ティボディエ邸は、1869年(明治2年)頃に建築された、横須賀製鉄所の副首長を務めたジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎で、老朽化のため2003年に解体されるまでは本州最古級の西洋館(洋風建築)でした。
ヴェルニー公園の一角でその外観を再現したよこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸では、当時の小屋組みを移設した実物展示や、日本の近代化に大きく貢献した横須賀製鉄所に関する展示などをしています。
横須賀市では、市内全体を大きなミュージアムと捉えて周遊を促す「よこすかルートミュージアム」を推進しています。
よこすか近代遺産ミュージアム ティボディエ邸はその中核拠点として「よこすかルートミュージアム」の見どころを紹介する役割を持つ、ガイダンス機能を備えた施設となります。
INDEX
ティボディエ邸の歴史
横須賀製鉄所(のちの横須賀造船所)の副首長であったフランス人技師ジュール・セザール・クロード・ティボディエの官舎として建てられたティボディエ邸は木骨れんが造りという構造で造られていて、世界遺産の富岡製糸場も同じ構造です。富岡製糸場では、敷地内から横須賀造船所製のレンガも出土しています。
1872年(明治5年)に開業した富岡製糸場よりも、1869年(明治2年)頃に建築されたティボディエ邸のほうが、数年古いことになります。
第二次世界大戦後は、横須賀製鉄所の敷地はアメリカ軍に接収され、ティボディエ邸も米海軍横須賀基地内となり、一般の日本人は立ち入ることができなくなりました。
米海軍横須賀基地内では集会所として使われていましたが、老朽化のため2003年に解体されました。
解体に際しては、移築・復元を前提に解体調査が行われ、梁やレンガ、礎石などの部材が保管されました。
よこすかルートミュージアムの中心拠点
このような歴史的価値の高いティボディエ邸の外観の再現と一部を復元したよこすか近代遺産ミュージアムでは、近代日本の礎を築いた横須賀製鉄所の歴史や、横須賀市内全体を大きなミュージアムと捉えた「よこすかルートミュージアム」の見どころの紹介などをしています。
ミュージアム内のミニシアターでは、明治20年頃の横須賀造船所(横須賀製鉄所)をCGで再現したムービーの上演(有料)もあります。
エントランス
エントランスでは、横須賀製鉄所の歴史や「よこすかルートミュージアム」のサテライトを紹介しています。横須賀の歴史・文化・自然の見どころを「サテライト」と呼んでいます。
サテライトの詳細な情報は、タッチパネルで操作できるミュージアム内の大型のデジタルマップや、無料配布されているサテライトカードのQRコードから、見ることができます。
再現ゾーン
旧ティボディエ邸官舎の一部を想定再現した部屋では、今も富岡製糸場に残る横須賀製鉄所のフランス人技術者が設計した暖炉を参考にして、想定再現した暖炉があります。
横須賀ことはじめゾーン
横須賀ことはじめゾーンでは、やわらかいフランスパンの話から5Gの祖先である無線通信の話まで、横須賀が発祥の文化や技術を紹介しています。
関連施設
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