建長寺の紅葉は、三門(山門)周辺はそれほど多く見られませんが、境内の奥へ進むにつれて徐々に増えていくのが特徴です。いちばん奥にあたる鎮守・半僧坊周辺が、建長寺最大の紅葉の見どころです。
建長寺は、三門から仏殿、法堂、方丈が一直線に並ぶ、伝統的な禅宗寺院の伽藍配置となっていて、この導線が拝観のメインルートと言えます。このルートを左手から迂回するように続いているのが「勝上嶽半僧坊道」や「半僧坊道」などと名づけられた、境内最奥の半僧坊へ続く参道です。建長寺の紅葉もこの参道沿いで多く見られます。
建長寺拝観のメインルートでお参りをすませたら、続けて、こちらの建長寺紅葉鑑賞ルートへ進むのがおすすめです。
建長寺の紅葉のハイライトは、半僧坊へと登る石段沿いのモミジとイチョウです。建長寺の境内にはモミジが多いですがイチョウは多く見られません。半僧坊周辺ではモミジもイチョウも両方見ることができ、モミジの紅葉がピークを迎えるころには、石段上にイチョウの落葉が敷きつめられて、黄色い絨毯が現われます。
三門周辺から半僧坊までは、紅葉の鑑賞を楽しみながら、ゆっくりと歩いて30分くらいです。半僧坊まで着いたらまた三門方面に戻るのも良いですが、さらにその先の勝上嶽展望台へと進んで、天園ハイキングコース(鎌倉アルプス)経由で、次の紅葉の名所をめざすのも良いでしょう。半僧坊から、たとえば、明月院や覚園寺へ行くならば、勝上嶽展望台~天園ハイキングコース経由が最短ルートです。
建長寺の紅葉の見ごろ時期は、例年、12月上旬にピークを迎えます。場所によっては12月中旬以降も楽しめ、紅葉がお目当ての観光客も落ち着くこの頃に拝観するのもおすすめです。
仏殿・法堂周辺
建長寺の仏殿・法堂周辺ではそれほど紅葉する木は多く見られませんが、公衆トイレの周辺のモミジと仏殿・法堂とのコラボレーションは、晩秋の禅寺らしい雰囲気を味わえます。
天源院・龍峰院周辺 ※境内非公開
建長寺境内に建つ塔頭寺院の天源院や龍峰院周辺は、建長寺の中でも紅葉を多く見られる場所の一つです。天源院や龍峰院の境内は通常非公開ですが、山門前の参道沿いや周囲からでもじゅうぶん楽しむことができます。
(「塔頭(たっちゅう)」とは禅宗寺院の境内またはその周辺に建つ付属の小寺院のことで、厳密には、宗派の開祖や代々の住持、高僧の墓塔のことです)
方丈裏庭園周辺
方丈裏庭園に面した、勝上嶽半僧坊道沿いの紅葉も見事です。石垣の上から大きく枝を伸ばしたモミジが道の天井を覆っていて、紅葉のトンネルのようになります。
谷戸の中に位置する建長寺境内は、陽当たりの良くない場所も多いですが、この辺りは日中を通してじゅうぶんな陽射しを受けることができているため、モミジもキレイに色づくことが多いです。
境内最奥の半僧坊まで行く時間がないという方も、紅葉の季節には、勝上嶽半僧坊道の方丈裏庭園までは来てみるのをおすすめします。
半僧坊・回春院分かれ道周辺
勝上嶽半僧坊道は、半僧坊参道の手前で河村瑞賢遺跡(河村瑞賢の墓)と回春院方面に続く道が分岐します。方丈裏庭園よりはスケールは小さいですが、このあたりでも紅葉のトンネルを楽しめます。
半僧坊参道の入口付近にある、虫塚の竹林の中から紅葉を眺めてみるのも、風情があっておすすめです。
回春院・大覚池
回春院は、建長寺境内に建つ塔頭寺院の一つです。大覚池のほとりに建っています。池のまわりにはモミジの木が多く見られます。
回春院は小さな谷戸の中にあり、陽当たりがあまり良くないこともあって、モミジが真っ赤に色づく姿は見られないかもしれませんが、参拝客もそれほど多くは訪れないため、大覚池のほとりで静かに過ごすことができます。
回春院の奥からは、鎌倉の中心市街にも近い、西御門方面に抜けることができる山道が続いています。
半僧坊
建長寺の鎮守である半僧坊は、建長寺で最大の紅葉の見どころです。急な石段を登って行く必要がありますので、誰にでもおすすめできるわけではありませんが、体力に自身のある方は、紅葉の季節に北鎌倉で必ず訪れるべき場所の一つです。
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