カスヤの森現代美術館は、現代美術作家の若江漢字氏と美術館の館長を務める若江栄戽氏ご夫妻が、二人の出身地である横須賀で運営する、私設の現代美術館です。
近隣には、それぞれ2003年と2007年に開館した神奈川県立近代美術館 葉山館や横須賀美術館といった公立の美術館がありますが、カスヤの森現代美術館はこれらよりも10年ほど早い1994年に開館しました。三浦半島で現代美術を気軽に鑑賞できる場所としては、先駆け的な存在と言えます。
カスヤの森現代美術館では、年間4~5回開催される企画展のほか、ドイツを代表する現代美術作家の一人・ヨーゼフ・ボイスのコレクションをはじめ、ナム・ジュン・パイク、李禹煥、宮脇愛子、松澤宥、そして、もちろん創設者である若江漢字などのコレクションを常設展示しています。
カスヤの森現代美術館は、昔から残る植生を活かした緑豊かな森の中にあります。周囲は宅地化が進んでいますが、美術館の周囲だけ見事に自然が残されています。
※このページ下部の地図で、右上のレイヤーボタンから各年代ごとの空中写真を切り替えていただくと、周囲の変遷が分かります。(ただし、戦後すぐの1945年~1950年の空中写真はこの地域の史料がないのと、最新の空中写真以外は最大倍率で見ることはできません)
この緑豊かな「カスヤの森」には、美術館のエントランスホール裏から小径がめぐらされていて、散策できるようになっています。青々とした竹林のほか、初夏には色とりどりのあじさいをたのしむことができます。

INDEX
作家それぞれの個性が分かりやすい常設展示

カスヤの森現代美術館の展示室は、本館の第1展示室、第2展示室と、別棟にそれぞれ個別の出入口が設けられた、Room1~3の3つの部屋からなります。細かく部屋が分かれていることで、それぞれの作家の個性が分かりやすい展示になっています。
ヨーゼフ・ボイス コレクション

主に企画展などで利用される第1展示室の中二階には、ヨーゼフ・ボイスのコレクションが展示されています。そのなかには、館長がこの美術館を開館するきっかけとして挙げる「黒板消し/Noiseless Blackboard Eraser」も含まれています。
Room1 松澤宥展示室
Room1は松澤宥の展示室になっていて、文字を使った作品などを展示しています。

Room2 若江漢字展示室
Room2は若江漢字の展示室です。写真を使用した作品や立体作品を展示しています。

Room3 ナム・ジュン・パイク/李禹煥展示室
Room3は、入ってすぐに室内で2つの部屋に分かれていて、ナム・ジュン・パイクと李禹煥(リー・ウーファン)の展示室になっています。


裏庭の竹林と緑豊かな自然を活かした屋外展示

カスヤの森現代美術館の裏庭へはエントランスホールから出られるようになっています。別棟のRoom1~3へも同じ扉から向かいます。
竹林を中心とした裏庭にも、常設の屋外展示があります。企画展によっては連動した展示がなされる場合もあります。



](https://miurahantou.jp/wp-content/uploads/2026/06/e985e948ac6a4604c046ee7ecb25e30a-1200x800.jpg)

裏庭の最奥には、稲荷宮が祀られています。昭和56年に粕谷氏によって献納された記録が刻まれているため、カスヤの森現代美術館の開館よりずっと前から祀られていた祠であることが分かります。


屋外展示とのコラボもたのしいカスヤの森現代美術館のあじさい

カスヤの森現代美術館の裏庭は、あじさいの名所でもあります。八重咲きのガクアジサイなどめずらしい品種も多く見られ、初夏にはあじさい鑑賞を目的に訪れるのもおすすめです(入館料は必要です)。
屋外展示とのコラボをたのしめるのも、カスヤの森現代美術館のあじさいの魅力です。


美しい裏庭を借景にしたラウンジ

エントランスホールのすぐお隣りには、美しい裏庭を借景にコーヒーなどをたのしめるラウンジがあります。ラウンジの室内にも、ところ狭しとコレクションが展示されています。
ラウンジの一角には、グッズ販売コーナーもあります。


建築や景観の評価も高い森のなかの美術館

カスヤの森現代美術館は、建築としても魅力的で、公益社団法人 日本建築家協会が「25年以上の長きにわたり、建築の存在価値を発揮し、美しく維持され、地域社会に貢献してきた建築」を登録・顕彰している建築賞「JIA 25年建築選(2024年度)」に選ばれています。
また、2009年度には、洋風の建物と緑豊かな自然環境の融合が見事な個人美術館としての活動が評価され、「第3回国際海の手文化都市よこすか景観賞」を景観デザイン部門で受賞しています。





カスヤの森現代美術館周辺の見どころ




カスヤの森現代美術館関連の特集記事
