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記念艦三笠(戦艦三笠)| 日露戦争の日本海海戦で旗艦として活躍した世界三大記念艦の一つ

記念艦三笠(撮影日:2020.11.17) 横須賀
記念艦三笠(撮影日:2020.11.17)

三笠みかさは旧日本海軍の戦艦で、1902年(明治35年)にイギリスで竣工されました。
東郷平八郎が率いる連合艦隊の旗艦として、日露戦争の日本海海戦でロシア海軍のバルチック艦隊と戦い、歴史的勝利を収めた活躍で有名です。

その後、度重なる大きな事故に見舞われ、その度に修復して復帰していましたが、第一次世界大戦後のワシントン海軍軍縮条約で廃艦が決まりました。
そのようななか、戦艦「三笠」は、1923年(大正12年)に発生した関東大震災において横須賀港で被災して座礁し、そのまま除籍となりました。

1925年(大正14年)には記念艦として横須賀で保存されることが決まり、翌年、大正天皇皇太子昭和天皇)や東郷平八郎、日露戦争当時の戦艦「三笠」の乗組員などが参列するなか、記念式典が行われました。

記念艦「三笠」は、海に浮かんでいる状態ではなく、三笠公園の岸壁に固定されて保存されています。
記念艦「三笠」は、第二次世界大戦の敗戦による混乱や連合国による接収などを受けて荒廃しましたが、1950年代に復元運動が起こり、可能な限り複製されるなどして元の姿に近い形となりました。
しかし、廃艦時点で武装はすべて解除されていたのはもちろんのこと、盗まれて所在が分からない装飾品や、甲板などの木材や金属製の部品などの多くはすでに失われていたため、オリジナルの箇所はそれほど多くありません。

それでも、本物のスケール感の中で、複製品だからこそ実際に手で触れたり、船内を自由に動きまわることができるのは、とても貴重な体験であるはずです。

記念艦「三笠」は、イギリスの「ヴィクトリー」、アメリカの「コンスティチューション」とともに、世界三大記念艦とされています。いずれも、自国の独立を守るために先頭に立って戦い、歴史的勝利を収めた船で、各国に現存する最古級の軍艦でもあります。

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往時の姿を見させてくれる「三笠」上甲板の展示

記念艦三笠・建造当時の甲板が残る上甲板(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・建造当時の甲板が残る上甲板(撮影日:2020.11.17)

記念艦「三笠」の入口は、上甲板にあります。

入口の近くの無線電信室前の床に貼られているチーク材は、建造当時からのものが使われています。この上を東郷平八郎も歩いたと言われると、歴史を感じます。

無線電信室や15インチ砲室では、事物大で乗組員が操作する様子が展示されていて、往時の様子をうかがい知ることができます。

記念艦三笠・15センチ砲室の展示(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・15センチ砲室の展示(撮影日:2020.11.17)
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戦艦「三笠」時代のリアルさを伝えてくれる砲台

記念艦三笠・復元された主砲(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・復元された主砲(撮影日:2020.11.17)

記念艦「三笠」の前後二ヵ所にある主砲や船体の横に付いている補助砲などの武装は、複製された模造砲です。とはいえ、事物大で造られているため、迫力満点です。

敵艦からの攻撃による損害の他にも、当時は敵艦に向けて発射する前に砲身の中で弾丸が爆発してしまうような事故も発生していたようで、砲台の近くに死傷者の氏名が刻まれているような箇所もあります。このような、リアルな情報を目のあたりにすると、あらためて戦争の悲惨さが伝わってきます。

記念艦三笠・8センチ砲台(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・8センチ砲台(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・上甲板から艦橋とマストを見上げる(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・上甲板から艦橋とマストを見上げる(撮影日:2020.11.17)
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東郷連合艦隊司令長官が指揮した最上艦橋

記念艦三笠・操舵室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・操舵室(撮影日:2020.11.17)

記念艦「三笠」の上甲板から急な階段で艦橋に登ると、操舵室や海図室などの内部を見ることができます。

さらに階段を登ると、最上艦橋に上がることができます。最上艦橋には、羅針盤と敵艦との距離を測る測距儀が設置されています。
床には、日本海海戦時に東郷平八郎連合艦隊司令長官秋山真之参謀らが立っていたとされる位置が印されています。

記念艦三笠・海図室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・海図室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・測距儀などがある東郷司令長官が指揮した最上艦橋(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・測距儀などがある東郷司令長官が指揮した最上艦橋(撮影日:2020.11.17)
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「東郷ターン(丁字戦法)」が見られる中央展示室

記念艦三笠・中央展示室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・中央展示室(撮影日:2020.11.17)

上甲板から中甲板に降りると、中央が展示室になっています。
中央展示室では、戦艦時代の「三笠」戦艦「三笠」の乗組員に関わる資料、日本海海戦のパノラマ模型などが展示されています。日本海海戦のパノラマ模型では、双方の艦隊の動きや「東郷ターン(丁字戦法)」と呼ばれた戦術をたどることができます。
また、VR日本海海戦のコーナーでは、VRゴーグルをかけて、臨場感あふれる戦闘の様子をストーリー仕立てで体験することができます。

記念艦三笠・日本海海戦のパノラマ模型(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・日本海海戦のパノラマ模型(撮影日:2020.11.17)
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オンとオフの差に圧倒される長官公室と長官室

記念艦三笠・長官公室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・長官公室(撮影日:2020.11.17)

戦艦「三笠」の中甲板の艦尾は、長官公室と長官室になっていました。
記念艦「三笠」に復元された長官公室と長官室の室内に配置されている調度品などは、当時のオリジナルのものは少ないようですが、できるだけ当時の品に近いものをそろえたようで、じゅうぶんに雰囲気を味わうことはできます。

長官公室や長官室は、質素で機能的と言える艦内の他の場所と比べて異質な空間に思えますが、国の存亡を背負って最上艦橋のような戦闘の最前線に立って指揮するためには、戦闘の合間に集中して作戦を練るために、また、束の間の休息で英気を養うためには、必要な場所だったのかもしれません。

記念艦三笠・長官室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・長官室(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・後部外観(撮影日:2020.11.17)
記念艦三笠・艦尾から見た姿(撮影日:2020.11.17)
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関連施設

記念艦「三笠」三笠公園内にあります。

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記念艦「三笠」周辺の見どころ

DATA

住所 横須賀市稲岡町82-19
アクセス
行き方

京急線「横須賀中央駅」より徒歩約15分

駐車場 あり(有料) ※一般車は三笠公園駐車場を利用可、バス等の大型車用スペースは事前予約制
営業時間

<三笠公園>
4月~10月 8:00~21:00
11月~3月 9:00~20:00
<記念艦三笠>
4月~9月 9:00~17:30
3月、10月 9:00~17:00
11月~2月 9:00~16:30
※最終入艦は閉艦の30分前

休業日 三笠公園は年中無休、記念艦三笠は12/28~12/31
料金

三笠公園は入園無料、記念艦三笠は大人600円、シニア(65歳以上)500円、高校生300円(中学生以下無料)

電話番号 046-822-5225(公益財団法人 三笠保存会)
ウェブサイト https://www.kinenkan-mikasa.or.jp/
※このページに掲載している内容は、予告なく変更となっている場合があることをご了承ください。

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