野島公園・室ノ木地区は、野島から平潟湾(野島水路)に架かる夕照橋を渡った対岸にある公園です。西側は関東学院大学 横浜・金沢八景キャンパスに隣接しています。
通称「ロケット公園」とも呼ばれています。公園名に「野島公園」と付いていますが、「野島」の島内にはありません。
「室ノ木」という地名は、かつてこの地に鎮座していた熊野神社境内にあったムロノキに由来していると言われています。室ノ木の熊野神社は、明治期に瀬戸神社に合祀されました。
室ノ木では、縄文、弥生時代から中世期にかけての遺跡も見つかっていて、海に囲まれた高台があったという土地柄、古くから人々が生活しやすい場所だったことが分かっています。室の木遺跡と名付けられたこの遺跡では、1970年(昭和45年)の関東学院大学のキャンパス拡張工事の際に発掘調査が行われていて、十三菩堤式土器などの縄文時代前期のものを中心に大量の土器類が出土しました。
INDEX
小さなお子さんがいるファミリーに最適な自由広場とあそび場
野島公園・室ノ木地区のおよそ半分を占めるのが「自由広場」と「あそび場」からなる、芝生広場です。「自由広場」は、適度に傾斜や木陰があってちょっとしたピクニックをするのにもうってつけです。「あそび場」には、ロケット型のすべり台やロープウェイ遊具などがあり、その名のとおり、小さなお子さんたちの絶好の遊び場です。
臨時駐車場としても利用される多目的広場
野島公園・室ノ木地区の残りの半分ほどは、「多目的広場」のグラウンドになっています。この「多目的広場」は、繁忙期は臨時駐車場としても利用されます(下記DATA欄参照)。
臨時駐車場として利用されていない日は、いろいろな用途で自由に利用できる他、テニスの練習などに最適な壁打ち施設も使えます。
平潟湾や野島への眺望が開けたジープ山
「自由広場」と「多目的広場」の中間には、「ジープ山」と呼ばれる岩山があります。緑が多い公園内では少し異質な存在に見えます。山とは言え標高13mほどの小高い丘ではありますが、周辺に高い建物や山などがないため、平潟湾や野島方面の眺望が開けています。
定番ではないほうの野島公園のお花見スポット
野島公園・室ノ木地区の自由広場の一角には桜の木が多く植えられています。広い芝生広場にありますので、のんびりとお花見をするのには最適です。
野島公園で桜と言えば、野島山の展望台広場が定番ですが、室ノ木地区は山に登らなくても、お気軽にお花見をたのしめます。
室ノ木のかつての観光名所・四望亭
室ノ木と対岸の野島の間は100mほどしかなく、平潟湾の入口に位置していながら、昔から湾内でもっとも狭い海峡でした。かつての平潟湾は内側に行くほど広がる、汽水湖のような地形をした湾でした。室ノ木は平潟湾の入口に半島のように突き出た岬の先端部分にありました。
現在、野島公園・室ノ木地区のジープ山山頂から見られる景色も素晴らしいものですが、江戸時代までの室ノ木は三方を海で囲まれた風光明媚な場所で、四望亭という観光名所もある景勝地でした。
室ノ木の北側一帯は、江戸時代以降に新田開発や宅地化が進んだため、運河のように狭い平潟湾がわずかに残るだけです。一方、南側一帯は、明治末から第二次世界大戦期にかけて旧日本海軍の追浜飛行場やその関連施設の建設などで埋め立てられて、戦後は工場地帯や団地などに変遷していき、こちらも半島だった頃の面影はほとんど見られません。
かつて「金沢八景」と呼ばれた景勝地の姿はもうそこにはありませんが、それでも、野島や平潟湾などを一度に一望することができる、まちなかに残された貴重なビュースポットです。