浅間神社は、京急久里浜線の津久井浜駅横のすぐ隣りに鎮座する、旧津久井村の鎮守です。主祭神として木花咲耶姫命が祀られていて、縁結び・安産・子育ての守護神として、地域の人たちの信仰をあつめてきました。
浅間神社創建の由緒は、神社の社伝によると、奈良時代の天平年間(8世紀)、奈良の大仏の建立を指揮した行基が当地を訪れた際に、浅間山(三浦富士)の山頂に駿河国の浅間神社を勧請したのがはじまりだと伝えられています。
津久井浜駅隣りの浅間神社は、この三浦富士山頂に鎮座する浅間神社・奥宮に対する里宮にあたります。
主祭神 | 木花咲耶姫命 |
旧社格等 | 村社 |
創建 | 天平年間(8世紀) |
祭礼 | 1月1日 歳旦祭 3月8日 祈年祭 7月7日 例祭 7月8日 山頂祭 8月下旬 八雲祭 11月15日 新嘗祭 ※実際の日にちは異なる場合があります |
津久井浜駅のすぐ隣りに鎮座する駅近の 浅間神社里宮
奥宮が鎮座する場所は現在も変わりありませんが、里宮に当たる津久井浜駅隣りの浅間神社は、以前は三浦富士の参道(登山道)途中にあたる津久井村字富士ノ入にありました。
現在の場所に遷座したのは、1928年(昭和3年)のことです。京急久里浜線の津久井浜駅の開業によって、結果的に浅間神社は、駅近に鎮座する、遠方の人たちにとっても参拝しやすい神社になりました。
線路によって分断された浅間神社の参道
一方で、浅間神社は、津久井浜駅の開業によって、駅裏に追いやられた感があることも否定できません。
浅間神社境内から京急久里浜線のガードレール下をくぐった反対側の、津久井浜駅の駅前広場の一角には、いくつかの庚申塔と並んで「浅間神社」と刻まれた石碑が建っています。駅から海のほうへ少しだけ進んだ場所です。
津久井浜駅の開業は1966年(昭和41年)です。現在は廃止されていますが、京急久里浜線の開通前は東京湾沿いの海沿いに路線バスが走っていて、浦賀や久里浜方面と三崎方面を結んでいました。
遠方の人たちが浅間神社・奥宮(三浦富士)へ参拝する場合、このバス路線を使って海沿いの最寄りのバス停で降りて、浅間神社・里宮を経由して、内陸の登山道へ向かって行ったものと想像できます。
鉄道の開通によって、このかつての参道は線路で分断されてしまったということになります。(高架区間のためガードレールの下を通れますので、道としてはつながっています)
ただ、アクセスする手段が変わっても、津久井浜駅のすぐ隣りの里宮に参拝して、三浦富士山頂の奥宮に向かうというのが浅間神社の正式な参拝ルートであることは、今も変わりありません。
津久井浜駅から三浦富士方面へハイキングに向かう際には、浅間神社に参拝してから向かうと良いでしょう。
浅間神社(津久井)の境内社
1889年(明治22年)の町村制施行によって津久井村は長沢村および野比村と合併して北下浦村となり、津久井村は北下浦村字津久井になりました。
その後、1908年(明治41年)には、旧津久井村に鎮座していた八坂大神、御霊神社、日枝神社が、浅間神社に合祀されました。
現在の浅間神社の境内には、金毘羅神社と稲荷神社も祀られています。