金沢動物園は、三浦丘陵北部の、横浜市最大級の面積をほこる金沢自然公園内にある、世界の希少草食動物を中心に飼育している動物園です。
園内では、動物の生息地別に、アメリカ区・ユーラシア区・オセアニア区・アフリカ区の4大陸に分けて、展示されています。
金沢動物園では、日本では2か所でしか見ることができないオカピ(2024年12月現在)などの希少動物が見られる他、オオカンガルーのウォークスルー展示など、動物をより身近に感じられるように展示方法を工夫されているのが特徴です。
この記事では、それぞれのエリアごとに、金沢動物園の見どころと魅力を、動物園の歴史もまじえながら紹介します。
※金沢動物園のすべての動物を紹介しているわけではありません。また、動物たちや動物園の都合で、展示が中止される場合もあります。
INDEX
アメリカ区
アメリカ区は、1982年(昭和57年)の動物園開園と同時に公開が開始された、金沢動物園でもっとも古いエリアです。(野毛山動物園の分園として開園)
ベアードバクが見られるのは、日本国内では金沢動物園だけです。
アメリカ区でおすすめの動物は、傾斜地を利用した大きな岩山で飼育されている、オオツノヒツジです。オオツノヒツジは金沢動物園の開園当初から飼育されている3種のうちの1種で、金沢動物園のシンボルマークにも使われています。動物の種類が増えた現在でも、金沢動物園を代表する動物の1種と言えます。
オオツノヒツジは、岩山の下から見てもダイナミックですし、岩山の上からも餌を食べる姿などを見ることができます。
また、アメリカ区とその周辺は、金沢動物園の中でもっとも紅葉が美しいエリアでもあります。
オオツノヒツジ
カピバラ
マーラ
ベアードバク
アメリカ休憩所
ユーラシア区
ユーラシア区は、アメリカ区の次に公開が開始されたエリアで、日本を含むユーラシア大陸の動物が展示されています。日本代表の動物としては、ニホンカモシカとホンシュウジカ、タンチョウが飼育されています。
多くの動物園がそうであるように、金沢動物園でもインドゾウは人気者です。ボン(オス)は1976年生まれ、ヨーコ(メス)は1978年生まれで、ユーラシア区が完成した1985年(昭和60年)に、横浜市とムンバイ市の姉妹都市締結20年を記念してインドから来園しました。
インドゾウ
インドサイ
ニホンカモシカ
スーチョワンバーラル
シロテテナガザル
ホンシュウジカ
タンチョウ
ユーラシア休憩棟
オセアニア区
オセアニア区では、コアラが人気者です。金沢動物園のコアラは、1986年(昭和61年)にオーストラリア・クイーンズランド州から2頭のオスが寄贈されたのがはじまりです。
そんなオセアニア区でコアラと並んで人気者なのが、オオカンガルーです。オオカンガルーが飼育されているエリアはウォークスルー形式になっていて、動物たちのすぐ側まで近づいて見学することができる、体験型の展示になっています(ウォークスルー展示は時間帯限定)。
オオカンガルーのウォークスルー展示は、金沢動物園に来たなら必ず訪れたい場所の一つです。
意外と見落としがちな穴場なのは、青色に輝くキレイな羽根を持つ、アオバネワライカワセミです。アオバネワライカワセミは、オセアニア休憩所の室内から見ることができます。
オオカンガルー
アオバネワライカワセミ
オセアニア休憩所
アフリカ区
アフリカ区は、1988年(昭和63年)に金沢動物園でいちばん最後に公開が開始されたエリアです。
アフリカ区の人気者は、なんといっても、オカピです。2024年12月現在、日本でオカピが飼育されているのは、よこはま動物園ズーラシア(4頭)と金沢動物園(1頭)の5頭だけです。
キラキラと輝くような瞳と縞模様が特徴のオカピは、シマウマに似ていますが、キリン科に分類されている動物です。オカピの展示のすぐ近くでは、キリンも飼育されています。
オカピ
キリン
アラビアオリックス
ヒガシクロサイ
モモイロペリカン
その他の金沢動物園の見どころ
ほのぼの広場
アメリカ区に隣接したほのぼの広場では、ヤギやヒツジといった、いわゆる「家畜」と呼ばれているような、身近な動物が暮らしています。
身近ないきもの館
身近ないきもの館では、昆虫や魚類、両生は虫類などの、小動物が展示されています。身近ないきもの館は、動物園入口のなかよしトンネルをくぐった先の、わくわく広場とアメリカ区の間の林の中にあります。
わくわく広場
金沢動物園の眺望スポット
金沢自然公園の中でも標高が高いエリアにある金沢動物園は、眺望も優れています。三浦半島の東京湾側に開けている金沢動物園では、同じ金沢区の八景島シーパラダイスや横須賀北部の港湾から、房総半島まで見渡すことができます。
しいの木山展望台
しいの木山展望台は、動物園入口のなかよしトンネルの上に位置するビュースポットです。
清戸橋
清戸橋は、夏山口からはるか頭上に見上げるような場所に架かる橋です。ここからも、東京湾方面の眺望が優れています。
ユーラシア区
ユーラシア区は、金沢動物園のなかでももっとも標高が高いエリアにあります。時おり、動物たちの展示とは園路を挟んで反対側に目を向けてみるのもおすすめです。
金沢動物園へのアクセス方法
金沢自然公園の中にある金沢動物園は、傾斜地にある公園内でも上のほうにあります。
動物園入口に一番近い金沢自然公園の入口は、夏山口です。夏山口へは、京急線「金沢文庫駅(西口)」より京急バス「野村住宅センター」行きで「夏山坂上」下車徒歩約2分ほどです。
笹下釜利谷道路沿いの正面口からは、にこにこゲートまでコアラバス(無料のシャトルバス、平日・土曜日は約15分おき、日曜日・祝日は約7~8分おきに運行)が運行されていますので、これを利用すると便利です。
また、土日祝日には、京急線「金沢文庫駅(西口)」から金沢動物園入口の目の前までの、直行バスも運行されています。
金沢自然公園までのアクセス方法や金沢自然公園についての詳細は、以下の記事もご覧ください。
金沢動物園入口(なかよしトンネル)
円海山ゲート
金沢動物園は、鎌倉の天園ハイキングコースから金沢文庫駅近くまで続く六国峠ハイキングコースの途中から入園することもできます。
緑豊かな自然と動物をあわせて満喫できるのも、金沢動物園の魅力の一つです。