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宝戒寺(萩の寺)| 義時以来の北条氏屋敷跡に建つ北条一族鎮魂の寺院

宝戒寺(萩の寺)(撮影日:2023.10.03) 鎌倉
宝戒寺(萩の寺)(撮影日:2023.10.03)

宝戒寺ほうかいじは、この地の近くにあった東勝寺(廃寺)で滅亡した北条一族の霊を弔うために、後醍醐天皇の命を受けた足利尊氏たかうじによって建立された寺院です。鎌倉幕府第2代執権・北条義時よしとき以来、北条得宗(嫡流)家が代々屋敷を構えていた場所に建てられました。

境内には、第14代執権・北条高時たかとき德崇大権現とくそうだいごんげんとして祀ったお堂や、北条一族東勝寺合戦の戦没者のための慰霊碑などがあり、北条一族の最期を静かに物語っています。

山号金龍山
宗派天台宗
寺格
本尊子育経読地蔵大菩薩
創建1336年(延元元年)
開山円観
開基後醍醐天皇

宝戒寺は、初秋に白萩(シロハギ)の繊細な花が境内を埋めつくす「萩の寺」として有名ですが、さまざまな品種が競うように咲き誇る初春のも見ごたえがあります。

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北条一族の霊を弔うために建てられた寺院

後醍醐天皇の呼びかけに応じて挙兵した新田義貞は、1333年(元弘3年)、大軍を率いて鎌倉を包囲し、鎌倉攻めを開始しました。幕府の防御網を稲村ヶ崎の海岸線から突破した義貞らは、北条高時北条一族とその家臣たちを高時の屋敷近くにあった一族の菩提寺である東勝寺まで追い詰めます。北条高時らはそこで自害し、北条一族はほぼ滅亡しました。(東勝寺合戦

戦の後、北条一族の霊を弔うため、後醍醐天皇の命を受けた足利尊氏によって、第2代執権・北条義時以来歴代の北条得宗家が屋敷を構えていた地に、宝戒寺が建立されました。

宝戒寺(萩の寺)・北条執権邸旧跡碑(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・北条執権邸旧跡碑(撮影日:2021.09.07)

以下のリンク先からその他の【北条義時ゆかりの地】もご覧ください

鎌倉幕府第2代執権・北条義時ゆかりの地
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宝戒寺は鎌倉随一の萩の寺

白萩

宝戒寺(萩の寺)・参道に咲くシロハギ(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・参道に咲くシロハギ(撮影日:2021.09.07)

宝戒寺は鎌倉随一の萩(ハギ)の寺として知られています。ちょうど本堂の前を囲むように植栽されていて、そのボリュームは圧巻です。白萩が多いですが、ピンク色のハギも見られます。
宝戒寺ハギの花は、例年お彼岸のころをピークに、夏から秋への移ろいとともにたのしめます。

宝戒寺(萩の寺)・境内に咲き乱れる萩の花(撮影日:2023.10.03)
宝戒寺(萩の寺)・境内に咲き乱れる萩の花(撮影日:2023.10.03)
宝戒寺(萩の寺)・シロハギ(アップ)(撮影日:2023.10.03)
宝戒寺(萩の寺)・シロハギ(アップ)(撮影日:2023.10.03)

宝戒寺の境内では、ハギが見ごろの季節に、白い彼岸花フヨウなど、白萩以外にも白い花を見られます。

白い彼岸花

宝戒寺(萩の寺)・白い彼岸花(撮影日:2023.10.03)
宝戒寺(萩の寺)・白い彼岸花(撮影日:2023.10.03)

フヨウ

宝戒寺(萩の寺)・フヨウ(撮影日:2023.10.03)
宝戒寺(萩の寺)・フヨウ(撮影日:2023.10.03)
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1本から紅と白の花が咲く木をはじめとした 梅の名所

宝戒寺(萩の寺)・1本の木から紅と白の花が咲く梅「思いの儘(おもいのまま)」(撮影日:2019.02.26)
宝戒寺(萩の寺)・1本の木から紅と白の花が咲く梅「思いの儘(おもいのまま)」(撮影日:2019.02.26)

宝戒寺萩(ハギ)の寺として親しまれていますが、梅の名所としても有名です。境内はそこまで広くありませんが、そこに所狭しと、個性豊かなさまざまな品種のが植えられているのが特徴です。

とくに、本堂の正面の、1本の木から紅と白の花が咲く品種「思いの儘(おもいのまま)」は、宝戒寺を代表する梅の木と言って良いでしょう。

また、宝戒寺の境内にはツバキも多く、が開花する時期にはツバキと梅の競演も見られます。

宝戒寺(萩の寺)・ツバキと白梅(撮影日:2023.03.03)
宝戒寺(萩の寺)・ツバキと白梅(撮影日:2023.03.03)
宝戒寺(萩の寺)・大聖歓喜天堂前で咲く紅白の梅(撮影日:2019.02.26)
宝戒寺(萩の寺)・大聖歓喜天堂前で咲く紅白の梅(撮影日:2019.02.26)
宝戒寺(萩の寺)・紅梅(撮影日:2023.03.03)
宝戒寺(萩の寺)・紅梅(撮影日:2023.03.03)
宝戒寺(萩の寺)・本堂脇に咲く枝垂れ梅(撮影日:2019.02.26)
宝戒寺(萩の寺)・本堂脇に咲く枝垂れ梅(撮影日:2019.02.26)

▼その他の鎌倉の梅の名所はこちら▼

【2024 No.4】特集 | 鎌倉梅の名所
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宝戒寺境内の見どころ

本堂

宝戒寺(萩の寺)・本堂(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・本堂(撮影日:2021.09.07)

本堂には本尊の子育経読地蔵大菩薩こそだてきょうよみじぞうだいぼさつ(鎌倉二十四地蔵尊 札所第一番)や毘沙門天びしゃもんてん(鎌倉江の島七福神)、仏母准胝観世音じゅんていかんぜおん(鎌倉三十三観音 札所第二番)などが安置されていて、自由に上がってお参りすることができます。(本堂内は撮影禁止)

德崇大権現堂

宝戒寺(萩の寺)・德崇大権現堂(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・德崇大権現堂(撮影日:2021.09.07)

鎌倉幕府第14代執権・北条高時德崇大権現とくそうだいごんげんとして祀ったお堂です。鎌倉幕府が滅亡した5月22日に、高時の鎮魂のため、権現堂の御神像を本堂に迎えて、「德崇大権現会とくそうだいごんげんえ大般若経転読会だいはんにゃきょうてんどくえ」が執り行われます。三蔵法師玄奘さんぞうほうしげんじょうがインドから持ち帰って翻訳した600巻にも及ぶ経典「大般若波羅蜜多経だいはんにゃはらみったきょう」を、舞うように流し読みされます。

聖德太子堂

宝戒寺(萩の寺)・聖德太子堂(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・聖德太子堂(撮影日:2021.09.07)

聖德太子を祀ったお堂です。毎年1月22日に、職人の技術向上、商売繁盛、家内安全を祈願する「聖德太子講」が執り行われます。

大聖歓喜天堂

宝戒寺(萩の寺)・大聖歓喜天堂(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・大聖歓喜天堂(撮影日:2021.09.07)

秘仏である大聖歓喜双身天王だいしょうかんぎそうじんてんのうを祀ったお堂です。毎年5月23日には、諸願成就を祈念する「大聖歓喜天供だいしょうかんぎてんく」が執り行われます。

宝篋印塔

宝戒寺(萩の寺)・宝篋印塔(撮影日:2021.09.07)
宝戒寺(萩の寺)・宝篋印塔(撮影日:2021.09.07)

1333年に滅亡した北条一族東勝寺合戦の戦没者を供養する慰霊塔です。

梵鐘

宝戒寺(萩の寺)・椿と梵鐘(撮影日:2019.02.26)
宝戒寺(萩の寺)・椿と梵鐘(撮影日:2019.02.26)

宝戒寺の梵鐘は、四季折々の花が咲く庭園のなかにあります。

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宝戒寺(萩の寺)周辺の見どころ

DATA

住所 鎌倉市小町3-5-22
アクセス
行き方

JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より徒歩約12分
または、JR横須賀線・湘南新宿ライン、江ノ電「鎌倉駅(東口)」より、京急バス「鎌倉霊園正面前太刀洗」行き、「金沢八景駅」行き、「ハイランド」行き、「鎌倉宮(大塔宮) 」行きで『大学前』下車徒歩約2分

駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
営業時間

<夏時間 4月〜9月>
開門9:30 閉門16:30

<冬時間 10月〜3月>
開門9:30 閉門16:00

料金

<拝観料>
大人(高校生以上)300円
中学生200円
小学生100円

電話番号 0467-22-5512
ウェブサイト https://hokaiji.com/
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