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来迎寺(西御門)| 旧報恩寺本尊や「鎌倉でもっとも美しい仏像」を安置する時宗の古刹

来迎寺(西御門)(撮影日:2024.02.02) 鎌倉
来迎寺(西御門)(撮影日:2024.02.02)

鎌倉・西御門来迎寺は、鎌倉時代後期の1293年(永仁元年)に発生した鎌倉大地震で亡くなった村民を供養するため、一向上人によって創建されたと伝わる、時宗の寺院です。

本尊の阿弥陀如来鎌倉十三仏霊場第10番)の他、客仏として、如意輪観音半跏像神奈川県指定重要文化財鎌倉三十三観音霊場第5番)、地蔵菩薩坐像神奈川県指定重要文化財鎌倉二十四地蔵霊場第2番)、跋陀婆羅尊者立像鎌倉市指定文化財)を安置しています。
これらの拝観は完全予約制(拝観志納料:500円)となっています。

山号満光山
宗派時宗
寺格
本尊阿弥陀如来
創建1293年(永仁元年)
開山一向
開基

客仏三体はいずれも、以前は源頼朝法華堂(現在の白旗神社源頼朝の墓)に安置されていたもので、明治維新後の神仏分離令(廃仏毀釈)により、来迎寺に移されました。しかしこれらも、はじめから源頼朝法華堂に安置されていたわけではなく、もとは別の場所に祀られていました。

来迎寺(西御門)・山門(撮影日:2024.02.02)
来迎寺(西御門)・山門(撮影日:2024.02.02)
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来迎寺のみ残った西御門の寺院の栄枯盛衰

来迎寺(西御門)・寺務所(撮影日:2024.02.02)
来迎寺(西御門)・寺務所(撮影日:2024.02.02)

来迎寺のある西御門にしみかどという地名は、その名前が示す通り、鎌倉幕府の大倉御所西門があったことに由来します。明治中期に周辺の村と合併して東鎌倉村になるまでは、鎌倉郡西御門村という独立した村でした。

以下のように、西御門には多くの寺院やお堂が存在していましたが、現存するのは来迎寺のみです。

源頼朝法華堂源頼朝の廟所。前身は源頼朝の持仏堂。
現在は、源頼朝の墓の下に、白旗神社が建つ。
太平寺鎌倉時代後期以前に創建された、鎌倉尼五山第一位の禅宗の尼寺。
本尊は東慶寺に、仏殿は円覚寺・塔頭の正続院に舎利殿として残る。
来迎寺の北側が寺地。
高松寺江戸時代前期、太平寺跡に建立された法華宗(日蓮宗)の尼寺。
昭和初期に宮城県に移転。
報恩寺南北朝時代に、関東管領・上杉能憲が義堂を開山として開いた禅宗寺院。
現在の鎌倉市立第二中学校が寺地。
保寿院南北朝時代に創建された、関東公方・足利基氏の母・清江禅尼の菩提寺。
現在の横浜国立大学教育学部附属鎌倉中学校の北側が寺地と推定。
西御門に存在した寺院・お堂(現存する来迎寺は除く)

このうち、太平寺報恩寺保寿院は、江戸時代前期に成立した「新編鎌倉志」の時点で、すでに廃寺として記録されています。
来迎寺を含め、ほとんどが鎌倉時代後期以降に創建された寺院で、室町幕府の鎌倉府が置かれた時期が最盛期だったとみられます。その後、鎌倉の都市としての機能が衰えていくと、寺の存続も難しくなっていったものと考えられます。

鎌倉には「来迎寺」という名前の寺院が、西御門の他に、材木座にもあります。材木座の来迎寺は、鎌倉幕府の創設に尽力した三浦大介義明の霊を弔うために源頼朝が建立したという由緒を持つ寺院で、こちらも頼朝にゆかりがあります。
なお、西御門は、三浦大介義明の孫にあたる三浦義村の屋敷があった場所でもあります。

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バリエーション豊かな中世の鎌倉ならではの仏像

来迎寺(西御門)・本堂(撮影日:2024.02.02)
来迎寺(西御門)・本堂(撮影日:2024.02.02)

土紋で装飾された「鎌倉でもっとも美しい仏像」

来迎寺如意輪観音半跏像神奈川県指定重要文化財鎌倉三十三観音霊場第5番)は、「鎌倉でもっとも美しい仏像」と称されることがある仏像です。「土紋」と呼ばれる、土や漆で型抜きした花などの装飾を貼り付けて仏像を立体的に表現した、中世の鎌倉の仏像にのみ見られる装飾技法が用いられています。土紋を用いた仏像は、浄光明寺阿弥陀如来像東慶寺聖観音像など、数点しか現存しないとても貴重なものです。

この如意輪観音半跏像は、江戸時代までは、源頼朝法華堂の本尊として安置されていました。
江戸時代後期に成立した地誌「新編相模国風土記稿」によれば、もとは村内の如意輪堂にあったものを、お堂が壊れた後、法華堂に移されたと記録されています。
また、奈良時代に鎌倉を治めていた染屋太郎時忠(染谷太郎時忠)の娘の遺骨が納めてあるとか、石山寺より仏舎利5粒を納めたが今は分身して3合ばかりになったなどという伝説も伝えられています。

山内上杉家ゆかりの禅寺・報恩寺から伝わる仏像

地蔵菩薩坐像神奈川県指定重要文化財鎌倉二十四地蔵霊場第2番)と跋陀婆羅尊者立像鎌倉市指定文化財)は、報恩寺の廃寺により源頼朝法華堂に移され、さらに明治維新後、来迎寺に移されたものです。

このうち地蔵菩薩坐像は、報恩寺の本尊だったもので、絵仏師の流派として著名な宅間派の仏師とみられる宅間掃部法眼浄宏が、関東管領・上杉能憲のために造立したものであることが、胎内の書付より判明しています。

跋陀婆羅尊者は入浴中に悟りを開いた菩薩で、来迎寺跋陀婆羅尊者立像は頭・目・肩・腰・脚の病気の治癒にご利益があるとされています。

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来迎寺(西御門)境内の季節の花々

来迎寺(西御門)・梅(撮影日:2024.02.02)
来迎寺(西御門)・梅(撮影日:2024.02.02)
来迎寺(西御門)・水仙(撮影日:2024.02.02)
来迎寺(西御門)・水仙(撮影日:2024.02.02)
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来迎寺(西御門)周辺の見どころ

西御門・雪ノ下方面

天園ハイキングコース・山ノ内方面

西御門を鎌倉市街とは反対側の山の方へ進んで行くと、回春院奥やぐら群朱垂木やぐら群を経由して、天園ハイキングコースの尾根道に出ることができます。

DATA

住所 鎌倉市西御門1-11-1
アクセス
行き方

JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「鎌倉霊園正面前太刀洗」行き、「金沢八景駅」行き、「ハイランド」行き、「鎌倉宮(大塔宮) 」行きで『大学前』下車徒歩約10分
または、JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約25分

営業時間

※拝観可能日は公式サイトで発表されます。

料金

無料(志納)
※本堂拝観は完全予約制 拝観志納料:500円

電話番号 0467-24-3476
ウェブサイト https://n-raikoji.jp/
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