スポンサーリンク

十二所神社(鎌倉)|「波にうさぎ」「波兎」の意匠が見られる鎌倉最東端のウサギ神社

十二所神社(鎌倉)(撮影日:2019.02.26) 鎌倉
十二所神社(鎌倉)(撮影日:2019.02.26)

十二所神社じゅうにそじんじゃは、鎌倉時代中期に創建された、鎌倉・十二所の鎮守です。古くは熊野十二所の社として光触寺の境内にありましたが、1838年(天保9年)に現在地に再建されました。十二所権現社などと呼ばれていましたが、明治維新によって十二所神社と改称されました。
十二所」(かつての鎌倉郡十二所村)という地名は、十二所神社に由来します。

熊野権現を祀ったのが十二所神社のはじまりと考えられますが、この辺りには、朝夷奈切通の山中にも源頼朝が創建したと伝わる熊野神社(横浜市金沢区朝比奈町)が鎮座しています。
朝夷奈切通周辺は、熊野神の信仰が強い地域だったのかもしれません。

なお、1182年(寿永元年)、北条政子の安産祈願のために三浦一族佐原義連が派遣された「三浦十二天」は、横須賀市芦名にある十二所神社のことです。

主祭神天神七柱
地神五柱
旧社格等村社
創建1278年
(弘安元年)
祭礼9月第1日曜日 例大祭
十二所神社(鎌倉)・本殿の扁額(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・本殿の扁額(撮影日:2023.05.31)
スポンサーリンク

鎌倉最東端に鎮座する神社

十二所神社(鎌倉)・境内より金沢街道方面を望む(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・境内より金沢街道方面を望む(撮影日:2023.05.31)

十二所は、鎌倉市のもっとも東側に位置しています。さらに東へ進んで、朝夷奈切通の峠を越えると、東京湾側の横浜市です。横浜市側の六浦は、かつて、貿易港や塩田として栄えたまちで、この東西を貫くルートは重要な道でした。
それは、源頼朝が鎌倉入りした平安時代末期から鎌倉時代初期には、梶原景時上総広常といった有力御家人が、御所から離れたこの辺りに屋敷を構えていたことからも分かります。

1956年(昭和31年)に、朝夷奈切通のバイパスとして県道204号(金沢街道)が開通しますが、それまでは、朝夷奈切通を通るルートが、鎌倉と六浦方面の、三浦半島北部を東西に結ぶ幹線道路でした。

十二所神社光触寺は、朝夷奈切通の鎌倉側の入口に位置していますが、県道が完成する前も、この周辺が峠を越える最後の集落だったと考えられ、十二所神社には、旅の安全を祈願する参拝者も立ち寄っていたことでしょう。

十二所神社(鎌倉)・十二所神社バス停付近から見た境内と鎮守の杜(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・十二所神社バス停付近から見た境内と鎮守の杜(撮影日:2023.05.31)
スポンサーリンク

縁結びの使者や繁栄の象徴とされる波に乗ったウサギ

十二所神社(鎌倉)・本殿軒下のウサギの彫刻(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・本殿軒下のウサギの彫刻(撮影日:2023.05.31)

十二所神社本殿の軒下には、波に乗ったウサギの彫刻が掘られています。うさぎは縁結びの使者であるとともに、多産であることから繁栄の象徴ともされています。
波にうさぎ」「波兎」といった意匠は、水面に映し出された満月が風でたゆたう様子を、ウサギが波乗りをしている姿にたとえたものとも言われています。

十二所神社(鎌倉)・本殿(撮影日:2019.02.26)
十二所神社(鎌倉)・本殿(撮影日:2019.02.26)
スポンサーリンク

十二所神社の境内社

山の神

十二所神社(鎌倉)・山の神(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・山の神(撮影日:2023.05.31)

疱瘡神&宇佐八幡

十二所神社(鎌倉)・疱瘡神(左)と宇佐八幡(右)(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・疱瘡神(左)と宇佐八幡(右)(撮影日:2023.05.31)

地主神

十二所神社(鎌倉)・地主神(撮影日:2023.05.31)
十二所神社(鎌倉)・地主神(撮影日:2023.05.31)
スポンサーリンク

十二所神社周辺の見どころ

大江稲荷
大江稲荷は、鎌倉幕府の政所まんどころの初代別当(長官)として源頼朝を支えた側近の一人・大江広元おおえ の ひろもとを祀る社です。大江広元はこの近くに屋敷を構えていたとされています。また、大江稲荷...
明王院
明王院みょうおういんは、鎌倉幕府第4代将軍・藤原頼経ふじわらのよりつね(九条頼経)によって、幕府の鬼門にあたる十二所に建立された寺院です。鎌倉幕府の将軍(鎌倉殿)が発願した寺院としては、鎌倉に現...
梶原太刀洗水
梶原太刀洗たちあらい水は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武将・梶原景時かじわら かげときが、同じく平安時代末期から鎌倉時代前夜にかけて活躍した武将・上総広常かずさ ひろつねを討った後に...
朝夷奈切通(朝比奈切通し)
朝夷奈切通あさいなきりどおしは、鎌倉の中心部と、中世以降東京湾に面した鎌倉の外港(貿易港)として栄えた六浦方面(現在の横浜市金沢区)を結ぶ古道で、現在の鎌倉市と横浜市の市境にあります。現在の地名であ...
十二所果樹園
十二所果樹園じゅうにそかじゅえんは、約400本の梅の木が植えられている、鎌倉最大の梅林です。そのほとんどが白梅で、白梅の名所として知られています。見ごろは、例年、2月下旬から3月中旬です。寺社を中心...

▼うさぎ神社以外の鎌倉のパワースポットはこちら▼

【2023 No.2】特集 | 鎌倉&横浜金沢のパワースポット

DATA

住所 鎌倉市十二所285
アクセス
行き方

●鎌倉駅からバス利用の場合
JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「鎌倉霊園正面前太刀洗」行き、「金沢八景駅」行きで『十二所神社』下車徒歩約1分

●金沢八景駅からバス利用の場合
京急線・金沢シーサイドライン「金沢八景駅」より京急バス「鎌倉駅」行きで、『十二所神社』下車徒歩約1分

駐車場 なし
料金

無料(志納)

電話番号 0467-22-3347 ※八雲神社(管理元神社)
ウェブサイト https://www.kanagawa-jinja.or.jp/search_dtl.php4?jid=392&cd=1205005&scd=&npg=0
※このページに掲載している内容は、予告なく変更となっている場合があることをご了承ください。

error: 申し訳ありません。コピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました