市役所前公園は、その名前のとおり、横須賀市役所の目の前にある公園です。市役所に加えて、永らく両隣を横須賀警察署と横須賀郵便局に挟まれていた立地だったため(横須賀警察署は2015年に新港町へ移転)、これらを訪れた人たちが憩い、交差する、都会のオアシスとして親しまれてきました。
京急線の横須賀中央駅からも徒歩5分ほどと近く、例年、夏には「よこすか市民盆踊り大会」、秋には「横須賀菊花大会」といったイベントにも利用されています。
市役所前公園の開園は戦後すぐの1946年(昭和21年)と古く、2026年で80周年を迎えました。
かつての市役所前公園は官公庁や繁華街の合間にある公園というイメージが強かったですが、近年は周囲にタワーマンションが増えたことにより、ファミリー層が普段使いする公園という新たな側面もみられるようになってきました。
横須賀市内で5本の指に入るほど長い歴史を持つ市役所前公園は、横須賀中央エリアの変遷の歴史を目の当たりにしてきた、横須賀のセントラルパークです。

INDEX
市役所の来庁者駐車場として利用できる地下駐車場「ぴぽ320」
市役所前公園の地下には320台収容の有料駐車場「ぴぽ320」があります。
横須賀市役所の来庁者駐車場として利用することができ、「ぴぽ320」駐車券を市役所各課の窓口に提示することで、手続きに要した時間分、無料で利用することができます。周辺の商店街の提携店舗では、一定額以上買い物をすると、「ぴぽ320」の1時間無料サービス券をもらえる割引サービスもあります。
また、車で横須賀まで来て、三笠公園や猿島、ドブ板通りといった観光地と、横須賀中央大通り、三笠通りなどの繁華街を歩いてまわりたいという場合も、横須賀中央エリアの中心に位置する「ぴぽ320」を利用すれば、複数の駐車場を使うことなく効率よくめぐることができます。

土地の来歴も感じられる噴水と遊具

市役所前公園のシンボルとも言えるのが、国道16号沿いにある特徴的なデザインの噴水です。近ごろは噴水のある公園も少なくなりましたが、水辺は、ビルに囲まれた無機質な空間に、うるおいや癒しを与えてくれます。
大規模なものではありませんが、小さなお子さんが遊べる遊具も設置されています。休日などは、需要の多さに供給が間に合ってなさそうな場面もみられます。
こちらの遊具も全体として船をかたどったデザインで、水辺をイメージしたものになっています。
明治期にはこのあたりに港があったため、そのような土地の来歴も感じさせてくれます。

横須賀中心市街地復興のシンボル

市役所前公園が開園したのは、戦後すぐの1946年(昭和21年)11月です。現在の横須賀市内の公園としては、明治期に開園した、愛宕山公園、衣笠山公園、諏訪公園に次ぐ古さで、ヴェルニー公園(当時は臨海公園という名称)とほぼ同じ時期に開園しています。
この直前の1946年(昭和21年)2月に米軍によって撮影された空中写真を確認すると、市役所前公園の場所はほぼ更地になっているように見えます。周囲は建物が密集していますので、空襲で被害を受けたためというわけではなさそうです。戦時中は別の用途があったのかもしれませんが、公園になる以前から、市役所前の公共の広場として利用されていたものと考えられます。
横須賀市の中心市街地は、1923年(大正12年)に発生した関東大震災で大きな被害を受けました。市役所前公園の前身と言える市役所前広場は、その震災復興計画のなかで生まれました。
横須賀市役所が現在の場所に移ってきたのは、1928年(昭和3年)のことです。関東大震災の前まで、横須賀市役所の庁舎は、諏訪町(現在の緑が丘)に鎮座する諏訪大神社前の、現在、聖ヨゼフ病院がある場所に建っていました。しかし、地震により倒壊したため移転を余儀なくされ、しばらくは、若松町の軍港ビルなどを間借りして、業務にあたっていました。
横須賀郵便局と、かつての横須賀警察署も同様で、関東大震災後に市役所前広場の隣りに移転してきました。関東大震災までは、横須賀郵便局は当時の大瀧町通り(後の東郷通り、現在の横須賀中央大通り)沿いに、横須賀警察署は平坂沿いに、それぞれ建っていました。
関東大震災の震災復興では、現在の横須賀中央大通り周辺の、従来からの繁華街も区画整理が行われましたが、市役所や郵便局、警察署と言った、比較的大きな区画が必要な施設は、土地の調整がしやすい、比較的新しい埋立地に集められるかたちになりました。(関東大震災前の1921年(大正10年)の地図を確認すると、現在の市役所前公園のあたりがちょうど海岸線で、横須賀市役所のある場所は、まだ埋め立てられる前でした。このことから、横須賀市役所のあるあたりは、大正10年代から昭和初期にかけて埋め立てられたことが分かります)
このように、関東大震災の復興事業でその原型が誕生し、戦後復興の先駆けとして市民憩いの場となった市役所前公園は、横須賀中心市街地が大きな災難を乗り越えてきた歴史の、シンボルのような存在でもあります。
| 時代 | 主な出来事 |
|---|---|
| 明治時代 | 現在の市役所公園周辺まで、大瀧町埋立地の一部として埋め立てが完成。 |
| 大正10年代~昭和初期 | さらに海側が埋め立てられ、現在の横須賀市役所周辺の埋め立てが完成。 |
| 1928年(昭和3年) | 関東大震災で被災した横須賀市役所が、現在地に移転。 |
| 1929年(昭和4年) | 横須賀警察署が現在の市役所公園南隣りに移転。 |
| 1930年(昭和5年) | 横須賀郵便局が現在の市役所公園北隣りに移転。 |
| 1946年(昭和21年) | 市役所前の広場が「市役所前公園」として開園。 |
| 1985年(昭和60年) | 現在の横須賀市役所新庁舎が完成。 |
| 2015年(平成27年) | 横須賀警察署が市役所公園南隣りから新港町に移転。 |

市役所前公園周辺の見どころ
海側の小川町・新港町方面




山側の若松町・大滝町・本町方面





