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補陀洛寺(竜巻寺)| 鎌倉入り翌年に源頼朝の祈願所として創建された材木座の古刹

補陀洛寺(竜巻寺)(撮影日:2025.08.29) 鎌倉
補陀洛寺(竜巻寺)(撮影日:2025.08.29)

補陀洛寺ふだらくじは、文覚を開山(初代住職)に、源頼朝の祈願所として創建された真言宗大覚寺派の寺院です。たびたび竜巻や火災にみまわれていたようで、「竜巻寺」と言う別名もあります。

補陀洛寺が創建された1181年(養和元年)という年は、源頼朝が鎌倉入りした翌年で、源氏と平家との戦いが本格化する直前にあたります。また、鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」には、鎌倉では鶴岡八幡宮の造営に忙しい様子が頻繁に記録されています。
補陀洛寺は、このような、平家討伐鎌倉幕府創設といった大願成就のため、旧知の仲であった文覚を迎えて創建されたものと考えられます。

その後、補陀洛寺は廃れますが、南北朝時代に鶴岡八幡宮の供僧・賴基によって再興されました。

山号南向山
宗派真言宗大覚寺派
寺格
本尊十一面観音菩薩
創建1181年(養和元年)
開山文覚
開基源頼朝

平家討伐を成しとげた後、源頼朝は、平家の総大将だった平宗盛平清盛の三男)が最後まで持っていたとされる「平家の赤旗」を補陀洛寺に奉納しました。この「平家の赤旗」は、現在も補陀洛寺の寺宝として伝えられています。

補陀洛寺(竜巻寺)・源頼朝祈願所を示す石柱(撮影日:2024.10.31)
補陀洛寺(竜巻寺)・源頼朝祈願所を示す石柱(撮影日:2024.10.31)
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平安期の十一面観音菩薩が伝わる古義真言宗の古刹

補陀洛寺(竜巻寺)・本堂の寺標(撮影日:2024.10.31)
補陀洛寺(竜巻寺)・本堂の寺標(撮影日:2024.10.31)

江戸時代前期に成立した地誌「新編鎌倉志」によれば、補陀洛寺仁和寺(現在の京都市右京区にある、真言宗御室派の総本山)の末寺で、本尊は薬師・十二神とあります。一方、江戸時代後期に成立した地誌「新編相模国風土記稿」には、手広村青蓮寺(現在の鎌倉市手広にある、高野山真言宗の寺院。当時の本尊は不動)の末寺で、本尊は不動とあります。
現在の補陀洛寺真言宗大覚寺派に属していて、本尊は十一面観音菩薩です。

このように、少なくとも近世以降の補陀洛寺は、本末の関係や本尊がたびたび変わっていきましたが、真言宗の寺院であることは一貫していて(開山の文覚も真言宗の僧。また、真言宗大覚寺派高野山真言宗真言宗御室派はいずれも、広義の古義真言宗)、現在の本尊・十一面観音菩薩も平安期の、創建時の本尊とみられます。

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補陀洛寺(竜巻寺)境内の見どころ

百日紅(サルスベリ)

補陀洛寺(竜巻寺)・本堂前の百日紅(サルスベリ)(撮影日:2025.08.29)
補陀洛寺(竜巻寺)・本堂前の百日紅(サルスベリ)(撮影日:2025.08.29)

本堂前には、鎌倉でも有数の百日紅(サルスベリ)の大木があり、真夏の境内を彩ります。

「市瀬正毅先生を偲ぶ」石碑

補陀洛寺(竜巻寺)・「市瀬正毅先生を偲ぶ」石碑(撮影日:2024.10.31)
補陀洛寺(竜巻寺)・「市瀬正毅先生を偲ぶ」石碑(撮影日:2024.10.31)

境内の片隅には、県立湘南高校の教師だった市瀬正毅先生を偲ぶ石碑が建てられています。市瀬正毅先生は、1949年(昭和24年)に県立湘南高校の野球部が甲子園(全国高等学校野球選手権大会)初出場で初優勝した際の部長だった方です。

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補陀洛寺(竜巻寺)周辺の見どころ

鶴岡八幡宮以降、勝長寿院永福寺といった、源頼朝が建立した主要な寺社はいずれも山際(内陸の谷戸)に造営されましたが、補陀洛寺は、鶴岡八幡宮の前身である由比若宮(元八幡)と同じ、海に近い材木座にあります。

明治維新までの補陀洛寺は、諏訪社牛頭天王見目明神合社住吉社など、材木座村の複数の神社を管理していました。それらのいくつかは、補陀洛寺からもほど近い場所に鎮座する五所神社に合祀されています。

五所神社
五所神社ごしょじんじゃは、1908年(明治41年)に、旧乱橋みだればし村と旧材木座ざいもくざ村にあった5ヵ所の神社を合祀して、旧乱橋村の鎮守・三島神社があった場所に、旧材木座村の鎮守・諏訪神社の...
来迎寺(材木座)
来迎寺は、鎌倉幕府創設の礎となった三浦大介義明の霊を弔うために、源頼朝が開基となって能蔵寺を建立したのがはじまりです。はじめは真言宗の寺院でしたが、頼朝の死後、音阿上人が時宗に改宗し、来迎寺に改...
妙長寺
妙長寺みょうちょうじは、若宮大路の東側を並行して走る小町大路沿いに建つ日蓮宗の寺院です。境内の前に建つ日蓮聖人の銅像が目をひきます。現在の妙長寺は材木座の海岸線から離れた場所にありますが、以前は...
由比若宮(元八幡、元鶴岡八幡宮)
由比若宮ゆいわかみや(元八幡)は、源頼朝の5代前の祖先にあたる源頼義が、京都の石清水八幡宮から河内源氏の氏神である八幡神を勧請して鎌倉の由比郷に祀ったのがはじまりです。戦の鎮圧に中心的役割を果た...
材木座海岸(材木座海水浴場)
材木座海岸ざいもくざ かいがんは、鶴岡八幡宮や鎌倉駅方面から若宮大路を南に下った先の、向かって左側に広がっている海岸です。鎌倉の中心部を南北に貫いている若宮大路は、海に近くなると滑川なめりがわが並行...
和賀江嶋(和賀江島)
和賀江嶋は鎌倉時代の1232年(貞永元年)に築かれた日本に現存する最古の築港の遺跡で、国の史跡に指定されています。材木座海岸の南端(小坪寄り)の相模湾上に築かれた人工の港で、現在でも干潮時には無数の...
光明寺
光明寺は、材木座の海岸からほど近い場所にある浄土宗の大本山です。鎌倉でも規模が大きい寺院の一つに数えられますが、他の大寺院の多くは内陸部の谷戸にあり、これほど海の近くにある大寺院は見られません。...

DATA

住所 鎌倉市材木座6-7-31
アクセス
行き方

JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「小坪経由逗子駅」行き、「小坪」行きで『材木座』下車、徒歩約2分
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約25分
江ノ電「和田塚駅」より徒歩約20分

駐車場 なし
営業時間

<拝観時間>
9:00~日没

料金

無料(志納)

電話番号 0467-22-8559
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