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馬堀海岸(まぼちょく)| 海と空が開けた広い遊歩道があるランニングの聖地

馬堀海岸(撮影日:2021.11.12) 横須賀
馬堀海岸(撮影日:2021.11.12)

馬堀海岸まぼりかいがんは、観音崎走水の西側に、東西にのびる海岸です。その海岸線の全線に渡って遊歩道と国道16号が並行して走っていて、JR横須賀駅から観音崎まで続く「10,000メートルプロムナード(愛称:うみかぜの路)」の一部になっています。
馬堀海岸の海岸線は、約1,600mに渡ってほぼ一直線に続くため、通称「まぼちょく」と呼ばれています。

もともとは砂浜の自然海岸が続く、東京湾でも屈指の海水浴場として知られていましたが、昭和40年代に埋め立てられて、西武不動産によって住宅地として開発されました。海岸のもっとも東側(走水海岸寄り)には、わずかではありますが、自然海岸が見られる場所が残っています。

海岸の東側には横浜横須賀道路馬堀海岸インターチェンジが設けられています。かつては、ここから東京湾の浦賀水道を横断して房総半島の富津市に至る「東京湾口道路」の構想がありましたが、国は「長期的視点から取り組む」としており、現在この計画は事実上凍結されています。

馬堀海岸・破崎緑地から見た全景(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・破崎緑地から見た全景(撮影日:2021.11.12)
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馬堀海岸の直線道路「まぼちょく」

馬堀海岸の埋立地は、町名が「馬堀海岸」となっているほぼ全域におよびます。かつての海岸線は、概ね、「馬堀海岸」の内陸側にある「馬堀町」との境界線付近になります。
京急線はこの境界線付近を通っています。1930年(昭和5年)に湘南電気鉄道として開通した当初は、「馬堀海岸駅」は、まさに砂浜が目の前にある駅だったことになります。

埋立によってできた海岸線沿いの直線道路は、いつしか、地元の人たちのあいだで「まぼちょく」と呼んで親しまれるようになり、海と空が開けた広い遊歩道はランニングの聖地にもなっています。
山が海岸近くまで迫る三浦半島では、これだけ長く平坦で一直線の道路が続く場所はめずらしいです。

馬堀海岸・通称「まぼちょく」(遊歩道)(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・通称「まぼちょく」(遊歩道)(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・通称「まぼちょく」(国道16号、横断歩道から撮影)(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・通称「まぼちょく」(国道16号、横断歩道から撮影)(撮影日:2021.11.12)
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快適な遊歩道として生まれ変わった馬堀海岸の護岸

馬堀海岸・護岸工事によって敷きつめられた岩石(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・護岸工事によって敷きつめられた岩石(撮影日:2021.11.12)

埋め立てから30年余りが経過した、1995年(平成7年)の台風12号、その翌年1996年(平成8年)の台風17号で、馬堀海岸は2年連続で台風による高潮で当時の堤防を越えた海水の冠水被害を受けました。その規模は、護岸背後に広がる住宅地約70haが浸水し、2,700世帯、8,000人が被害を受けるほどでした。
原因として、埋め立て当時の設計条件を越える波浪が打ち寄せたことと、施設の老朽化が指摘されました。

その対策として、新たな設計条件で護岸工事が行われ、2006年(平成18年)に完了しました。この高潮対策は、全国的にも類を見ない「面的防護方式」という高度な技術が使われています。
沖合から海底の緩やかな傾斜で波を弱める人工リーフと、ブロックで波をさえぎりつつ割石の隙間から海水を浸透させる上下二段からなる新設護岸からなります。護岸の高さを上げるという線的な対策ではなく、沖合から多段的な対策をとるという面的な方式によって、防災性を高めるとともに、住民からの要望にあった海への眺望の確保や親水施設となるように工夫されています。
また、人工リーフには海草が、護岸に新設された遊歩道には国道16号の中央分離帯と同じカナリーヤシ(通称:フェニックス)が植えられました。

かつての護岸は、落書き防止対策として絵画が描かれる「うみかぜ画廊」となっていて、現在(2021年)は、「全日本高校デザイン・イラスト展」、「高校生国際美術展」、「全日本学生美術展」など様々なコンクールで入賞実績がある横須賀総合高校美術部によるアートペイントが描かれています。遊歩道ではなく国道16号の歩道を歩いても、また違った景観をたのしむことができます。

馬堀海岸・かつての護岸に絵画が描かれている、うみかぜ画廊(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・かつての護岸に絵画が描かれている、うみかぜ画廊(撮影日:2021.11.12)
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三浦半島ではめずらしい東西に長い海岸

馬堀海岸・フェニックスの合間から富士山を望む(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・フェニックスの合間から富士山を望む(撮影日:2021.11.12)

南北に長い三浦半島では、馬堀海岸のように東西にのびる海岸はめずらしいです。そのため、東京湾に面した海岸にも関わらず、気象条件さえ合えば富士山が見られたり、猿島の右側に横浜市街のまちなみが遠望できたりと、他の東京湾沿いの海岸にはない特徴があります。

また、例年、平成町沖で打ち上げられる「よこすか開国花火大会」の観覧場所の穴場でもあり、長い遊歩道は他の定番スポットと比べて圧倒的に密を避けられる場所になっています。

馬堀海岸・猿島の右側に横浜みなとみらい方面を望む(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・猿島の右側に横浜みなとみらい方面を望む(撮影日:2021.11.12)
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雰囲気バツグンのまぼちょくサンセット

馬堀海岸より横須賀市街越しの丹沢山地に沈む夕日を望む(撮影日:2024.05.24)
馬堀海岸より横須賀市街越しの丹沢山地に沈む夕日を望む(撮影日:2024.05.24)

東西にのびる馬堀海岸は、三浦半島の東京湾側ではめずらしい、夕日スポットでもあります。夕日が落ちる方角は季節によって変わっていきますが、横須賀市街地の背後にそびえる、富士山丹沢山地に沈んでいきます。
とくに、国道16号(まぼちょく)沿いに整然と立ち並ぶカナリーヤシとあいまって、陽が沈んだ直後の雰囲気はバツグンです。

馬堀海岸・夕暮れのまぼちょく(撮影日:2024.05.24)
馬堀海岸・夕暮れのまぼちょく(撮影日:2024.05.24)
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走水側にわずかに残る自然海岸

馬堀海岸・わずかに残る自然海岸-1(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・わずかに残る自然海岸-1(撮影日:2021.11.12)

馬堀海岸のもっとも東側(走水寄り)の遊歩道が終わった先には、わずかに自然海岸が残されていて、国道の歩道から降りられるようになっています。海岸のさらに東側には走水水源地公園走水海岸がよく見えます。
このあたりにはよく海鳥が集まってきていて、きっと、エサが豊富であったり、居心地が良いのでしょう。

馬堀海岸・わずかに残る自然海岸-2(撮影日:2021.11.12)
馬堀海岸・わずかに残る自然海岸-2(撮影日:2021.11.12)

馬堀海岸(まぼちょく)周辺の見どころ

走水海岸方面

大津港方面

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三浦半島ドライブで走りたい道

DATA

住所 横須賀市馬堀海岸
アクセス
行き方

京急線「馬堀海岸駅」または「京急大津駅」より徒歩約10分

駐車場 あり(馬堀海岸公園の駐車場を利用可能)
電話番号 046-822-4000(横須賀市役所)
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