鎌倉山さくら道は、県道32号藤沢鎌倉線「常盤口」交差点から、市道大船西鎌倉線「鎌倉山」交差点(通称「鎌倉山ロータリー」)まで、およそ2.4km続く鎌倉山住宅地のメインストリートで、ソメイヨシノの桜並木になっています。全区間桜並木になっているわけではなく、途切れ途切れの場所も多くあります。「鎌倉山ロータリー」側のほうが、桜並木の密度は高くなります。
「鎌倉山」という名前から連想される、山の中のハイキングコースなどではなく、路線バスも走る、丘陵地に開発された古い歴史を持った高級住宅地の中を縫うように通る道路です。
鎌倉山さくら道は、昭和初期の住宅地開発とあわせてソメイヨシノの植樹が開始された、鎌倉のなかでも古い歴史を持つ桜の名所の一つです。鎌倉山はソメイヨシノで「かながわの花の名所100選」に選ばれています。
鎌倉山の住宅地の建物は、分譲当時のものが保全されていたり、リノベーションや建て替えもあり適度な新陳代謝が見られますが、人間の寿命と同じように、ソメイヨシノの木々も寄る年波には勝てないようで、桜並木としての衰えは隠しきれません。
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鎌倉山さくら道散策のおすすめコース
毎年、桜が開花する季節はドライブがてらのお花見に多くの車が集まりますが、きちんとした歩道が整備されていない箇所や見通しのよくないカーブも多いため、徒歩でのお花見には注意が必要です。
鎌倉山の桜並木の散策には、鎌倉山さくら道の全区間を歩くよりも、「鎌倉山」バス停がある「鎌倉山ロータリー」から途中の夫婦池公園・鎌倉山口くらいまでに留めておくくらいがおすすめです。この区間は桜並木の密度も高いですし、夫婦池公園・鎌倉山口からは森林の中の遊歩道を通って笛田方面へ抜けることもできます。
この他にも、鎌倉山さくら道からは、七里ヶ浜の住宅地方面へ下るわき道や、鎌倉山神社を経由して極楽寺方面に抜ける山道なども分岐しています。
鎌倉山さくら道の歴史
鎌倉山住宅地は、昭和初期から分譲が開始された、鎌倉のなかでも歴史の古い住宅地の一つです。その際、鎌倉駅、大船駅、藤沢駅、江の島といった、古くからの市街地や観光地からいずれも離れた場所にあったこともあり、2つのアクセス道路もいっしょに建設されました。
このうち、鎌倉駅・長谷方面からのアクセス道路として建設されたのが、後に鎌倉山さくら道と呼ばれるようになるこの通りです。
鎌倉山の桜並木はこの頃から植樹がはじまったため、今では老木が多いです。
もう一つの通りは、大船駅方面からの江の島観光をメインターゲットとして建設された、現在の鎌倉市道大船西鎌倉線と藤沢市道片瀬西鎌倉線です。
この大船~片瀬間の通りは、日本初の有料の自動車専用道路でもありました。戦後は京急の所有となったため、「京浜急行自動車専用道路」や「京浜急行有料道路」などと呼ばれていましたが、1980年代までに有料道路としての営業を終えています。