) |
祭礼 | 1月1日 歳旦祭 2月3日節分 節分祭 3月9日 祈年祭 7月第2土日頃 天王祭神輿渡御 10月9日 例大祭・湯立て神楽 12月9日 新嘗祭・秋祭り 12月10日 だるま市(酉の市) ※実際の日にちは年によって異なる場合があります |
雷神社の読み方/呼び方は、神社では「かみなりじんじゃ」とご案内されています。
近くの京急バスの停留所名は「かみなりじんじゃ」、信号機の標識は「Ikazuchi-jinja」となっています。
バス停の名称はその地域で実際に使われている通称が用いられることが多く、都道府県の公安委員会(運用等は警察)が設置する信号機は正式(とされる)名称が用いられることが多く見られます。雷神社の読み方/呼び方はその典型のような事例と言えます。
INDEX
雷神社の大イチョウは追浜駅周辺のシンボル
現在地に移った後、新たに御神木となったイチョウの木も、樹齢400年を超える古木に育ち、現在では追浜駅周辺のシンボル的存在になっています。雷神社のイチョウは、「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」に選ばれています。
雷神社の大イチョウは、ボリュームが大きく、生命力を感じます。春から初秋にかけては青々と生き生きとした葉が境内を覆い、晩秋には黄金色に輝いて、より一層存在感が増します。
2021年冬以降に下の方の枝を剪定されたため、ボリュームは若干減っていますが、その分、幹の太さが際立つようになりました。
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海軍航空隊の戦没者が祀られた浜空神社
雷神社の境内社である浜空神社は、横浜海軍航空隊の守護神として造営された鳥船神社がはじまりです。横浜海軍航空隊は、現在の横浜市金沢区富岡東周辺に開設され、往時は旧日本軍最大の飛行艇部隊でした。戦後、その跡地は富岡総合公園などになっています。
浜空神社は戦後に復興されて、航空隊の戦没者を鎮魂する場となっていましたが、管理者の高齢化などの理由で維持することが困難になったため、2008年、雷神社の境内に遷宮されました。浜空神社には、追浜にあった、横須賀海軍航空隊/追浜海軍航空隊(現在の日産自動車追浜工場など)の戦没者もあわせて祀られています。
雷神社は、「空」とは切っても切れない縁があるようです。