長柄桜山古墳群は、逗子市と葉山町にまたがる丘陵地にある2基の前方後円墳が確認されている古墳群で、2基ともに、現存する神奈川県内の古墳としては最大級のものです。いずれも、古墳時代前期(4世紀)のものと推定されています。2002年には「長柄桜山古墳群」として国の史跡に指定されました。
長柄桜山古墳群・第2号墳は逗子海岸を見下ろす丘陵地にあります。第1号墳は、およそ3年間に渡る比較的規模の大きな発掘調査がされましたが、第2号墳は小規模な調査しかされていないため、古墳内部の詳しい状況までは分かっていません。
また、第2号墳は最低限の保全整備のみしかされていないため、第1号墳に比べると前方後円墳の全容を想像するのは難しいかもしれません。
第2号墳に見られる「葺石」と呼ばれる特徴的な装飾
長柄桜山古墳群・第2号墳は全長88mあり、全長が91.3mの第1号墳とともに、現在確認できるものとしては神奈川県内最大の古墳です。
第1号墳との違いとして、第2号墳には古墳の表面に「葺石」と呼ばれる装飾が施されていたことが分かっています。
しかし、どちらが先に築かれたかなどの詳細までは分かっていません。
富士山や江の島を望む尾根の突端に築かれた第2号墳
長柄桜山古墳群・第2号墳は蘆花記念公園の裏山にあたる、相模湾に近い尾根の突端にあります。逗子海岸、渚橋をすぐ眼下に見下ろせるような場所です。
ちょうど、古墳の前方部が海に向いていて、その先には江の島や富士山があります。
現在は古墳自体にも、周囲にも、木々がうっそうと茂っているため、そこに前方後円墳があることなど言われなければ気づくことができませんが、第1号墳と同じように、第2号墳も平野部や海上からよく見えるような場所に築かれています。