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岩殿寺(岩殿観音)| 源頼朝や泉鏡花ゆかりの逗子のあじさい寺

岩殿寺(岩殿観音)(撮影日:2022.06.17) 逗子
岩殿寺(岩殿観音)(撮影日:2022.06.17)
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岩殿寺がんでんじは、現在の鎌倉市大町と逗子市の小坪や久木を結ぶ名越切通なごえきりどおしの、逗子側の入口近くに建つ、奈良時代に創建された古刹です。

源頼朝平家討伐の挙兵をした際、岩殿寺十一面観音が手助けしたという逸話が残っています。源頼朝はもちろんのこと、妻の北条政子、二人の娘、源実朝といった頼朝ファミリーの他、三浦義澄義村親子が参詣するなど、武家からもあつく崇敬されていました。
その後、鎌倉の衰退とともに、岩殿寺も荒廃してしまいますが、江戸時代には徳川家康が参詣し、寺の再建の手助けをしたと伝えられています。

山門の前や参道周辺など、岩殿寺の境内にはあじさいが多く見られ、逗子のあじさい寺といった風情があります。

山号海雲山
宗派曹洞宗
寺格
本尊十一面観音
創建721~722年(養老5~6年)
または、720年(養老4年)
開山不詳
開基徳道、行基両聖人
または、行基

岩殿寺は、宅地化が進んだ逗子の谷戸の奥にひっそりと佇んでいますが、逗子でも有数の歴史ある寺院です。初夏には境内が美しいあじさいに彩られる、源頼朝徳川家康泉鏡花らゆかりの岩殿寺は、「逗子景勝十選」に選ばれています。

岩殿寺(岩殿観音)・観音堂へ続く石段の途中から逗子市街を望む(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・観音堂へ続く石段の途中から逗子市街を望む(撮影日:2023.06.21)
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岩殿寺は逗子のあじさい寺

岩殿寺(岩殿観音)(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・山門前のあじさい(撮影日:2023.06.21)

岩殿寺がある逗子市のお隣りの鎌倉市には、「あじさい寺」として有名なお寺がいくつかあります。最盛期の岩殿寺のあじさいも見ごたえがたっぷりありますが、訪れる人はあまり多くはありません。岩殿寺は、穴場のあじさい鑑賞スポットとしてもおすすめです。

岩殿寺(岩殿観音)・参道沿いのあじさい(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・参道沿いのあじさい(撮影日:2023.06.21)

▼その他の逗子&葉山のあじさいの名所はこちら▼

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坂東三十三観音・第2番札所

岩殿寺(岩殿観音)は「坂東三十三観音」の第二番札所になっています。「坂東三十三観音」の第一番札所・杉本寺(杉本観音)のある鎌倉市浄明寺から、浄明寺緑地鎌倉逗子ハイランドを経て名越切通までの間には、現在も巡礼古道平成巡礼道と呼ばれる山道が続いていて、ハイキングコースとして利用できます。
第二番札所・岩殿寺(岩殿観音)から名越切通を鎌倉側に越えると、第三番札所・安養院(田代観音)があります。

鎌倉時代初期に開設された「坂東三十三観音」は、鎌倉の杉本寺からはじまり、一度岩殿寺で現在の逗子市に出て、安養院でまた鎌倉に戻りますが、源頼朝の時代には、このあたりも鎌倉エリアの範囲内であったのでしょう。

山門の先にある長い石段を登りきると、観音堂が建っています。現在の観音堂は江戸時代の1728年(享保13年)に再建されたものとされ、逗子市の重要文化財に指定されています。

納経所

岩殿寺(岩殿観音)・納経所(撮影日:2022.06.17)
岩殿寺(岩殿観音)・納経所(撮影日:2022.06.17)

観音堂

岩殿寺(岩殿観音)・観音堂(撮影日:2022.06.17)
岩殿寺(岩殿観音)・観音堂(撮影日:2022.06.17)

奥の院岩殿観音

岩殿寺(岩殿観音)・奥の院岩殿観音(撮影日:2022.06.17)
岩殿寺(岩殿観音)・奥の院岩殿観音(撮影日:2022.06.17)
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関東百八地蔵霊場・第89番札所

岩殿寺はまた、「関東百八地蔵霊場」の第八十九番札所になっています。

子育地蔵尊

岩殿寺(岩殿観音)・関東百八地蔵尊札所「子育地蔵尊」(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・関東百八地蔵尊札所「子育地蔵尊」(撮影日:2023.06.21)

爪堀地蔵尊

岩殿寺(岩殿観音)・関東百八地蔵尊札所「爪堀地蔵尊」(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・関東百八地蔵尊札所「爪堀地蔵尊」(撮影日:2023.06.21)
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岩殿寺は泉鏡花ゆかりの寺院

岩殿寺(岩殿観音)・泉鏡花の句碑(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・泉鏡花の句碑(撮影日:2023.06.21)

岩殿寺は、明治後期から昭和初期にかけて活躍した小説家・泉鏡花ゆかりの寺院でもあります。泉鏡花は3年ほど逗子に逗留していて、その際、たびたび、岩殿寺へも参拝していました。小説「春昼」(1906)の舞台になっている他、「逗子より」という随筆でも岩殿寺について書いています。
鏡花は、「がんでんじ」ではなく、「いはどのでら」などと呼んでいました。

岩殿寺には、山門の横に泉鏡花の句碑が建っています。また、観音堂の近くには、鏡花が寄進したという「鏡花の池」と名付けられた池があります。

大崎公園立石公園に文学碑があるなど、岩殿寺の他にも、逗子や逗子周辺には、泉鏡花にまつわる場所がいくつかあります。

岩殿寺(岩殿観音)・鏡花の池(撮影日:2022.06.17)
岩殿寺(岩殿観音)・鏡花の池(撮影日:2022.06.17)
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岩殿寺のその他の見どころ

往時には七堂伽藍を備えていたという岩殿寺も、何度か衰退と再興をくり返して、現在は静かな佇まいです。参道や境内に並び立つ巡礼者が奉納した石碑の数々が、歴史の長さを物語っています。

慈母観音・慈父観音

岩殿寺(岩殿観音)・慈母観音と慈父観音(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・慈母観音と慈父観音(撮影日:2023.06.21)

利生堂

熊野権現社

岩殿寺(岩殿観音)・熊野権現社(撮影日:2022.06.17)
岩殿寺(岩殿観音)・熊野権現社(撮影日:2022.06.17)

稲荷明神社・猿田彦神社

岩殿寺(岩殿観音)・稲荷明神社と猿田彦神社(撮影日:2022.06.17)
岩殿寺(岩殿観音)・稲荷明神社と猿田彦神社(撮影日:2022.06.17)

蛇や蔵

岩殿寺(岩殿観音)・蛇や蔵(撮影日:2023.06.21)
岩殿寺(岩殿観音)・蛇や蔵(撮影日:2023.06.21)

このやぐら中の池が海まで続いているという伝説があります。
泉鏡花の小説「春昼」では、物語のクライマックスに「蛇の矢倉」として登場します。

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鎌倉幕府初代将軍・源頼朝ゆかりの地

DATA

住所 逗子市久木5-7-11
アクセス
行き方

JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅(西口・久木方面)」より徒歩約15分
JR横須賀線・湘南新宿ライン「逗子駅(東口)」より徒歩約20分
京急逗子線「逗子・葉山駅」より徒歩約25分

駐車場 あり
営業時間

<拝観時間>
9:00~16:00

料金

<拝観料>
100円

電話番号 046-871-2268
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