仙光院は、葉山北部の長柄にある高野山真言宗の寺院です。創建時期の詳細は分かっていませんが、江戸時代後期に編さんされた地誌「新編相模国風土記稿」によると、室町時代後期の永正年間(1504年~1521年)に再興されたことが記録されています。
仙光院には、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した武将・畠山重忠の念持仏と伝わる畠山地蔵が安置されています。畠山地蔵は、葉山町の重要文化財に指定されています。
山号 | 長谷山 |
宗派 | 高野山真言宗 |
寺格 | ― |
本尊 | 十一面観音 |
創建 | 再興:永正年間(1504年~1521年) |
開山 | ― |
開基 | 長覺 |
畠山地蔵堂の近くには動物供養の碑が建っていて、ペットの供養も受け付けています。また、持ち込みや郵送による人形供養も受け付けていて、仙光院は人間だけでなく、人間以外の家族にもやさしいお寺です。
湘南七福神の一つ・長柄毘沙門天
現在の仙光院の本堂は、1913年(大正2年)に再建されたものです。
仙光院の本堂には、ご本尊の十一面観世音と脇仏に大日如来、毘沙門天、不動明王が祀られています。
仙光院の毘沙門天は、「長柄毘沙門天」として、湘南七福神の一つに数えられています。
毎年元旦から1月10日までの湘南七福神の御開扉期間は、毘沙門天から境内の角塔婆に紅白の綱が結ばれて、この角塔婆に触れることで毘沙門天に触れるのと同じ功徳を得られると言います。
弘法大師修行像とお砂踏み
弘法大師は、平安時代初期の僧で、真言宗の開祖です。「弘法大師」は諡で、生前は「空海」と名乗りました。
仙光院の本堂の前にある弘法大師修行像には、四国88ヶ所・西国33ヶ所札所霊場のお砂踏みがあります。この踏石の下には札所より持ち帰ったという霊場の砂が埋められていて、お砂踏みをすることで弘法大師・空海も修行した札所巡拝の功徳をいただけると言います。
畠山重忠の念持仏と伝わる畠山地蔵
仙光院の畠山地蔵は、平安時代末期から鎌倉時代初期に活躍した武将・畠山重忠の念持仏と伝わる地蔵菩薩立像です。「坂東武士の鑑」と呼ばれた畠山重忠は武蔵国を本拠地としていましたが、三浦半島の、とくに葉山周辺に多くの伝承が残る武将です。胎内に残されていた修理銘札より、運渓道人の作とされています。
もともとこの畠山地蔵は、仙光院からもほど近い場所にあった長徳寺に安置されていましたが、長徳寺の廃寺にともない、2003年に仙光院へ移され、現在は仙光院境内の地蔵堂に安置されています。