立石公園は、横須賀の秋谷にある相模湾に面した公園です。「立石」とは波打ち際に立つ巨岩のことで、高さ約12m、周囲約30mあります。この「立石」は、「秋谷の立石」として「かながわの景勝50選」の一つに選ばれていて、人気の景勝地です。
立石公園は、葉山から少し南に下った場所にあるため、ガイドブックなどでは葉山エリアの観光スポットとして、あるいは、不動産や飲食店などのキャッチコピーでは「南葉山」として紹介されることもありますが、葉山ではなくここは横須賀です。
立石公園を訪れるいちばんのオススメの季節は、空気が澄んでいる冬場です。条件がそろえば、相模湾越しの富士山と、小さな岬「梵天の鼻」に立つ松の木、そして立石の巨岩と、目の前に歌川広重(安藤広重)の浮世絵「相州三浦秋屋の里」に描かれ浮世絵の世界がひろがります。
とくに、三浦半島や横須賀を代表する夕日の絶景スポットとして人気があります。
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富士山の人気撮影スポット
立石公園は、富士山を望む絶景スポットとして人気です。
相模湾越しの富士山はどの季節のどの時間に訪れても違った表情を見せてくれます。とくに、立石がある秋谷周辺で1年に1回チャンスがあるかどうかの、ダイヤモンド富士やパール富士を見ることができる日は、非常にたくさんのカメラマンが集まります。
ダイヤモンド富士とは、富士山に登る太陽や沈む太陽がちょうど山頂に当たり、光り輝く現象です。三浦半島では春と晩夏ごろに2回チャンスがあります。立石公園周辺では春が4月13日~14日、晩夏が8月28日~29日ですが、厳密には見る場所やうるう年かどうかによって異なります。もちろん、実際には気象条件にも左右されます。
一方、パール富士は、富士山に登る満月や沈む満月が山頂で輝く現象です。月齢(「満月」のように見えるのはひと月に3日程度)や月と太陽の位置関係による明るさなどの条件があり、パール富士のほうがダイヤモンド富士よりレアな現象と言えます。
富士山の東側に位置している三浦半島から見ることができるのは、富士山に太陽または月が沈む、ダイヤモンド富士またはパール富士になります。
太陽や月が沈む位置は毎日変わるため、ちょうど富士山の山頂に沈むことが見られる場所を探すことが前提条件として必要です。
立石公園は三浦半島を代表する夕日の名所
ダイヤモンド富士やパール富士のような日ではなくても、立石公園の夕暮れは特別なものです。
立石の巨岩と立石公園の前に突き出た小さな岬「梵天の鼻」の松の木、そして富士山も顔を出してくれれば、相模湾沿いで最高の夕日のロケーションと言っても過言ではないでしょう。
刻一刻と変化していく立石公園の夕暮れを眺めていると、マジックアワーという言葉の意味が良く分かります。
自然の景色が売りの小さな海浜公園
立石公園自体は、それほど大きな公園と言うわけではありません。国道134号と海の間の狭いに土地に整備された、小さな海浜公園です。
子どものための遊具があるような公園とも違いますが、公園の下の海岸では磯遊びもたのしめます、自然の遊び場ならあります。
また、立石公園としての駐車場はありませんが、隣接する県営立石駐車場を利用できます。人気の景勝地にありながら、立石駐車場は1年を通して無料で利用できるということもあり、ドライブの立ち寄りスポットとしても人気があります。
秋谷が物語の舞台となった泉鏡花の小説「草迷宮」文学碑
立石公園がある秋谷は、明治時代から昭和初期にかけて活躍した小説家・泉鏡花の「草迷宮」(1908年)の舞台になった場所です。これを記念して、公園内には「草迷宮」の文学碑が建てられています。
この記念碑の冒頭にある「大崩壊」とは、立石公園からもほど近い長者ヶ崎・大崩海岸周辺のことです。
立石公園のすぐ側には、「草迷宮」の物語後半に登場する黒門の別邸のモデルとされる、若命家長屋門(旧秋谷村の名主・若命家の屋敷)があります。
泉鏡花が逗留していた逗子にある大崎公園にも、泉鏡花の俳句が刻まれた、めずらしい、ウサギの形をした文学碑が建っています。また、同じく逗子の岩殿寺にも、泉鏡花の句碑があります。