ボッケ崎(暮景崎)は、三浦半島・東京湾側南部の金田湾に面した、菊名海岸と金田海岸を隔てる小さな岬です。
岬の高台を走る菊名海岸側の道路は三浦海岸方面への景色が素晴らしく、サイクリングで三浦半島を一周している人たちが足を休めて記念撮影している姿をよく見かけます。とくに、武山・砲台山・三浦富士といった、三浦半島南部を代表する山並みを海越しに一望することができる眺望スポットです。
三浦海岸から剱崎方面に海沿いの道を南下して行くと、急に沿道のお店が減ってさびしくなりますが、ボッケ崎(暮景崎)周辺ではこの景色の良さをいかしたオーシャンビューのカフェなどが数件営業しています。
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三浦海岸の花火大会の穴場観覧スポット
ボッケ崎(暮景崎)は、例年夏に開催されている「三浦海岸納涼まつり花火大会」観覧の穴場スポットとしても、隠れた人気があります。
打ち上げ場所となる三浦海岸沖からの距離は離れていますので迫力は欠きますが、さえぎるものがなにもありませんので、全体を見渡すことができます。
展望広場のようにはなっていませんが、三浦海岸方面に面した歩道は広めにとられていますので、ここが絶好の花火観覧スポットになります。
源頼朝の伝説が名前の由来の暮景崎
1993年に発行された浜田勘太氏著「南下浦の歴史探訪記」によると、暮景崎(ボッケ崎)という名前の由来は、源頼朝がここから見る景色が素晴らしかったため、日の暮れるのを忘れてしまうほど眺めていたという伝説が残る場所だからだと言います。
源頼朝が三崎方面に何度か足を運んでいたことは鎌倉時代の歴史書「吾妻鏡」にも記録が残されていて、「三崎山荘」や「三崎の三御所」などと呼ばれた別荘を設けていたほどでした。
当時の舟では鎌倉から三崎まで日中の時間帯だけで航行するのは難しいと考えられるため、由比ヶ浜~森戸~三崎~暮景崎(ボッケ崎)~六浦などと周遊しながら、プチ旅行をたのしんだのかもしれません。
現在も海上保安庁などによる海図では「ボッケ埼」という表記が見られ、この岬名が正式なものとして使用されています。