大昌寺は、下山川の支流・栗坪川が流れる谷戸の高台にある浄土宗の寺院です。下山川は葉山御用邸の横の大浜海岸で相模湾に注ぐ川ですが、大昌寺の建つ上山口は海から4kmほど離れています。規模は大きくありませんが、周辺には牧場もあって、三浦半島でもっとも山村の雰囲気を残すエリアの一つにあります。
大昌寺は、南北朝時代初期の1338年(暦応元年)に、山口郷領主・戸塚八郎衛門宗達が自家持分の地に庵室を建てて阿弥陀如来を祀ったのがはじまりと伝えられています。
その後、戸塚八郎衛門宗達の子孫で、戦国時代に相模三浦氏を敗り三浦半島一帯を治めていた後北条氏の家臣・富塚善四郎によって再興されました。
現在の大昌寺の本尊は、徳川将軍家の祖である松平家の菩提寺・高月院(愛知県豊田市松平町)より移されたものであると言います。
山号 | 八幡山 |
宗派 | 浄土宗 |
寺格 | ― |
本尊 | 阿弥陀如来 |
創建 | 1338年(暦応元年) |
開山 | 不詳 (中興開山:源誉伝秀) |
開基 | 戸塚八郎衛門宗達 (中興開基:富塚善四郎) |
葉山町の天然記念物 大昌寺のモミジ
大昌寺は観光のお寺ではなく、たまに牛の鳴き声が聞こえてくる、のどかな山村に佇む静かなお寺です。
しかし、大昌寺の参道から境内には、モミジやイチョウなど、紅葉・黄葉する木がたくさんあり、晩秋になると華やかに色づきます。枝ぶりも見事な大昌寺のモミジは、葉山町の天然記念物に指定されている他、かながわトラストみどり財団・三浦半島地区推進協議会が選定した「かまくらと三浦半島の古木・名木50選」に選ばれています。
控えめながら、紅葉以外にもいろいろな種類の草花が植栽されています。やはり参道沿いや境内で、水仙が多く見られます。