「長谷観音」の名で親しまれている鎌倉有数の古刹で、創建は奈良時代です。
本尊の十一面観世音菩薩像は木彫仏としては日本最大級で、「観音菩薩」をテーマとした観音ミュージアム(拝観料とは別料金が必要)も併設されています。
長谷寺は、40種類2,500株のアジサイをはじめ、梅や桜など、四季を通じて花が絶えることのない、鎌倉を代表する花の寺でもあります。
長谷寺の境内や寺がある山の中腹に設置されている見晴台からは、鎌倉のまちや由比ヶ浜、三浦半島方面が一望できます。
源頼朝が鎌倉に幕府を開いて以降に創建された多くの寺院や神社が谷戸を開発して、狭いながらもできるだけ平地に建てられたのに対して、長谷寺は主要な建物が山すそに地形にそって配置されています。
山号 | 海光山 |
宗派 | 浄土宗 |
寺格 | ー |
本尊 | 十一面観世音菩薩像 |
創建 | 736年(天平8年)(伝) |
開山 | 徳道 |
開基 | 藤原房前 |
長谷寺の阿弥陀堂には、源頼朝の厄災消除を祈願して造立されたと伝わる阿弥陀如来坐像が安置されています。また、長谷寺には畠山重忠の守り本尊と伝わる仏像も安置されていて、鎌倉時代の武士にゆかりがある仏像も拝観できます。

INDEX
長谷寺の紫陽花の見ごろは6月上旬~中旬

例年6月上旬~中旬に見ごろを迎える長谷寺のアジサイは、今では観音様と並んでお寺のシンボルのような存在です。
境内の散策路沿いに咲くほか、いろいろな場所に鉢植えのアジサイも飾られていて、最盛期には境内がアジサイであふれます。
とくに、境内の上のほうにある「あじさい路(眺望散策路)」は見ごたえがあります。あまりの人気のために、なかなか前へ進めなかったり、入場制限がかけられることもあります。散策路の両側からアジサイの花が迫ってくるような迫力は感じられませんが、シーズン直前の平日は比較的空いているためオススメです。
2023年の長谷寺のあじさい路は、6月1日(木曜日)から見ごろ終了まで、拝観券の他に「あじさい路入場券」が必要になります。
大人 拝観料400円+あじさい鑑賞券500円 合計900円
小中学生 拝観料200円+あじさい鑑賞券500円 合計700円
長谷寺の拝観券とあじさい鑑賞券のセットは、日時指定で事前購入することもできます。詳しくは長谷寺公式サイトをご覧ください。




長谷寺命名の新種をはじめ40種類の紫陽花

長谷寺のアジサイの特徴の一つに、見られる品種の豊富さをあげることができます。
「長谷の潮騒」や「長谷四片」「長谷の祈り」など、長谷寺で命名された新種のアジサイも多く見ることができます。
めずらしい品種は鉢植えで紹介されているのに加えて、「あじさい路」でもよく見かける品種に混じっていろいろな種類のアジサイが植えらえれています。


鎌倉を代表する花の寺

長谷寺はアジサイが有名ですが、それほど混雑しないアジサイの時期以外に行っても、季節の花をたのしむことができます。
とくに梅は、いろいろな品種が植えられていて、1月ごろの黄色いロウバイや黄梅からはじまって、2月から3月にかけては白梅や紅梅、ピンク色の枝垂れ梅などが、時期をずらして開花していきます。
もちろん、梅が終わった後は桜もたのしめます。境内の山全体がソメイヨシノの薄紅色やヤマザクラの白色に染まる姿は、圧巻です。
ちょうど桜が見ごろになるころに、長谷寺は春の花のピークを迎えます。

しだれ桜

ソメイヨシノ

利休梅(リキュウバイ)

木瓜(ボケ)

シャクナゲ

ツツジ

幻想的な紅葉のライトアップ

近年、長谷寺では、紅葉の見ごろの時期に、閉門時間をくり下げて、ライトアップが行われます。
人気のイベントのため、毎年多くの人が訪れます。それでも、境内のいたるところにモミジがあり、そのほとんどがライトアップされるため、見どころも混雑も分散されます。
とはいえ、一番人気の放生池のライトアップは幻想的で、写真撮影の行列ができるほどです。

鎌倉時代以前からの要所
長谷寺がある場所は鎌倉時代の鎌倉の中心地からは少し離れています。鎌倉時代に開削された大仏切通や極楽寺坂切通に近く、中世の基準では鎌倉のふちにあたる場所と言えます。
しかし、長谷周辺には、鎌倉最古の神社と言われる甘縄神明神社や平安時代創建と伝わる御霊神社(権五郎神社)などの古社も多く、古東海道(古代東海道)沿いでもあるこの地は、源頼朝の鎌倉入り以前は鎌倉の中心地と言えるような場所であったことがうかがい知れます。



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