「道寸祭り」は、流鏑馬、犬追物と並んで騎射三物と呼ばれる日本の伝統的な武芸の一つ「笠懸」を中心に催されるイベントです。会場となる荒井浜海岸は、戦国時代に活躍した武将・三浦道寸(義同)とその子・義意の居城だった新井城のすぐ下に位置する、相模三浦氏ゆかりの地です。
荒井浜海岸や新井城のある油壺は、相模三浦氏終焉の地でもあることから、例年、「三浦一族供養祭」も催されます。
相模三浦氏につながる、平安時代後期から鎌倉時代初期に三浦半島を本拠地に活躍した三浦義澄、和田義盛らも弓の名手として知られていて、笠懸は三浦一族のお家芸と言えるものでした。鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」にも、三浦・三崎の地で、源頼朝の前で義盛らが笠懸を披露したことが書かれています。
イベント内容
笠懸とは
「笠懸」とは、武者姿の射手が全速力で走る馬の上から的を射る伝統武芸です。同様の騎射の武芸として「流鏑馬」がありますが、「流鏑馬」は天下泰平、五穀豊穣、万民息災を祈念して的を射る神事として催されるのに対して、「笠懸」は高低差のある大小の的を射る、より実戦的で難易度も高い武芸とされています。
道寸祭りの笠懸は、大日本弓馬会・武田流により奉納されます。大日本弓馬会・武田流は、毎年春に鶴岡八幡宮で開催される鎌倉まつりの流鏑馬神事などにも奉納し、2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の撮影に協力するなど、鎌倉時代より800年以上続く馬術や弓術などの伝統を今に伝える流派です。
道寸祭り式次第
三浦一族供養祭
時間 11:00~
※雨天決行
笠懸
時間 11:45~
- 神事
- 矢代振
- 行軍
- 遠笠懸(大的)
- 小笠懸(小的)
- 射手・奉行(大日本弓馬会・武田流)
笠懸の魅力は、なんと言いましても、高低差のある大小の的を射る「遠笠懸(大的)」と「小笠懸(小的)」が見られる点です。とくに、「小笠懸(小的)」は、馬の足元に近くに置かれた的を射る、流鏑馬神事では見られない、非常に難易度が高い武芸です。
開催場所
道寸祭り会場の詳細
アクセス
公共交通機関
京急久里浜線「三崎口駅」より京急バス『油壺温泉』行きで終点下車、徒歩約7分
駐車場
近隣に有料駐車場あり
・三浦市油壺駐車場
・油壷I・Sパーキング