稲村ヶ崎の東側(坂ノ下、由比ヶ浜海岸方面)は、海に面した遊歩道になっています。また、稲村ヶ崎の東側から鎌倉海浜公園坂ノ下地区までのおよそ1kmほどの間は歩道が広めに設けられていて、稲村ヶ崎東側遊歩道の他にも何ヶ所か歩道から独立した遊歩道があります。
鎌倉を代表する景勝地の一つである稲村ケ崎公園(鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区)が稲村ヶ崎の「表側」だとすると、稲村ヶ崎東側遊歩道は「裏側」にあたるような場所です。
ランニングやウォーキングで利用する人の姿がチラホラ見られますが、観光客が途切れることのない稲村ケ崎公園とは大きく違い、普段は訪れる人も多くありません。
INDEX
相模湾では景勝地とは言えない正式な名称すらない場所
もちろんそれには理由があります。
稲村ヶ崎東側遊歩道は南に向かって開けているため、相模湾東岸の景色に特有の富士山や江の島といった定番ランドマークを望むことができません。人気ビュースポットが多い相模湾沿いの他の場所に比べると、景勝地とは言い難いことが一番大きな理由でしょう。
また、最寄り駅から離れていることやバスの便がないため、アクセスが良い場所とは言えません。稲村ケ崎公園とは、稲村ヶ崎の切通を挟んで、徒歩2~3分ほどで行き来できる場所ではありますが、江ノ電「稲村ヶ崎駅」から徒歩5分ほどと駅近な稲村ケ崎公園に比べると、この差が数字以上に大きく感じられます。
これらに加えて、もう一つ挙げるとすれば、知名度のなさ(正式な名称すらない場所)でしょうか。
鎌倉時代末期に新田義貞の軍勢が攻め込んだ海岸
稲村ヶ崎東側遊歩道から海岸に降りることはできませんが、鎌倉幕府滅亡の決定打となった戦いで、引き潮に乗じて新田義貞の軍勢が歩いたとされる、稲村ヶ崎先端の海岸を見渡すことができます。(古い階段が残っていますが、立入禁止です)
三浦半島西海岸で開催される花火観賞の穴場スポット
稲村ヶ崎東側遊歩道は、花火大会観賞の穴場スポットでもあります。
鎌倉花火大会は、打ち上げ場所の目の前にあたる由比ヶ浜海岸・材木座海岸と比べると多少距離が離れることと、正面ではなくやや横目に見る形になります。花火大会の帰りは、江ノ電「稲村ヶ崎駅」を利用すれば、満員で電車に乗り切れないということもないでしょう。
また、逗子海岸花火大会や葉山海岸花火大会も、打ち上げ場所から距離があるため見られる花火はそれなりの大きさになりますが、ゆったりと花火観賞をたのしめます。