沼間五霊神社は、平安時代に活躍した武将で、河内源氏第6代棟梁の源義朝の館の鎮守として創建されたと伝わる、逗子・沼間の古社です。源義朝は後に鎌倉(現在の寿福寺のあたり)へ本拠地を移しますが、それまでは、沼浜城(現在の逗子市沼間)を居城にしていたとされています。
江戸時代後期に編さんされた地誌「新編相模国風土記稿」では、「五霊神社(ごりょうじんじゃ)」と同じ読みの「御霊神社」と記されていて、いつ、どのような経緯で「五霊神社」となったのか、定かではありません。
主祭神 | 天手力男命 |
旧社格等 | 旧村社 |
創建 | 不詳 (源義朝の東国下向時の、1100年代中盤) |
祭礼 | 3月第一日曜 祈年祭 7月20日に近い土曜 例大祭「式典」 7月18日に近い日曜 例大祭「神幸祭」 12月第一日曜 新嘗祭 ※実際の日にちは異なる場合があります |
INDEX
近隣の神社と合祀・合併してきた五霊神社
三浦半島エリアには「御霊神社/五霊神社(ごりょうじんじゃ)」という名前の神社が複数ありますが、もっとも有名なのは、鎌倉・坂ノ下にある「御霊神社(通称:権五郎神社)」でしょう。
坂ノ下の御霊神社は、源義朝の三代前の河内源氏・棟梁にあたる源義家に仕えた、鎌倉権五郎景政を主祭神として祀っている神社です。もともと、鎌倉・梶原・村岡・長尾・大庭の関東平氏の先祖の霊を祀っていたため「五霊神社」だったものが、鎌倉権五郎景政の武勇がとくに名高かったため「御霊神社」になったと言われ(諸説あり)、沼間の五霊神社とは逆の名称変更の歴史をたどっています。
沼間の五霊神社は、明治以降、近隣の神社と合祀・合併をしてきた歴史がありますので、この過程で、坂ノ下の「五霊神社」の由緒と同じように、五つの霊を祀るようになったことにより、「御霊神社」から「五霊神社」になったということも考えられます。
五霊神社の大イチョウとその周辺の樹木
沼間五霊神社の社殿の前にそびえるイチョウの巨木は、樹齢500年とも800年とも言われる古木です。創建時に植えられたという言い伝えもあり、源義朝の時代(1100年代)から数えれば、800年どころではありません。
この大イチョウは幹周6.7メートル、高さが25メートルあり、周辺のタブノキ、ケヤキなどとともに、沼間五霊神社の鎮守の杜を形成しています。これらの大イチョウと社叢林一帯は、1967年(昭和42年)に「五霊神社の大イチョウとその周辺の樹木」として、神奈川県の天然記念物に指定されました。また、大イチョウは、1984年(昭和54年)に「かながわの名木100選」にも選ばれています。
沼間五霊神社の境内のすぐ横には、比較的交通量の多い道路(県道24号横須賀逗子線)が通っています。しかし、五霊神社の大イチョウは、そんな喧騒を打ち消すほどに神聖な空気に包まれていて、自然の生命力や大きなパワーが感じられます。
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