汐入駅は、横須賀市東部にある、京急本線の駅です。京急線の横須賀中央駅とJR横須賀線の横須賀駅の間に位置しています。
ヴェルニー公園やドブ板通りなどの、多くの人が横須賀らしさを感じられるスポットの最寄り駅で、観光の拠点として便利に使える駅です。ただし、快特は停車せず、特急と普通電車しか停まらないので注意が必要です。
横須賀中央駅周辺から続く横須賀の中心市街地の一角にあり、駅前広場は冬にイルミネーションで彩られるなど、繁華街の入口らしい雰囲気を持った駅でもあります。この駅前広場からは、横須賀中心部でもっとも大きな商業施設「コースカ ベイサイド ストアーズ」に、ペデストリアンデッキでつながっています。
駅前広場とは反対側のエリアは一転して、谷戸の入口に小さな商店が連なり、その周辺部に住宅が点在する、古くからの横須賀らしいまちなみが残っています。
汐入駅周辺は、駅の両側それぞれで、このような横須賀の二面性を一度に感じられる稀有な場所です。
汐入駅が開業したのは、1930年(昭和5年)4月1日のことです。当時は「横須賀軍港駅」という駅名でした。あまりにもストレートな駅名だったため、安全保障上の観点から、1940年(昭和15年)に、付近の地名をとって「横須賀汐留駅」と改称されました。戦後の町名地番整理で、駅の所在地が「横須賀市汐入町」となっていたため、1961年(昭和36年)に、現在の「汐入駅」と改められました。
駅前のバスターミナルのバス停は「汐入駅」ですが、ややJR横須賀駅方面へ行った国道16号沿いにあるバス停の名前は、旧町名の「汐留」をそのまま使用しています。
「横須賀軍港駅」という開業時の駅名が示す通り、この駅は、旧日本海軍の横須賀鎮守府や横須賀海軍工廠(旧横須賀製鉄所、横須賀造船所)といった、横須賀軍港の中心施設の最寄り駅でした。現在は駅名からして、横須賀線の横須賀駅や同じ京急の横須賀中央駅のほうがそうしたイメージが強いですが、本来は汐入駅こそが横須賀軍港の鉄道の玄関口でした(実際は、軍の将校は二等車(現在のグリーン車相当)の連結される横須賀線を利用するため、下士官クラス以下が比較的短距離の移動に利用することが多い駅だったと考えられます)。
戦後、横須賀軍港の施設の多くは米海軍に接収されましたが、現在の米海軍横須賀基地(ベース)の最寄り駅も汐入駅であることに変わりありません(正確にはゲートによります)。
例年、年に二回ほど米海軍横須賀基地が一般開放されるイベントでは、横須賀中央駅を利用者する人のほうが多いようにみえますが、汐入駅を拠点にしたほうが、若干、行き来がスムーズにできます(基地周辺の混雑は避けられません)。
