JR横須賀駅は、1889年(明治22年)6月16日に横須賀線が開通した当初、終着駅として開業した駅です。1944年(昭和19年)4月1日に横須賀線は久里浜駅まで延伸したため、現在は中間駅として機能しています。
しかし、現役のホームではもっとも海側に位置する2番線は横須賀駅で行き止まりとなっていたり、駅を出てすぐの場所に海が広がっていたりするため、駅の前方から引込み線が続いている現在の終着駅・久里浜駅よりも終着駅らしい雰囲気が漂っています。

横須賀駅は、全国的にもめずらしい「階段が1段もない駅」として知られています。これも、当初は終着駅だったため、駅の末端にホーム直結の改札口を設けるだけのシンプルな構造で造られたことが起因しています。軍需物資をスムーズに横須賀軍港に運ぶための考慮もあったのかもしれません。
このような特徴ある駅のため、横須賀駅は1997年に「関東の駅百選」に選ばれています。

駅の構造としてはシンプルでしたが、駅構内の配線としてはそうでもありません。
現在の横須賀駅は島式ホーム両側に2線(2番線・3番線)あるだけの小さな駅ですが、往時は駅の西側(山側)に貨物ヤード(現在のウェルシティと拡張された国道16号の一部)があり、東側(海側)からは米海軍横須賀基地(ベース)への引込み線が延びる、複雑な構造をした駅でした。
現在は貨物ヤードも米軍基地への引込線も廃止されていますが、2番線・3番線の横には、臨時列車や業務用車両などの留置線として利用される側線が残されています。
横須賀駅は、横須賀市の中心繁華街からは外れた場所にあります。開業当初は横須賀造船所(かつての横須賀製鉄所、後の横須賀海軍工廠)や横須賀軍港を望む軍の拠点からは近い場所でしたが、その後、民間人のための横須賀の繁華街は京急線の横須賀中央駅方面に拡大していきました。戦後、軍の施設が米軍に接収されたり廃止されていくなかで、横須賀駅はまち外れにある駅というイメージが強い駅となっていきました。
年に数回、イベント開催時に一般開放される海上自衛隊横須賀地方総監部(海上自衛隊横須賀基地)は、横須賀駅の隣接地(海側)にあります。

