仙元山は、葉山の富士信仰(富士講・浅間講)の修行の場となっていた山です。現在は、葉山のまちと海を見渡せる絶景スポットとして親しまれています。
森戸大明神(森戸神社)の沖合に浮かぶ、葉山灯台(裕次郎灯台)や赤い鳥居が建つ名島(菜島)はもちろんのこと、晴れた冬の日など気象条件が良ければ、富士山や箱根、伊豆半島の山々まで見渡せます。
仙元山周辺は、葉山町によって「仙元山ハイキングコース」が整備されていて、自然の中で気軽に全長約3km、1時間半~2時間ほどの散策ができます。「気軽に」とは言いましても、アップダウンはそれなりにありますので、ハイキングやトレッキング用の靴は必要です。
「仙元山ハイキングコース」で散策できるエリアは、「仙元山の森」として「かながわの美林50選」に選ばれています。
INDEX
仙元山山頂は葉山を代表する絶景スポット
仙元山は標高118mと低山ながら、海に近いこともあり、相模湾の絶景を楽しめます。
仙元山は、三浦半島の付け根部分を横断している三浦アルプス(二子山山系)の西端に位置しています。
三浦アルプスは都会に近い割に多くの自然が残っている貴重なエリアですが、内陸を歩く区間が多く、標高の低いため、全般的に眺望はあまりよくありません。そのいちばん西の端に位置している仙元山は、もっとも眺望が良いピークの一つです。
仙元山は富士山信仰の山
仙元山の山頂には、「食行身禄 不二仙元大菩薩」と刻まれた石碑が建っています。食行身禄とは、富士信仰(富士講・浅間講)の指導者で、江戸時代にこの信仰を広めた行者です。この石碑にも「文政9年」と刻まれていて、江戸時代に建立されたものであることが分かります。
実際に富士山に登らなくても富士登山の功徳が得られるとされた富士信仰の場は、富士山を見渡せるような場所を中心に各地に見られます。
三浦半島では、この仙元山の他に、三浦半島南部の三浦富士が知られています。
仙元山山頂へのルート
仙元山は「仙元山ハイキングコース」を楽しめる他、三浦アルプス(二子山山系)を横断したり周回する際の一部としても楽しめます。山頂広場には公衆トイレがありますので、中継地点としても貴重な場所です。
D | 大和ハウス設置標識 |
葉 | 葉山町消防設置標識 |
風早橋から葉山教会経由
仙元山山頂までのもっともポピュラーな行き方は、風早橋バス停を起点にして、木ノ下交差点から葉山教会を経由して登るルートです。登り口の葉山教会へ向かう激坂が、一番の難所かもしれません。
このルートは、「仙元山ハイキングコース」を時計回り(右回り)に進みます。
起終点 | ルート【標識名】 | 所要時間の目安 |
---|---|---|
風早橋 | 風早橋バス停→木ノ下交差点→葉山教会【葉15】→仙元山山頂【葉14】 | 約20分 |
葉山小学校・花の木公園からソッカ経由
一方、「仙元山ハイキングコース」を反時計回り(左回り)に進むと、途中で長者ヶ崎方面や鎌倉方面の眺望が良いソッカを経由します。ソッカ山頂へは【葉12】の標識がある分岐を少しだけわき道に外れます。
また、起点となる花の木公園には公衆トイレがありますので、計画的に使いたい場所です。
起終点 | ルート【標識名】 | 所要時間の目安 |
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葉山小学校・花の木公園 | 葉山小学校バス停→花の木公園→実教寺【葉8】→【葉10】→【葉12】(→ソッカ山頂→【葉12】)→仙元山山頂【葉14】 | 約60分 |
三浦アルプス(二子山山系)東側から南尾根経由
三浦アルプス(二子山山系)を東側(東京湾側)から、南尾根を横断して葉山方面に抜けようと考える場合、仙元山を経由するコースは一つの選択肢になります。途中の観音塚【D19/葉16】とソッカ【葉12】の間【葉10】から花の木公園方面に抜けることもできますが、最後に眺望の良い仙元山まで足を延ばすのがオススメです。
起終点 | ルート【標識名】 | 所要時間の目安 |
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乳頭山(矢落山)方面(三浦アルプス南尾根経由) | 乳頭山(矢落山)山頂→三国峠【D8】~南尾根~観音塚【D19/葉16】→【葉10】→【葉12】(→ソッカ山頂→【葉12】)→仙元山山頂【葉14】 | 約2時間25分 |