堀ノ内駅は、横須賀市東部にある、京急本線と京急久里浜線の分岐駅です。京急の前身の一つである湘南電鉄が黄金町駅~浦賀駅間を開通させた翌年の1931年(昭和6年)4月1日、「横須賀堀内駅」として開業しました。当時は仮駅としての扱いで、正式な駅に昇格したのは1936年(昭和11年)です。現在の「堀ノ内駅」に改称されたのは、1961年(昭和36年)のことです。
堀ノ内駅前のバス停は「堀内駅」という表記ですが、これは、「横須賀堀内駅」時代の名残りと言えるでしょう。「堀ノ内」も「堀内」も、どちらも読み方は同じで、「ほりのうち」です。
「堀内/堀ノ内」とは、このあたりにあった地名(字名)で、現在は横須賀市三春町の一部になっています。
「堀内/堀ノ内」は、中世の館跡などにみられる地名で、三浦半島では他にも、葉山(森戸神社や森戸海岸などがある旧堀内村)や逗子(久木や沼間の古い地名・屋号)にあります。
京急バスに「堀内」というバス停がありますが、駅前のバス停「堀内駅」とは離れた場所にありますので、ご注意ください。「堀内」バス停は、堀ノ内駅から徒歩5分ほどの場所の、国道134号沿い(大津交差点と国道16号に接続する三春町二丁目交差点の間)にあります。このすぐそばには、2022年まで京急バスの堀内営業所(車庫)がありましたが、数台停められる小さな車庫を残して、現在は閉鎖されています。
三浦半島ではめずらしい、鉄道駅と商業施設を結ぶ無料送迎バス「LIVINよこすか店送迎バス」は、堀ノ内駅前から出ています(京急大津駅と馬堀海岸駅それぞれの駅近くからも出ています)。

今の京急久里浜線が久里浜駅(現在の京急久里浜駅)まで開通して、堀ノ内駅が分岐駅となったのは、戦時中の1942年(昭和17年)のことです。地形によくなじんだ今ではそのような雰囲気は感じられませんが、当初は浦賀駅から久里浜方面に延伸する計画であったため、急きょ分岐駅になることが決まりました。そのため、当初から駅の位置を浦賀方面に180mほど移動し、久里浜線用のホームを設けて、久里浜線の開通に対応しました。この時点では今の京急本線と直通運転はしておらず、久里浜線内は単線の折り返し運用でした。
現在は、快特や特急などの優等種別の電車のほとんどは、堀ノ内駅から、浦賀方面の京急本線ではなく、久里浜・三崎口方面の京急久里浜線に直通していて、浦賀方面のほうが支線扱いとなっています。
この京急久里浜線は、1954年(昭和29年)に、日本の鉄道ではじめてCTC(列車集中制御装置)が導入された線区です。当時の堀ノ内駅の信号扱所にCTC制御装置を設けて、久里浜線の列車集中制御を開始しました。これにより、各駅で行っていた信号や分岐器の操作が、堀ノ内駅一箇所で対応可能になりました。現在では標準的なシステムとして全国の鉄道で導入されていますが、その先駆けとなるものでした。
その後、1965年(昭和40年)に、堀ノ内駅のCTC制御装置は久里浜工場信号所に移設されて、現在、京急では京急久里浜駅~三崎口駅間で運用しています。
