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海上自衛隊横須賀基地・田浦地区 | 海軍軍需部長浦倉庫や水雷学校などがあった海上自衛隊発祥の地

海上自衛隊田浦地区(長浦港)・海上自衛隊艦船補給処、他(撮影日:2022.08.10) 横須賀
海上自衛隊田浦地区(長浦港)・海上自衛隊艦船補給処、他(撮影日:2022.08.10)

海上自衛隊横須賀基地・田浦地区は、海上自衛隊艦船補給処海上自衛隊第2術科学校自衛隊横須賀病院海上自衛隊潜水医学実験隊などが置かれている海上自衛隊の拠点です。いずれも長浦湾(長浦港)の最奥に位置していて、最寄り駅はJR横須賀線の田浦駅です。(海上自衛隊では「横須賀基地」という名前を正式名称として使用していませんが、通称として定着しているため、この記事ではこのように表記します)

第二次世界大戦まで、このあたりには、横須賀海軍軍需部長浦倉庫横須賀海軍水雷学校などがありました。現在の海上自衛隊の施設には、これらがルーツであるというものも少なくありません。

以前は久里浜地区にあった自衛隊横須賀病院海上自衛隊潜水医学実験隊が移転して来るなど、田浦地区海上自衛隊の施設の集約化が進められてきました。関東自動車工業(現・トヨタ自動車東日本横須賀工場の静岡・裾野への移転にともない、まとまった土地が空いたことも契機となりました(自衛隊横須賀病院はそれ以前に田浦地区へ移転。病院の教育部関東自動車工業跡地に移転)。その関東自動車工業も、終戦までは横須賀海軍水雷学校の一部だった場所にありました。

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海上自衛隊横須賀基地・田浦地区は海上自衛隊発祥の地

1952年(昭和27年)4月26日、海上自衛隊の前身となる海上警備隊が発足しました。海上警備隊の組織は総監部地方監部からなり、このうち海上警備隊横須賀地方監部が横須賀市田浦港町に置かれました(総監部海上保安庁内に設置)。同年8月に海上警備隊保安庁警備隊となり、1954年(昭和29年)には海上自衛隊へと発展していくことになりますが、戦後の日本の領域および周辺海域の防衛はここ田浦が出発点となりました。
海上警備隊が発足した4月26日は、現在「海上自衛隊の日」に制定されていて、毎年、海上自衛隊の各基地で自衛艦による満艦飾が行われています。

海上警備隊横須賀地方監部は、発足の翌年には現在地の横須賀市西逸見町に移転していき、田浦港町には海上自衛隊第2術科学校の前身にあたる警備隊術科学校が開校しました。
海上自衛隊第2術科学校は、海上自衛隊に4校ある術科学校の一つで、機関術・情報・技術・外国語等の教育訓練が行われています。

終戦までこの地には、海軍水雷学校がありました。水雷とは魚雷・機雷・爆雷などの水上または水中で使用する兵器のことで、海軍水雷学校はその指揮官・技官を養成する教育機関でした。海軍水雷学校からは、後に通信部門が海軍通信学校として分離します(1939年(昭和14年)に、現在の陸上自衛隊久里浜駐屯地内、陸上自衛隊システム通信・サイバー学校がある横須賀市久比里に移転)。これは、通信の担う役割が急速に重要になってきたことによるもので、田浦海軍通信教育発祥の地でもあります。

海軍通信教育発祥記念碑(撮影日:2020.09.01)
海軍通信教育発祥記念碑(撮影日:2020.09.01)
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旧横須賀海軍軍需部長浦倉庫がルーツの海上自衛隊艦船補給処

海上自衛隊横須賀基地・田浦地区の特徴の一つが、東京湾に面した長浦港を有し、大型の倉庫が多く林立していることです。これは、終戦まで、この地に横須賀海軍軍需部長浦倉庫があったことに由来します。

横須賀海軍軍需部とは、海軍で使用する砲弾や魚雷などの兵器類から燃料、食糧、被服といった軍需物資を管理・保管し、軍艦や前線に送り出す機関のことで、隣接する田の浦(現在の横須賀市長浦町)に司令部が置かれていました。
戦後、倉庫や敷地の一部は民間企業などに転用されましたが、横須賀海軍軍需部長浦倉庫の直接の後継施設と言えるものとしては、田浦港町海上自衛隊艦船補給処が置かれています。

長浦港の倉庫群をJR田浦駅北口より望む(撮影日:2020.09.01)
長浦港の倉庫群をJR田浦駅北口より望む(撮影日:2020.09.01)
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海上自衛隊施設の集約化が進められてきた田浦地区

自衛隊横須賀病院(撮影日:2020.09.01)
自衛隊横須賀病院(撮影日:2020.09.01)

海上自衛隊横須賀基地・田浦地区では、海上自衛隊の拠点として、施設の集約化が進められてきました。
自衛隊横須賀病院は、もともと海上自衛隊横須賀地区病院として久里浜地区(横須賀市長瀬)にありましたが、1988年(昭和63年)に田浦地区に移転してきました。
その後も久里浜地区に残っていた、自衛隊横須賀病院の教育部と、もともと自衛隊横須賀病院の一部門として発足した海上自衛隊潜水医学実験隊も、2012年に田浦地区関東自動車工業(現・トヨタ自動車東日本)跡地)へ移ってきました。

海上自衛隊潜水医学実験隊は、海上自衛隊における潜水艦・潜水業務の発展と即応性を向上するための調査研究を行う部隊で、潜水艦救難艦「ちはや」「ちよだ」が実施する飽和潜水及び訓練の指導・支援なども担当しています。

陸上の施設だけに留まらず、長浦港の岸壁も、旧久里浜貯油所との用地交換などによって、海上自衛隊施設の集約化が進められました。
戦後、長浦港南洋捕鯨基地となり、大型船が接岸可能な岸壁が整備されました。現在、これらの大型岸壁では海上自衛隊の潜水艦部隊が縦列で接岸する姿が見られるなど、長浦港田浦地区を拠点とする海上自衛隊の艦艇が増えてきています。

海上自衛隊田浦地区(長浦港)の潜水艦の岸壁(撮影日:2022.08.10)
海上自衛隊田浦地区(長浦港)の潜水艦の岸壁(撮影日:2022.08.10)
海上自衛隊船越地区・長浦港の岸壁に停泊する護衛艦「てるづき」(右)と潜水艦救難艦「ちよだ」(左)(撮影日:2022.08.10)
長浦港(田浦地区ではなく船越地区)の岸壁に停泊する護衛艦「てるづき」(右)と潜水艦救難艦「ちよだ」(左)(撮影日:2022.08.10)
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DATA

住所 横須賀市田浦港町無番地、他
アクセス
行き方

JR横須賀線「田浦駅」より徒歩約1分~5分程度
※施設により異なる

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