野比海岸は、久里浜の火力発電所がある千駄ヶ崎から京急久里浜線YRP野比駅が最寄りの野比海岸公園付近までの、横須賀市の東京湾側の海岸です。南側は長沢海岸、津久井浜海岸、三浦海岸とつながっています。
海岸沿いに走る北下浦海岸通りは通称「水仙ロード」と呼ばれていて、1月~2月に約300万株のスイセンが見ごろを迎えます。
連続して信号がなく、大きな交差点もない野比海岸沿いの直線道路は、ドライブコースにも最適です。通り沿いには、病院や養護学校、高齢者施設などが多いですので、通常の市街地以上に運転のマナーには気をつけましょう。
2024年海水浴場 | × 野比海岸(北下浦海岸)は海水浴場ではありません |
2024年海の家開設 | × |
公衆トイレ | ○ |
駐車場 | △ 北下浦海岸通り駐車場(旧北下浦海岸通り第2駐車場) 北下浦海岸通り臨時駐車場(旧北下浦海岸通り第1駐車場) <毎日開設> 12月29日~1月3日 7月1日~8月31日 <土日祝日のみ開設> 上記以外の期間 |
このあたりの海岸は岬などで明確に分かれているわけでもなく、漁港などを除いてほぼ連続した砂浜が続いているため、いろいろな呼び方をされています。町名にそって「野比海岸」などと呼ばれたり、横須賀市の行政区域である「北下浦」という名称が使われたりします。
INDEX
約300万株のスイセンが咲き乱れる「水仙ロード」
YRP野比駅に近い野比海岸公園から北下浦海岸通り(県道212号)沿いは、冬になると約300万株のスイセンが咲き乱れます。「北下浦水仙ロード」とも呼ばれ、スイセンの良い香りが潮風に乗って漂います。これらのスイセンは地元のボランティア団体「水仙の会」が植栽しているもので、見ごろは例年1月から2月にかけてです。
野比海岸は、とくにシーズンオフは、目の前の東京湾を行く船を眺めながら、のんびりと過ごせる海岸です。
春から秋にかけてはバーベキューなどをするグループが目立ちますが、地元以外の人はまず訪れることがない穴場の海岸です。
北下浦海岸通り第1・第2駐車場近くにはサイクリストたちのための駐輪場が用意されていて、マイルストーン「水仙」のモニュメントが建っています。
北下浦海岸通りは快適なドライブコース
国道134号の「野比」交差点から県道212号に入って久里浜港方面に向かう道は、三浦半島のメインルートからは外れているため、交通量が多くありません。
「野比」交差点を過ぎて千駄ヶ崎で内陸へと急なカーブを曲がるまでの約2.5kmは、海と道路を隔てる建物がないため、海を眺めながら走れる快適なドライブコースになっています。
海に囲まれた三浦半島でも、これだけ連続した長い区間、海沿いを走れる道はめずらしいです。海沿いの直線道路といえば馬堀海岸にもありますが、こちらは高い塀がないため、より海のすぐ横を走っている実感を持てます。
なお、この区間は「北下浦海岸通り」と呼ばれていて、これより北の千駄ヶ崎より久里浜側は「ペリー通り」と名称を変え、小高い峠のトンネルを越えると、東京湾フェリーなどが発着する久里浜港やペリー公園へと続いています。
近年は砂浜が侵食されて、台風や大雨の影響でたびたび海岸沿いを走る道路まで陥没するような災害に見舞われるため、断続的に改良工事をしています。(2021年現在)
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療養に適した静かな海
明治から昭和前期にかけて、東京湾要塞の一部として三浦半島には多くの軍事施設が造られました。野比海岸周辺も例外ではなく、海を望む場所に「横須賀海軍共済病院」の分院ができました。
この分院は後に「野比海軍病院」として独立して、戦後は「国立療養所久里浜病院」となりました。「国立療養所久里浜病院」は1970年代までは結核の患者の療養施設として使われ、その後は、アルコール依存症やギャンブル依存症、ネット依存症などの各種依存症の治療を行う専門病院と変わっていき、現在は名称も「国立病院機構久里浜医療センター」となっています。
その時代時代のもっとも難しいテーマを扱う医療施設と言っても過言ではないと思いますが、現在まで観光地化されていない野比海岸の静かな海は、結核や依存症などの療養に適した環境なのでしょう。