鎌倉・坂ノ下にある御霊神社は、たしかな創建時期は分かっていませんが、鎌倉幕府成立前の平安時代からある神社です。
当初は、相模国鎌倉郡を中心に活躍した、鎌倉・梶原・村岡・長尾・大庭の関東平氏の先祖の霊を祀っていました。その後、鎌倉権五郎景政の武勇が名高いため、景政を祀るようになり、「五霊」が「御霊」に転じたと言われています(諸説あり)。
鎌倉権五郎景政は平安時代に活躍した武士で、16歳の時、源義家に従って後三年の役に従軍した際には、左目を射抜かれながらも敵を倒したというエピソードが伝わっています。
「権五郎神社」という通称でも親しまれています。
例年9月の祭礼で行われる面行列「面掛行列」は、全国的に希少となった中世の「伎楽面風流」に起源があるとされ、県指定無形民俗文化財に指定されています。
主祭神 | 鎌倉権五郎景政 |
旧社格等 | 旧村社 |
創建 | 不詳 (平安時代後期) |
御霊神社(権五郎神社)は、鳥居のすぐ前を江ノ電が走っていて、とても鎌倉らしい風景を感じられます。
※撮影する際は、線路内に立ち入ったり電車の運行を妨げるような行為はおやめください。なお、2023年5月現在、御霊神社(権五郎神社)の境内は撮影禁止となっています。
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四季が凝縮された境内

御霊神社は小さな境内ですが、春の桜、初夏の紫陽花、秋にはイチョウの黄葉と、四季ごとに味わい深い印象を与えてくれます。
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境内のすぐ前を江ノ電が走る

御霊神社の境内は江ノ電の線路に接していて、鳥居の前にすぐ踏切があります。
似たようなロケーションは北鎌倉の円覚寺とJR横須賀線の踏切にも見られますが、御霊神社のほうが小ぢんまりとしていて、線路までが近く、より一体感があります。
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御神木たぶの木

御霊神社(権五郎神社)の境内に立つ御神木のタブノキは、樹齢約400年と言われ、「かながわの名木100選」や鎌倉市の天然記念物に指定されています。
鎌倉や三浦半島エリアの「御霊神社」
「御霊神社」という名前の神社は、全国的にはメジャーな社名ではありませんが、鎌倉を中心に三浦半島などのその周辺地域に多く分布しています。
藤沢・宮前の御霊神社は、平安時代中期の940年(天慶3年)に、村岡五郎良文(平良文)が平将門討伐の戦勝祈願のために、京都の御霊神社を勧請したのがはじまりと伝えられています。村岡五郎良文は、鎌倉を中心に活躍した鎌倉・梶原・村岡・長尾・大庭の5氏や、これら5氏とも関係の深い三浦氏などの先祖にあたる武将です(諸説あり)。
藤沢・宮前の御霊神社の由緒によれば、鎌倉・坂ノ下の御霊神社(権五郎神社)を含む鎌倉周辺の御霊神社は、村岡五郎良文が創建した藤沢・宮前の御霊神社から分社したものとされています。良文の子孫にあたる氏族の繁栄と勢力地域の広がりとともに、周辺地域にも御霊神社が広がっていったことが考えられます。



御霊神社(権五郎神社)周辺の見どころ




