スポンサーリンク

十二所神社(横須賀)| 北条政子の安産祈願所に選ばれた芦名の三浦十二天

十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿(撮影日:2024.03.03) 横須賀
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿(撮影日:2024.03.03)
三浦半島日和おすすめ記事

十二所神社じゅうにしょじんじゃは、明治初期まで「三浦十二天」や「十二天明神」と呼ばれていた、横須賀・芦名の鎮守です。
創建時期は不詳ですが、平安時代後期に三浦半島を治めていた三浦一族の当主・三浦大介義明の弟・為清の館が芦名にあり、その鎮守として祀られたのが十二所神社だと伝えられています。

1182年(寿永元年)には、源頼朝によって北条政子安産祈願のために、伊豆山権現伊豆山神社)と箱根権現箱根神社)など10社へ使者が派遣されましたが、その中の1社に三浦十二天も選ばれて、三浦一族佐原義連が派遣されました。
この2日後、後の源頼家が無事産まれると、鶴岡八幡宮栗浜大明神(久里浜の住吉神社)などとともに、三浦十二天へも神馬が奉納されています。

主祭神天神七代(国常立尊から7世代の神)
地神五代(天照大神から5世代の神)
旧社格等
創建不詳(平安時代後期以前)
祭礼1月1日 歳旦祭
2月第3日曜日 祈年祭
11月12日 例祭「湯立神楽」
12月31日 除夜祭
※実際の日にちは年によって異なる場合があります
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿にかかる「十二天神社」の扁額(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿にかかる「十二天神社」の扁額(撮影日:2023.05.18)
スポンサーリンク

三浦半島を代表する神社だった三浦十二天

十二所神社(三浦十二天、横須賀)(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)(撮影日:2023.05.18)

北条政子安産祈願では、鎌倉周辺の国を代表する神社(たとえば、現在の寒川神社にあたる相模国の相摸一宮や現在の玉前神社にあたる上総国の上総一宮など)へ使者が派遣さていることから、当時の十二所神社三浦十二天)は三浦半島を代表する重要な神社の一つだったことがうかがい知れます。

十二所神社のすぐ下には、弘法大師が焚いた護摩の灰から作ったと伝えられる帯解子安地蔵が祀られています。このお地蔵様への参詣が北条政子安産祈願の目的だったとも考えられます。

スポンサーリンク

参道の正面から外れて配された社殿

十二所神社(三浦十二天、横須賀)・芦名漁港に面して建つ石柱(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・芦名漁港に面して建つ石柱(撮影日:2023.05.18)

十二所神社の参道は、相模湾に面した芦名漁港(佐島漁港芦名地区)近くの芦名海岸から続いています。鳥居をくぐって石段を登っていくと、社殿は正面ではなく、左側斜め前に鎮座しています。このような神社はたまに見かけますが、もちろんそれぞれに理由があってのことでしょう。
十二所神社の場合は、蘆名氏芦名氏)を名乗った為清の館の鎮守として創建されたということから、この館を正面に見るように配されたということが考えられそうです。あるいは、夏至の日に社殿の後ろに太陽が沈んでいくことから、太陽信仰にもとづいているということも考えられます。

十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿前より鳥居方面を望む(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿前より鳥居方面を望む(撮影日:2023.05.18)
スポンサーリンク

十二所神社の見どころ

十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・本殿(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・神輿庫(撮影日:2024.03.03)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・神輿庫(撮影日:2024.03.03)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・祠(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・祠(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・一の鳥居前の庚申塔(撮影日:2023.05.18)
十二所神社(三浦十二天、横須賀)・一の鳥居前の庚申塔(撮影日:2023.05.18)
スポンサーリンク

十二所神社周辺の見どころ

芦名・佐島エリア

淡島神社
淡島神社あわしまじんじゃは、相模湾を望む芦名海岸沿いの高台に鎮座する、安産や縁結び、航海安全のご利益があるとされる神社です。ピンク色とも言えるような、淡い朱塗りの社殿が鎮守の杜のなかで映えていま...
芦名海岸
芦名海岸あしなかいがんは、三浦半島最高峰・大楠山の山麓から流れる芦名川が相模湾に注ぐ河口に位置する、小さな海岸です。両側をそれぞれ芦名漁港(佐島漁港芦名地区)と湘南サニーサイドマリーナに、正面を...
芦名城跡(芦名城址)
芦名城あしなじょうは、平安時代後期に三浦半島を治めていた三浦一族の当主・三浦大介義明の弟にあたる蘆名為清(芦名為清)の居城です。三浦半島の相模湾側の、ちょうど真ん中あたりに位置しています。いつどこに...
浄楽寺
浄楽寺じょうらくじは、三浦一族の和田義盛わだ よしもりが夫婦で願主となって製作された5体の運慶作の仏像を安置する寺院です。浄楽寺がある横須賀・芦名あしなは、幕府があった鎌倉と、和田義盛の本拠地で...
天神島臨海自然教育園&天神島ビジターセンター
横須賀市佐島にある天神島臨海自然教育園てんじんじま りんかいしぜんきょういくえんは、三浦半島の代表的な海岸の自然環境を保全する自然教育園です。天神島のハマオモト(ハマユウ)は自然分布の北限とされ、1...

秋谷エリア

子産石
子産石こうみいしは、横須賀西海岸の秋谷に伝わる、安産の神が宿ると敬われてきた石です。古来より、秋谷の久留和海岸には子を産み出す石があると伝わっていて、浜辺の丸い大小の石がそれらであるとされてきました...
秋谷海岸
秋谷海岸あきやかいがんは、相模湾を望む景勝地である立石公園に隣接した海岸です。年間を通して無料の県営立石駐車場に隣接していて車でのアクセスが良いため、海水浴場は開設されない海岸としては人気の高いビー...
立石公園
立石公園たていしこうえんは、横須賀の秋谷にある相模湾に面した公園です。「立石」とは波打ち際に立つ巨岩のことで、高さ約12m、周囲約30mあります。この「立石」は、「秋谷の立石」として「かながわの景勝...
秋谷神明社(秋谷神社)
秋谷神明社(秋谷神社)は、三浦半島西海岸でも有数の景勝地である秋谷海岸・立石海岸の内陸の高台に鎮座する古社です。境内の脇からは子安の里へ向かう古道が続いていて、さらにその先には、平成期に開発され...
正行院
正行院は、平安時代後期から鎌倉時代前期に活躍した三浦一族の武将・和田義盛が、妻である巴御前の菩提寺として建立したのがはじまりと伝えられています。はじめは秋谷の乗越海岸にありましたが、お十夜(十夜...

DATA

住所 横須賀市芦名1-21-26
アクセス
行き方

JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅(東口)」または京急逗子線「逗子・葉山駅(南口)」より、京急バス「長井」行き、「横須賀市民病院」行き、「大楠芦名口」行き、「佐島マリーナ入口」行きなどの長井・佐島方面行きにて『芦名』下車、徒歩約10分

駐車場 なし
料金

無料(志納)

電話番号 046-856-0707
※このページに掲載している内容は、予告なく変更となっている場合があることをご了承ください。

error: 申し訳ありません。コピーはできません。
タイトルとURLをコピーしました