玉蔵院は奈良時代の天平勝宝年間の創建で、奈良東大寺の別当・良弁僧正(ろうべん/りょうべん そうじょう)が開いた、葉山最古の寺院です。参道のイチョウやエノキの巨木が、その歴史の重みを感じさせてくれます。
一色会館を挟んだ隣りには、森山神社が鎮座しています。森山神社は良弁僧正が勧請した神社で、玉蔵院は森山神社の別当寺(神社を管理するための寺院)でした。かつてはともに、三ヶ岡(大峰山、古くは佐賀岡)の山頂にあったという言い伝えがあります。
山号 | 守護山 |
宗派 | 高野山真言宗 |
寺格 | ― |
本尊 | 大日如来 |
創建 | 749~757年(天平勝宝年間) |
開山 | 不詳 |
開基 | 良弁僧正 |
INDEX
新旧の街道近くに立地する玉蔵院
玉蔵院は、三浦不動尊霊場・第23番(本尊:不動明王)、三浦三十三観音霊場・第25番(本尊:聖観音菩薩)、三浦半島干支守り本尊八佛霊場・第7番(本尊:虚空蔵菩薩)の各札所、また、湘南七福神の恵比寿尊になっていて、ご本尊の大日如来もあわせて、主に江戸時代の鎌倉仏師による仏像が数多く安置されています。
玉蔵院は、かつての浦賀道(東海道の脇道で、江戸と浦賀を結ぶ街道)の近くにあり、古くから人の往来が多い場所にあります。現在も、国道134号という三浦半島の幹線沿いにあり、近くには葉山御用邸もあります。周囲は明治以降に、いち早く別荘地として開発されたエリアでもあります。
このような立地にあった玉蔵院は、お参りにも便利な場所であったため、やがて、さまざまな霊場の札所となることにもつながっていったと考えられます。
葉山町最古の庚申塔と主尊が阿弥陀如来という宝篋印塔
玉蔵院の本堂の前に建つ庚申塔は、江戸時代前期の1665年(寛文5年)に建立された、現存する葉山町の最古の庚申塔です。見ざる・聴かざる・言わざるの三猿の牡牝がはっきりと表わされているのが、この庚申塔の特徴です。
また、その隣りには、主尊が阿弥陀如来という、立派な宝篋印塔も建っています。
葉山町の天然記念物に指定されているイチョウとエノキの巨木
玉蔵院の参道は、樹齢500年を越えるという、イチョウやエノキの巨木に囲まれています。晩秋には、葉山一色周辺ではもっともスケールの大きな黄葉が見られます。
これらの玉蔵院のイチョウとエノキの巨木は、葉山町の天然記念物に指定されています。
以下のリンク先から周辺の【紅葉・黄葉おすすめスポット】の情報もご覧ください
その他の玉蔵院境内の見どころ
六地蔵
玉蔵院の六地蔵は眼病にご利益があるそうです。