川間ドック(シティ・マリーナ・ヴェラシス)| 渋沢栄一が造ったレンガ積みドライドック
川間ドック(住友重機械工業川間工場)は、当時、東京石川島造船所の取締役会長だった渋沢栄一の提案により1895年(明治28年)から建設が開始されたレンガ積みドライドックです。横須賀製鉄所(横須賀造船所)で技術を学んだ恒川柳作が設計を担当し、東京石川島造船所浦賀分工場として1898年(明治31年)から営業を開始しました。
近隣の浦賀船渠とのダンピングによって両社は経営を悪化させることとなり、1902年(明治35年)には浦賀船渠に買収されて、浦賀船渠の川間分工場となり、浦賀船渠1号ドックの通称「浦賀ドック」に対して、「川間ドック」と呼ばれるようになりました。
1984年(昭和59年)に工場が閉鎖された後は、跡地はマリーナ施設として再開発されています。
川間の名前の由来
川間とは、現在の横須賀市西浦賀にあった旧地名です。かつて、浦賀湾と久里浜湾は現在よりも内陸まで入り江が入り込んでいて、それが川のように見え、その間にある土地であることが「川間」という地名の由来と言われています。
川間には、江戸時代には浦賀奉行所が置かれていました。のちに、浦賀奉行所の跡地は住友重機械工業の川間社宅として利用され、2017年に社宅の建物が解体された後は横須賀市に寄付されています。
現在はマリーナ施設として利用
川間ドックは世界に4か所しかない(諸説あり)とされるレンガ積みドライドックの一つで、国内では同じ浦賀エリアにある浦賀ドックと川間ドックだけしかなく、貴重な近代化遺産です。
現在はシティ・マリーナ・ヴェラシスの一部として利用されていて、クルーザーの係留やダイビングの体験などに利用されています。
ドックのゲートは撤去されていて、常に海水が満たされた状態のため、レンガ積みドライドックとして内側を見ることはできません。そのため、レンガ積みドライドックの内側壁面の全体像を見たり底に降りることができるのは、日本国内では浦賀ドックだけです。
川間ドックの見学ツアー
川間ドックはシティ・マリーナ・ヴェラシスの一部となっているため、通常は関係者以外が近くで見学することはできません。ただし、イベント開催時に見学ツアーが開催されますので、間近で見学する機会もあります(例:「MEGURU Project 2023」)。
シティ・マリーナ・ヴェラシスのレストランやマリンショップは、一般利用が可能です。
川間ドック周辺の見どころ
DATA
住所 |
横須賀市西浦賀4-11-5 |
アクセス 行き方 |
京急線「浦賀駅」より京急バス「千代ヶ崎経由京急久里浜駅」行き
または京急久里浜線「京急久里浜駅」より京急バス「千代ヶ崎経由浦賀駅」行きで『燈明堂入口』下車徒歩約1分
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駐車場 |
あり(マリーナ利用者にはゲスト向けの第二駐車場あり) |
営業時間 |
<シティマリーナヴェラシス>
営業時間
8:00~18:00(4/29~9/22の土日祝 振替休日含む)
8:00~17:00(9/23、24、30、10/1)
9:00~17:00(上記以外)
定休日
火曜日(3~6月、7月(第4週目まで)、8月(第5週目のみ)、9~11月)
火・水曜日(11月~2月)
2/23、11/3、11/23は祝日のため営業となり、振替休日として2/25、11/4、11/25が定休日となります
※最新の情報は公式サイトをご覧ください。
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電話番号 |
046-844-2111(シティマリーナヴェラシス) |
ウェブサイト |
https://www.velasis.com/ |
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