三菱合資会社(後の三菱財閥)の専務理事兼管事をしていた荘清次郎の別荘として、15年の歳月を費やして1916年(大正5年)に完成しました。
設計は、日本の近代建築の基礎を築いたジョサイア・コンドルの弟子・桜井小太郎です。
桜井小太郎は、旧三菱銀行本店や丸ノ内ビルディングの設計者として知られています。三浦半島エリアでは、海上自衛隊横須賀地方総監部田戸台分庁舎(旧横須賀鎮守府司令長官官舎)の設計を担当しています。
旧荘清次郎別邸は、1937年(昭和12年)に日本土地建物の経営者・古我貞周が取得してからは古我邸と呼ばれるようになりました。古我貞周の息子は、日本のモータースポーツのパイオニアと言われる古我信生です。
現在はフレンチレストランとして活用されている他、ウェディングでの利用も可能です。
古我邸は関東大震災でも被害がなかったと言い、鎌倉に西洋館が建ち並び、皇族や華族、富裕層の別荘地として栄えた時代を今に伝える貴重な建築です。
INDEX
古我邸は鎌倉三大洋館の一つ
古我邸(旧荘清次郎別邸)は、鎌倉文学館(旧前田侯爵家別邸)、旧華頂宮邸と並んで、鎌倉三大洋館の一つに数えられています。
旧華頂宮邸
旧華頂宮邸は、1929年(昭和4年)に華頂博信かちょうひろのぶ侯爵の別邸として建てられた、ハーフティンバー様式の洋館と幾何学的なフランス式庭園が特徴の洋風住宅です。華頂博信侯爵は伏見宮家の出...
【休館中】鎌倉文学館(旧前田侯爵家別邸)
川端康成、夏目漱石、芥川龍之介、与謝野晶子ら、鎌倉にゆかりがある文学者は数えきれないほどいます。鎌倉文学館は、鎌倉文士とも呼ばれる、彼ら・彼女らの直筆原稿や手紙、愛用品などを所蔵・展示する文学館です...
古我邸周辺の見どころ
鎌倉歴史文化交流館
鎌倉歴史文化交流館は、鎌倉で発掘された出土品を中心に、原始・古代から近現代に至る鎌倉の歴史を紹介する博物館です。埋蔵文化財の宝庫である鎌倉では、毎年のように新たな発見が生まれていますが、それらの最新...
寿福寺・源実朝と北条政子の墓
寿福寺じゅふくじ(壽福寺)は、源頼朝の死の翌年に、北条政子が頼朝の菩提を弔うために開いた禅宗寺院です。山号になっている「亀谷山」は、寺の背後にある源氏山の別名です。鎌倉五山第三位に列せられ、最盛...
英勝寺
英勝寺えいしょうじは、江戸幕府初代将軍・徳川家康の側室・お勝の方が開いた、鎌倉唯一の尼寺です。お勝の方は、室町時代後期に扇谷上杉家の重臣として活躍した太田道灌おおた どうかんの子孫です。家康の死...