津久井浜海岸は、京急久里浜線津久井浜駅が最寄りの海岸で、北下浦漁港付近から三浦海岸までの、横須賀市の東京湾側の海岸です。北側は野比海岸、長沢海岸とつながっています。
岸に並行な風(サイドショア)が吹くことが多い津久井浜海岸は、ウインドサーフィンに適した環境として知られています。
2024年海水浴場 | × 津久井浜海岸(北下浦海岸)は海水浴場ではありません |
2024年海の家開設 | × |
公衆トイレ | ○ |
駐車場 | ○ ウインドサーフィンW杯記念駐車場 (旧称:下浦海岸第3駐車場) |
このあたりの海岸は岬などで明確に分かれているわけでもなく、漁港などを除いてほぼ連続した砂浜が続いているため、いろいろな呼び方をされています。町名や駅名にそって「津久井浜」などと呼ばれたり、横須賀市の行政区域である「北下浦」という名称が使われたりします。
「北下浦」のもっとも南側に位置する津久井浜海岸は、さらに南の海岸である三浦海岸と一体的に広義の「三浦海岸」として捉えられることも多いですが、津久井浜海岸は横須賀市で三浦海岸は三浦市のため、市境で名称も区切られています。
INDEX
津久井浜は海のアクティビティのメッカ
津久井浜海岸はかつて海水浴場が開かれていましたが、近年は開設されていません。
現在の津久井浜海岸はウインドサーフィンのW杯(ワールドカップ)が開かれるなど、海でのアクティビティが定着してきています。
海岸線沿いにある下浦海岸第3駐車場も、ウインドサーフィンW杯記念駐車場という名称に変更されて、津久井浜は、地域をあげて「ウインドサーフィンのまち」としてアピールする取り組みをしています。
三浦海岸とは、単に行政区域の違い以上に、海の楽しみ方に違いが出てきています。
例年夏は、三浦海岸は海の家が開設されて、海水浴場になりますが、津久井浜海岸は海水浴場とはなりません。
三浦海岸でも海水浴場シーズン以外にマリンアクティビティをすることは可能ですが、津久井浜海岸のほうが、より競技寄りで、本格的なスポーツとしてたのしむ人たちが集まります。
海での営みに重要だった津久井浜海岸の背後の山々
その地名からは海のまちのイメージが強い津久井浜(町名は「横須賀市津久井」)ですが、津久井浜駅から海とは反対側の山の方に向かえば、三浦半島南部特有のゆるやかな台地が広がっています。みかんやいちごなどが特産で、観光農園が人気の他、農家さんの直売所も点在しています。
この台地のさらに奥には、三浦富士、砲台山、武山が連なっています。いずれも標高200m前後の低山ですが、まわりに高い山がないため、東京湾や相模湾の眺望が素晴らしい絶景スポットが少なくなく、三浦半島でも人気のハイキングコースの一つになっています。山頂に浅間神社奥宮がある富士信仰の山、旧日本海軍の防空砲台(高角砲台)跡の戦争遺跡が残る山、山頂の武山不動院とつつじが名所となっている山といったように、低山ながら個性豊かな山がそろっているのも特徴です。
なお、三浦富士の山頂にある浅間神社の里宮は、津久井浜駅のすぐ隣りに建っています、
灯台や通信が発達する以前は、津久井浜海岸の目の前の東京湾を航行する船や漁業を営む人たちにとって、これらの山々は重要な目印になっていました。
ウインドサーフィンの競技中に山を目印にすることはないと思いますが、練習や休憩中などに沖から陸を望んだ際に、三浦富士、砲台山、武山などの津久井浜海岸の背後の山々は、古の船乗りたちが目にした姿と変わらない姿を見せてくれているはずです。