子産石は、横須賀西海岸の秋谷に伝わる、安産の神が宿ると敬われてきた石です。古来より、秋谷の久留和海岸には子を産み出す石があると伝わっていて、浜辺の丸い大小の石がそれらであるとされてきました。
その象徴として、国道134号沿いの「子産石」バス停(葉山方面の上り車線側)付近に直径1mほどの丸い石が祀られています。この子産石を撫でた手で自分のおなかをさすると、子に恵まれるとか、安産になるといった言い伝えがあります。
江戸時代の地誌「三浦古尋録」によると、子産石は「曲輪子産石」として「秋谷立石」などとともに「三浦七石」の一つに選ばれています。
子産石のある秋谷の隣りの芦名には、源頼朝が北条政子の安産祈願のために使者を派遣して、後の源頼家が無事に産まれると神馬を奉納したと伝わる、十二所神社(三浦十二天)があります。十二所神社のすぐ近くには安産のご利益があるとされる帯解地蔵尊や淡島神社があり、この辺りは安産祈願のホットスポットと言えます。
十二所神社[芦名](三浦十二天)
十二所神社じゅうにしょじんじゃは、明治初期まで「三浦十二天」や「十二天明神」と呼ばれていた、横須賀・芦名の鎮守です。創建時期は不詳ですが、平安時代後期に三浦半島を治めていた三浦一族の当主・三浦大...
淡島神社
淡島神社あわしまじんじゃは、相模湾を望む芦名海岸沿いの高台に鎮座する、安産や縁結び、航海安全のご利益があるとされる神社です。ピンク色とも言えるような、淡い朱塗りの社殿が鎮守の杜のなかで映えていま...
子産石周辺の見どころ
「子産石」バス停(葉山方面の上り車線側)付近に祀られている大きな子産石の象徴の、国道134号を挟んだ向かい側には、秋谷の字・久留和の鎮守・熊野神社が鎮座しています。
南側の秋谷方面
秋谷の立石・立石海岸
「秋谷の立石あきやのたていし」は、相模湾に面した、富士山を望む絶景スポットです。江戸時代後期に活躍した浮世絵師、初代・歌川広重(安藤広重)による「相州三浦秋屋の里」に描かれたことで有名です。...
立石公園
立石公園たていしこうえんは、横須賀の秋谷にある相模湾に面した公園です。「立石」とは波打ち際に立つ巨岩のことで、高さ約12m、周囲約30mあります。この「立石」は、「秋谷の立石」として「かながわの景勝...
秋谷海岸
秋谷海岸あきやかいがんは、相模湾を望む景勝地である立石公園に隣接した海岸です。年間を通して無料の県営立石駐車場に隣接していて車でのアクセスが良いため、海水浴場は開設されない海岸としては人気の高いビー...
北側の長者ヶ崎方面
大崩海岸
明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家・泉鏡花の中編小説「草迷宮」は、以下の一節ではじまります。三浦の大崩壊おおくずれを、魔所だと云う。葉山一帯の海岸を屏風びょうぶで劃くぎった、桜山の裾...
長者ヶ崎・大浜海岸(長者ヶ崎・大浜海水浴場)
長者ヶ崎ちょうじゃがさきは横須賀市と葉山町の境にある、相模湾の岬です。富士山や江の島を望む風光明媚な場所として知られ、「かながわの景勝50選」に選ばれています。岬の付け根部分は長者ヶ崎駐車場になって...